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一兆年の夜 第百七話 時間旅行 量子学者望月ゾウ真の探求(五)

 午後八時五十分五十秒。
 死んだ銀河連合の体内で眠っていた炎触手混合型は木材で建設中の研究所を燃やしつつも其れを自らの肉体に取り込んでゆく。其れを見た二名は現状では絶対に倒せないと確信。
「第四階層迄避難しまぞう!」
「アアソウダナ。ダガ待ってクレ!」ガン流豆は次の事も提案する。「ダイニカイソウに奴を誘導スル!」
「誘導役は……ってこっちに来たぞう!」
「ネライハ」別々に移動する時、銀河連合の進行方向を確認してガン流豆は確信。「オレダ……俺が奴を第二階層迄ヒキツケル!」
「無事でいて下さい、ガン流豆先生ぜおう!」
 二名は其れでも銀河連合を侮らない。此方が何を仕掛けるのかを予測し、敢えてガン流豆を追うと見せかけてアンモニー高地に潜伏或は外側に配置される銀河連合と連絡を取って挟み撃ちにする可能性も視野に入れる。銀色の瞳が輝く事は正に連絡をした事を示唆。どのような連絡なのかは此の戦いの結末を見届けるまでわからない。其れから自分達は見届ける側に居ない。寧ろ、銀河連合を倒すという結末へと転ばせる側に居る。故に銀河連合との戦いを決めるのは戦う側の責務。
 さて、長々と前置きを説明した後はゾウ真の動きが如何なのかを見て行かないと話は始まらない。彼は次のように考えつつも足音を鳴らして第四階層に向かって登り続ける。
(三つの滝があるのが第四階層だぞう。だが、果樹園側に最も深く流れ続ける滝は真ん中ぜおう。故に第五階層に最も近い滝や第四階層入り口に最も近い滝は銀河連合を誘導させるに十分ぜおう。更に此の二つの内の何処に銀河連合を誘導させるに相応しいかを深く掘り下げると次のように成るぞう。
 第五階層近くは最も外側に流れやすいぞう。そして入り口付近の滝はアンモニー高地に全体に波及するぜおう。つまり第五階層近くへと誘導させればアンモニー高地に与える影響は少なく済むぞう。但し、問題点が二つあるぞう。
 一つが其処まで移動する迄に他の二つよりも倍も時間を要するぞう。気付かれる可能性が極めて大きいぜおう。二つ目が外側に問題を押し付ける事だぞう。自分本位に等しい故に銀河連合を浴びせた滝水をロンギノ地方全体に波及する事は大きな目で見れば余りにも自分本位過ぎるぜおう。
 だが……今は此れしかないぞう。後はガン流豆さんが如何ゆう選択をするかに懸かるぜおう。二つの中でアンモニー高地全体を守る為には第五階層付近の滝下に誘導させないといけないぞう。だが、ロンギノ地方全体で見れば敢えて此処の生活圏を捨てる事も視野に入れないといけないぞう。神々に頼るのは余りにも他力本願である以上は僕達は僕達だけで決めなければいけないぞう!)
 アンモニー高地を守る事だけを考えるか、其れとも全生命体にとって当たり前である誰かを守る為に自らを捨てるのを優先するか……ゾウ真にとっては原子水素望遠弾を作るきっかけを作った天王子の新たなる発見は全生命体をより罪深い存在へと移行させた。つまり、ゾウ真にとって他者の為に振舞う力の使い道が結果として他者の為に成らないと考える。其の為にガン流豆は入り口近くの滝下に誘導してくれるとゾウ真は願っていた。
 ところがゾウ真は滝下より第二階層を覗くと思っていた事と真逆の結果が見える。
(な、何で果樹園付近に流れる滝下に銀河連合を誘導するんだぞう!)
 ガン流豆が其の何方も選ばなかった。彼は初めから果樹園下にある滝を目指して銀河連合を誘導していた。何故そんな事をしたのかをゾウ真は気付く筈もない。其処へ誘導し、仮に銀河連合を倒しても待っているのは果樹園を完全に捨てる事に繋がる。其れを確かめにゾウ真は駆け降りて行く!
(何て事を考えるんだぞう。あそこ以外にアンモニー高地で食物は採れないぜおう。天然資源を捨てて何が残るというのだぞう。何故そんな選択をしたんだぞう!)
 ゾウ真は五の分掛けて一気に第二階層迄陸路で駆け降りる。頭脳労働者ならではに危険が一杯の滝を渡るのは図り無しと判断して事である。どんな事であろうとも自らの能力は過信しない。そうしてゾウ真は第二階層迄駆け下り、果樹園へと飛び込む!

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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