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一兆年の夜 第百八話 時間旅行 数学者トーヨル・ターニヤの苦悩(四)

 午後九時二分零秒。
 二名は一旦、遅い夜食を摂る。三十の分掛けて食事を摂った後に十の分もの間、些細な話をして腹を休めて行く。
「--とオーオいう訳で嫁は色々五月蠅いーイ。だから明くる日にはきっと手紙が来て変える支度を始めるかも知れないー」
「其れは災難だろう。何処の家庭でも雌の力は雄の力を凌駕するとは言われよう。此れは卵を産む種族に良く見られよう傾向でしょうか?」
「いや、子宮持ちーの種族でも見られるな……近年は。若しかしーイたら最新鋭の生活水準と戦いーのない日々がやがて雌の力を高めるのかも知れないーイ」
「まあ生活水準の話はあいつに丸投げし続けようからな。そろそろ続きを読むとしよう」
 二名は其処からトーヨルの手紙の続きへと話を転ばせる。即ち、手紙の続きを読み始める。
『--僕とガン流豆先生が始めた旅の目的は其々異なる。僕の事は説明する迄もない。
散々手紙に記した事だからな。ガン流豆先生の場合は時間旅行機で元の時代に戻る為に
僕の旅に付き合う。
 だが、ガン流豆先生が開発した時間旅行機には何時も条件が気に成る。最初の
時間旅行の時は如何して銀河連合が傍に居ないのに発動したのか? 此の謎を解明
しない限り、時間旅行機の発動条件を知る事がまま成らない。
 抑々、時間旅行機は最初の方こそガン流豆先生は銀河連合の存在があるから発動
したのだと考えていたらしい。銀河連合が絡まない場合は爆発するだけで其の時代から
次の時代に跳ぶ事は絶対に有り得ない事に成る。逆に考えれば時間旅行は何時も
銀河連合が生体波動として機能していたという説が当て嵌まる。だが、此処で僕は
ある疑問を投げた。
 其れが「じゃあ最初の時間旅行の時に銀河連合は傍に居たのですか?」と。其れに
関してガン流豆先生は次のようの応える答える。「あの時はたった一名だけで然も俺が
覚えている段階では建物全体に電流が走ったように起動したな」と。其処で僕はある仮説
が浮かんだ。だが、其の仮説を出す前に再び僕は意識を無くして気が付けば砂漠の
ど真ん中で何も無しの状態で僕とガン流豆先生は多少の擦り傷だけを増やして
寝転んでいた。
 仮説を紹介する前に僕は再び液状型に意識を乗っ取られた。ガン流豆先生の話に依る
と激しい空中戦を広げて本来目指すべきテオディダクトス大陸から反対の
プロタゴラス大陸へと大きく進路を変えてから墜落した。擦り傷で済んだのは砂漠の
柔らかさに依る物か。或は空中戦を繰り広げる内に少しずつ高度を下げつつ力の向きを
変更した所も関係するだろう。空間的な話とは面白いし、運用とは奥が深い。寸法は
いけないいけない。僕の良くない癖だ。
 其れで僕の亡骸は此の砂漠地帯にある事の説明が付くだろう。そうゆう事だよ。僕達は
砂漠地帯を行く事に成った。其の過程で現在の此処に行き着いた。済まないな、僕の行方
を探す為に苦労を掛けて。此処は僕の計算では君が見付けるのに三の月は掛かると計算
してみる。如何、合ってるか?
 では仮説の話に入る。僕の仮説では時間旅行機の発動条件は現時点で二つ。一つが
銀河連合の存在が絡む。もう一つが神様。神様は決まって崇められる存在。大昔には数多
の神様が水の惑星中に在った。実在した。神様は決して機能性に富んだ存在ではない。
けれども神様は崇めて当然の存在。前にルケラオス大陸で起こった連続事件を周知か?
あれは既に百の年より前の話に成ってしまった事件だが、其処で銀河連合に依って
盗まれた中には四角い龍族のようで然も眼は銀河連合其の物の様に恐ろしい姿が額縁の
中に収められた神様があっただろう。然も話に依ると薄くて軽い神様。其れを銀河連合は
盗み出して現在も行方知らずって。だが、若しも銀河連合が盗み出す程に重要な隠れた
機能を神様が有しているのならばきっと神様の存在も時間旅行機の発動条件に当て
嵌まるかも知れない。僕はそう仮説を立てた。
 根拠はまるでない。何故飾りに等しくも銀河連合に依る穢れを払うだけの力を持った
神様が此処に来て発動条件に成るか、だろう。其れにガン流豆先生は時間旅行機を最初
に使用した当時は建物が神様であると仮定した事が無かった。考えた事が無かった。
後に建物は業者に頼んで建造した物であると思い出されるが当時はガン流豆先生も其処
まで頭を働かす事はない。
 さて、仮定の話は一旦止める。僕とガン流豆先生は漸く見付けた。其処で水を飲み、
穢れを払ったりしながら最初の一の日を楽しんだ。二の日からはガン流豆先生自らが
買い物に出掛けて僕は椰子の木と格闘する日毎が始まる。椰子の木はガン流豆先生が
伐採工具を貰って来るまで買うまで暫くは実を落としては何とか傍にあった小石等で
頑張って抉じ開けて見せたな。大変だったよ、空中種族の中で力持ちである鷹族や鷲族
でも椰子の実を力で抉じ開けるのは容易ではない。益してや僕は旋回が得意な燕族で
ガン流豆先生は集団行動に向いた雁族。決して力自慢ではない。力を自慢出来ない事は
即ち、自力でやれる事は案外少な過ぎる。だからこそ辛かったな、空中種族用の工具が
来るまで嘴を削る思いで作業をしたからな。
 因みに何も無しと先に説明したのに如何して買い物なのか? 実は物々交換を利用して
何とかマンドロン硬貨を集めた。物々交換の少しでもきっかけがあれば物々交換よりも楽
な貨幣が翼に入るからな。そう粘って二の日にマンドロン硬貨を、そして空中種族専用の
工具を仕入れた。
 そうして僕の最後の生活が始まった。其れは苦しくもあり、楽しい日々でもある。苦しい
時と言えば--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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