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一兆年の夜 第百九話 時間旅行 理論家スチューブからの数々の問題(一)

 ICイマジナリーセンチュリー二百五十八年十二月八日午後十時二分三十七秒。

 場所は真古天神武首都六影府中央地区。
 其の中で神武聖堂を含めた公の建物を除いて二番目に大きな三階建ての建物の三階寝室で鼠族用の運転椅子に腰かけるとある生命が一名。齢四十にして二日目に成る武内鼠族の老年は鼠族用の視力矯正器を通して独り言を述べて行く。
「見えるという事は果たして意味を齎ちゅか? いや、抑々此れは真っ直ぐ見ていちゅのか? 其れとも本当は僕達は歪んでみていちゅのではないか? あーあ、僕がこうして生まれ以っての身体機能の隔たりも元々はそう決められていちゅのか?」
 彼の名前はスチューブ……ショーイ・ノーマグ、アインズ・シュラインタイルと並ぶ程の突出した才の持ち主。同時に二名同様に大きな変わり者。身体能力は生まれ以って自由が利かず、一生の大半を運転椅子に腰掛けて送るしかない程の病を持つ。顔付きも安定せず、何時も表情が豊かに成れず。だが、其れはあくまで身体能力上の変わった部分で在る。性格面はどんな些細な疑問も突然、投げ掛けて来るとんでもない生命。生前のアインズは若かりしスチューブのそうゆう点を非常に難儀し、回顧録でも『生意気な若造』と評する程。実際にアインズが唱え、セミジャック・ミーントの物理学を終わらせた相対性理論に対しても異議を唱え、早急に穴埋めしないと其れだけでは成り立たなく成ると主張したのはスチューブである。其れ位にスチューブは絶対視を好まない成格である。
「おやおや、また幻聴でちゅか。全くこんな状態なのに今度は幻聴でちゅか……いや、臭いを齎ちゅ幻聴とは珍しい。さて、夜中の僕が自力で幻聴先へ向かちゅべきか如何か? うーん、やっぱ眠れなちゅ成るのは健康に良くないちゅな。言っちゅみよう!」
 独り言が多いのも突出した才の持ち主に見られる光景。スチューブの場合は家族に自分の理論を語ってもまともな議論が成立しない。かと言って親しい生命であるタゴラスカンガルー族のロッジ・ペンロッルの所まで向かうにもわざわざ暑苦しい所で汗を流す事に繋がる。彼は大の夏が苦足で汗をかく事が何よりも好める状況ではない性。故に益々一名で居る事が多くなり、親族以外では話す機会が少なくなる。更には変わり者の性格が家族を遠ざける事多々あり、其のせいで既に付き者以外の生命は自宅内には居ない始末。
 あ、無事でしたああああうか……スチューブさん--齢二十八にして三の月と四日目に成る六影馬族の青年が扉を開けて駆け付ける。
「何ちゅ、君か」
「庭を見て下さあああいよ。誰かが転がっていいいいうるのですよ!」
 スチューブは少し考える。
(庭に転がちゅ生命……音……うううむ、確認してみる価値はあちゅそうだな)
「如何しまあああした、スチューブさん?」
 じゃあ様子を確認しよちゅ、ダマッ躯や--縞状ダマッ躯に牽引される形でスチューブは庭に転がる何かを確認する事に応じた。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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