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一兆年の夜 第百八話 時間旅行 数学者トーヨル・ターニヤの苦悩(六)

『--実は僕とこうして再会する前に彼は量子論学者の望月ゾウ真と会っていて、彼の元
で果物を使った時間旅行機の発動も行われた。何も菅原炭や風歯車、水歯車を使って
波動を出す訳じゃない。電気にも様々な種類がある。生命にだって膨大な電力は
秘められる。
 と話は其処ではないな。ガン流豆先生が用いたのが仙人掌と此の湖。不図疑問に思う
のが此の組み合わせだろう。抑々湖の新鮮な水を使えば仙人掌は必要ないと思われる。
というのも元々仙人掌というのは砂漠で彷徨い、何も食べる物が無い生命にとって
食べる事と飲む事の両方を味わえる程に水分含有量が豊富な野菜。ならば全く必要ない
ように思うだろう。だが、思い出して欲しい。僕が製紙用に仙人掌を使った事を。そう、
針だよ。申し分ない程の細かな仙人掌の針を電気針に使えるとしたら此れ程、有難い
野菜もそうない。
 しかし、此れだけでは流石に大昔の生命でも物は開発出来てしまう。なのでガン流豆
先生は時間旅行機の開発の為に買い物に出掛ける。其れは一の週も空ける程の買い物
だった。時間旅行機を開発する為なら内側だけに留まっていられない。理の外を出る程の
覚悟が無ければ実現は困難。其れ位にガン流豆先生は既に数多の場数を越えて来た。
 同時に此の間に銀河連合はどれ程、僕を苦しめ続けたかもわからない。其処で僕は
何時でも死ぬ覚悟を以て意識が可能な限り、縄の代わりに成る物を探しに出掛けた。
眠りが僕に襲い掛かると帰路へと向かう。寝床で眠ると大体五から十二の時まで意識は
ない。だが、気が付いた時には口元の血も大分遠出する事も無くなる。体内の銀河連合
は此の場所から離れようとするも其の度に僕が眠る前に仕掛けた代物を解除するのに
苦労していると見た。実は僕も何もせずに体を乗っ取られる訳じゃない。時には湖に全身
を浸かってでも眠る。そうすれば液状型が気が付いて体内に溜まっていた水を抜く事と
呼吸困難で暫く悶える。或は漸く発見した縄のような物に体を括り付けて更に木柱に強く
縛ってから眠るようにする。念の為に厳重且複雑に縛り付ける事で噛み千切ってでも
離れるしかない。そうする事で銀河連合が一般生命を襲撃する可能性を少しでも
減らせる。
 だからって万全ではない。銀河連合は日々、成長する。此れを見落とせば僕とて
如何する事も出来ない。其れにこの一の週もの間に僕は既に別の計算もしていた。其れ
が日を追う毎に僕の肉体が徐々に僕でなく成る点も其れと比例して僕の意識が無い
時間が増加傾向にある事が判明した。
 ガン流豆先生には直ぐ様、其れを伝えた。そして遺書の執筆は始まった。全ては妻で
あるマルコと親友であるゴーロルに伝える為に。ガン流豆先生も僕の覚悟を知り、其れ
以上の余命を約束しなかったい。抑々、ガン流豆先生は元の時代に帰りたかった。
だから僕に構う事は余計に帰るべき時代から遠ざかる事に繋がる。そして全生命体の
性根が余計にガン流豆先生に気遣いを与えてしまう。其れで僕は突き放した。其れに
応えるようにガン流豆先生も僕に此れ以上の説得を諦めた。
 遺書の理由は此の位だが、少しだけ回り道をする。此れはある著書を執筆した生命
の子孫が関係する。其の生命についても少し触れてから僕の最後とガン流豆先生は
一体何処へ向かったのかを考察してゆく。
 では--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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