FC2ブログ

一兆年の夜 第百九話 時間旅行 理論家スチューブからの数々の問題(九)

 午後九時五十九分八秒。
 二名は直ぐに熱を感じる--熱が発生する方向に体及び顔を向けると其処にはダマッ躯を死なせた特殊な馬型が炎を纏って更には両後ろ足首が食い千切られた状態で立っていた!
「ああ、そうか……あれは何かわかっちゅ。牛族に近い馬族が多い中で偶に速度重視の馬族が存在すちゅ。あれは……其れを更に発展させちゅ特異馬族ならぬ特異馬型だ」
 ヘンナ名称以前にあれは普通に混合型で良いだろう……良くない状況ダケドサ--とガン流豆は其の特異馬型が来る事を想定していないのか、焦るように時間旅行機を組み立て始める!
(怒りは湧き起こっても其れで僕の体が動く訳じゃなちゅ。悔しいが、僕は所詮口だけの生命で……ダマッ躯の助けが無ければ何も出来なちゅ。恐怖が……冷静に考えても恐怖は頭脳を高めちゅ机の上の理論を立てた位で収まる代物じゃないな。此れが理で屈する事の出来なちゅ感情論なのか。悲しみと怒りは同じじゃない為に同居しやちゅい。故に僕は銀河連合に怒りを覚えちゅ。
 だが、体を動かせる訳じゃない……結局他者に任せる以外にあの特異馬型を止めちゅ方法がわからない)
 スチューブは首から上しか活躍出来ない己を悔い始める。其れも其の筈、彼は仇を討つべき筈なのに其の要件を満たさない事に憤りを感じる。憤りは悔いに繋がり、悔いは自らの生まれにも直結しかねない事態でもある。
 デキタゾ……俺が何とかするからお前は口だけウゴカセエエ--ガン流豆は車輪を付けた時間旅行機を押してスチューブを助けるべく必死に成る!
「ま、間に合わちゅ。既に鬼族の成者平均成人体型並みの腕周りの長さまで接近していちゅ!」
「イイヤ、俺が間にアワセルゾオオオ!」だが、其処は距離が遠い為に叫び声だけが空しく響く。「チクショウめ、何で間にアワナインダアア!」
 そして距離は一般空中種族の子供の羽の大きさまで接近--其の時、特異馬型の左眼に直撃する巨石!
 其の一瞬が、特異馬型を大きく怯ませて思わず視線を巨石が飛んで来た方角へと向ける事に。だが、其の方角は巨木が立ちはだかる。其れでも特異馬型は冷静さを取り戻せずに何と巨石が飛んで来た方角へと体を向けて走り去ってしまった!
 そんな良くわからない状況を見て千鳥足を止めるガン流豆。彼のみならずスチューブも一体何事なのかと考え始める。
(此れは一体如何ゆちゅ意味だ? そんな偶然にしては出来過ぎる事が現実に起こり得ちゅといちゅのか? 一体どんな働きが起こったといちゅのか!
 いけない、余りにも合理的な説明が思い浮かばなちゅ。一体如何してだ……世界観補正は認めちゅぞ!)
 スチューブは現実主義的な生命。故に御都合主義が介在する世界観補正の存在を認めない。其れはガン流豆も同じだった。
「オカシイなあ、スチューブ。オレハ上位存在が俺達を守る為にあらゆる事象を書き換えるという努力をする意味を無くす話を認めない主義なんだよ……だからこうゆう事で一々世界観補正の話をダシタクナイ」
「僕も同じでちゅ。世界観補正は科学を信じられなく成る理論だ……いや、空論ぢゅ。だから僕は世界観補正については絶対に触れないのが趣味だ……若しも、だけど」
 ナンダ--時間旅行機をスチューブの近くまで移動するガン流豆。
「若しも世界観補正が正しいとしたら……僕はお金を出そちゅ」
「カケゴトが好きかよ、困った生命ダ」
「実は僕とほぼ同じ年のとある生命が重みを与える粒子があると主張していちゅんだ」
「ソレデドウシタ?」
 若しも発見されたら金を払うって約束しちゅんだ--恐怖で引き攣ったような顔はすっかり取り払ったスチューブ。
「オモミを与える粒子……誰が主張しているノダ?」
「ロディコチーター族のチータン・ヒッススって生意気な生命でちゅ」
「オマエモ十分生意気ダゾ」
「僕は良いんだ、生意気が認められちゅ選ばれた生命だからな!」
 ナント自信満々且相手の事を考えない台詞である事カ--ガン流豆はスチューブに呆れて溜息を吐いた。
 だが、二名の仄々とした会話は此処で止まる--再び、熱を感じ……振り向くと其処には先程、明後日に向かった筈の銀河連合が煙を放つ涎を垂らしながら見つめるではないか!

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR