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一兆年の夜 第百十話 時間旅行 天才南野ヒツ市の閃き(再)

 午後八時二十三分十八秒。
 ヒツ市と彼を助けたファウ俊は埋葬と食事を挟みながらずっと会話を楽しんだ。
「……だよなうん。大体、最近の若い者はヒック……光を絶対視するうん!」
「そうだそうだ……既に光は中性微子に追いーイ越されたんだ。そんな事は私が……ヒックーい」確かにヒツ市の予言通り、遥か先の時代に於いて一時は光の最速説が揺らいだのも事実。「私が予言するんだーイ。光が絶対的な速度は近い明日に崩れる事と成るーウ!」
「そうだそうだう……ン?」
 ノボセヤガッテ……ん、何だあの縞馬族のジイサンハ--ガン流豆は全身を土塗れの状態で帰還した。
「おーウ、ヒック……酒飲むかあ?」
「アア、呑んでやるサア!」ガン流豆は嘗ての自宅が跡形もない事を受けて心に大きな傷を受ける。「コンナコトに成るならいっそ時間旅行なんかしなければヨカッタンダアアア!」
 オオ、まだまだあるからジャンジャンと行こうじゃんかうん--と五十手前とは思えない怪力で立方成人体型一もある酒樽を運ぶファウ俊だった!
 三名は明くる日の零時十八分まで酒を飲み干して大いに科学談義をしたのであった。
『--ええ、其れが昨の日の始まり迄やらかして二日酔いを起こした原因。私達が
こうして必要分の古酒を全て空っぽにしたのは後に成って見れば子孫達に申し訳ない
気持ちで一杯に成る。酒の恐ろしさとは即ち、酔いが醒めた後に始まる。二日酔いで
恐ろしいまでの悔いの念として襲い来る事だ。酒は少量呑めば薬と昔から言われ続けても
多量に呑むと生命の感覚を狂わせる。何でも酒は脳細胞に良くないそうだ。
 あ、先に序に補足すると脳細胞はある年齢を超えると少しずつ細胞は想念の海に
旅立つ。決して、細胞分裂する事はない。いや細胞分裂は勿論する。けれども脳細胞の
細胞分裂の速度では想念の海に旅立つ細胞を埋め合わせる事は絶対に有り得ない。
 こうして私も日記を記すのは私も既に脳の細胞が工夫では如何しようもない状態に
あるからだ。歳を取ると肉体だけでなく、脳まで衰えが激しい。酒に溺れるのは妻の死が
徐々に忘れると同時に浮かび上がる強烈な孤独感が私にそうさせてしまう。何と言う事
だろう。益々私は才能ある者達との差が広がるばかりじゃないか。其れで--』

 十二月二十日午前八時四分十一秒。
 日記を記すヒツ市にガン流豆は声を掛ける。
「チョット俺は時間旅行機を組み立てにファウ俊という変わった祖父さんの所にユク」
「まさか……蒼天電光の中で時間旅行機とやらを組みーイ立てる気か?」
 イケナイカ--ガン流豆は其処までして元の時代に戻りたい模様。
「そんな事をしても意味がないーイ。抑々、貴方は時間旅行機が如何して時間旅行を果たせたのかをまだ詳しく知らないーイのだろう?」
「イヤ、大体はワカル」
「じゃあ聞こうか、どんな仕組みなのかをーウ」
 挑戦的な生命と嘗て会った事が在るだけにガン流豆は少し意地に成る。其の為、ガン流豆の説明は三の時と十八の分も掛けた。
「……という訳で俺は--」
 待てーイ、昼食の時間だぞ--余りの長さにお日様の位置は既に頂上まで上っていた。
「コウシテイル間にも俺の時間だけが進むばかりだ……俺は、オレハ!」
「まあ、完璧を求めるのが科学者の務めじゃなイー……そうゆうのは数学者に任せるのだ、太間ガン流豆」
 科学者は誤差修正だけで十分……ヒツ市は其れを強く主張する。
「ダナ……じゃあ昼食でも摂ってからあの爺さんの所までイコウカ」
 そうソーウ、其れで良い--ヒツ市は二日酔いが醒めて嬉しいのか、今日は陽気な模様。
(そうそう、私が発見した自発的対称性の破れとは科学の原点に立つと別に美しーイさの必要がない……そうゆう所から由来する。若しくは美しイーさの余りに心理から目を背けない為に編み出された物かも知れない。まあ何れにしたって……あ、そう言えば時間旅行機の仕組みについて少し気に成る点があったなーア。昼食の後に尋ねてみよう)
 昼食の準備の一の時、食事は半の時も掛ける二名。決して此れは歳を摂る事で食べる速度にも影響したという話ではない。どの道、食事は焦らずに食べる方が健康に良い為に行われる。其れからヒツ市は気に成った事を尋ねる。其れは一般生命にわかりやすい事ばかりではない。時には説明しても難しい事である。なので此処は敢えて省く事にしておこう。
 重要なのは其の後にガン流豆自身が語った時間旅行の条件について。此れについてヒツ市は何かを閃く。
(時間旅行に於ける素材と銀河連合……だが、何方も今迄の拙が正しいーイなら必要だっただろう。でも、何か完璧すぎる気がするーウ。私は其処に新たな課題を投入する必要があると思うーウ。其れもーウ……ンン?)
 ドウシタ、ヒツイチ--ガン流豆はヒツイチが閃くのを察知した。
「ところで太間ガン流豆よ」
「ナ、ナンダ?」
「時間旅行するーう前はどなたの所に居た?」
「ソレハ……ウググ」其れを言おうとして突然、頭を痛めるガン流豆。「ナ、ナンダ……今迄こんな事が無かったノニ!」
 やはりそうか--ヒツ市はある仮説に納得してゆく。
「ド、ドウシタンダ?」
「道理で何か貴方と会って違和を感じーイた」
「ソンナのわかり切った事だろうさ、俺が--」
「そうじゃなくて、貴方は明日から此の時代に時間旅行しーイたのでしょう!」
 アス……そんな馬か鹿な事がアリウルカ--ガン流豆は信じない模様。
 だが、ヒツ市は信じ得る理由として……「では今迄で時間旅行した中で其の度に初めて出会った生命の名を出しイーて欲しいーイ」
「そんなの決まっている……ウグ、えっとハイゼ・ベルルグ、ショーイ・ノーマグ、シュレイ・ディングァ、ゲロルギー・ガーモス、トーヨル・ターニヤ、スチューブ……其れと、ナアア!」ガン流豆は実に三度も頭痛を起こす。「サンメイだけ思いダセナイ!」
 やっぱりーイそうだったか……此れで証明出来た--ヒツ市は此のガン流豆がある明日の時代に時間旅行し、其処で此の時代まで巻き戻されたのだと確定した!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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