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一兆年の夜 第百七話 時間旅行 量子学者望月ゾウ真の探求(四)

 十一月二十二日午後五時二分四十三秒。
 場所は第三階層。
 ゾウ真とガン流豆は朝十の時まで議論した結果、最もアンモニー高地に及ぼす影響が少ない第三階層しか埋葬地を建てる場所が無い結論に至った。
(第五階層は却って住処に成りやすい上に天辺は奴等にとって絶好の場所だぞう。第四階層は滝が如何しても果樹園豊富な第二階層を直撃して食糧源を大きく変質させやすいぜおう。そして第二階層は説明する迄もないぞう。第一階層は却って地上で這い回る銀河連合を集合させかねないぜおう。結果、僕達が暮らす第三階層に留める以外に道はないぞう。何と言う共同生活だぞう!)
 そう思っているのはゾウ真だけではない。ガン流豆も同感だった。第三階層に留める事は即ち、日々を銀河連合と共に生活するに等しい。心改める余地もない銀河連合は一般生命にとっては危険に等しい。特にガン流豆は何度も銀河連合相手に死に掛かり、既に右翼の先端と左眼は最早ない。
 其れでも今の生活の為にも埋葬地を建設しない事には状況の打破は難しい。特に自然豊かなアンモニー高地を守り抜くのは此処で暮らす物の使命に他成らない。そうして二名は今日の建設を終え、其々の持ち場に戻る。
(日記を記すのは良いけど、再び紙を作らないといけないぜおう。紙素材は木材を加工する際に余った材料を使って其処に水を流し込み、型を取るぞう。そんでああしてこうして……まあ、頭の中で説明するよりも先ずは実践あるのみぜおう。其れからお日様に照らし続ける事で乾燥させて完成だぞう。まあ、俗世間で見られる真っ白な紙とはいかないまでも我が家で作る紙は完成する訳だぞう。だが、現在は日記に記すだけじゃなく偶に趣味の研究成果を書き留めたくて別の紙を使う場合もあるぞう。或はガン流豆先生からの要望で余った紙を渡す場合があるぞう。結果、紙の数が満たない事が多く成ったぞう。需要が供給を上回った証拠だぞう。こうやって生活水準は向上してゆくのぜおう)
 そう考えつつもゾウ真は日記を記してゆく。其れから埋葬建設地と仮埋葬地を巡回。偶にガン流豆が建設中の研究所を覗き込んで進捗状況を確認する事もある。
 ところが時刻にして午後八時四十八分三十二秒……ガン流豆が建設中の研究所を覗くとある物が目に飛び込む。其れは何かの乗り物だった。然も木材で建造しているにも拘らず、何と中心部に昨の日に倒した筈の銀河連合をガン流豆は仕込んでいた。
「な、何をしてるんだぞう!」
「ナニッテ?」
 折角、埋葬した筈の銀河連合を掘り出して何で其処に仕込むんだぞう--ゾウ真のだけじゃない……一般生命の常識だってガン流豆の行動に異なる議題を唱えるのは当たり前だった。
「ソレハナ、ゾウ真……時間旅行と銀河連合は密接に繋がっていると俺の中で結論付けられてイルンダ!」
「そんなのは思い込みだぞう!」
「ダッタラ他にアルノカ!」ガン流豆は木材だけでなく、電気を発生させる素材として今日収穫したばかりのアンモニー鳳梨を左翼を広げて披露する。「シゼンユタカで鉄鋼物を探すのも困難な状況で発見した此れ等の素材だけでは満足に発する波動はまま成らないノダゾ!」
「だからって死んだ銀河連合の命をそんな風に使うのは一般生命の常識に照らしても余りにも逸脱していないかぜおう!」
 イツダツしなけれな全生命体は銀河連合に打ち勝つ事だって……儘成らないノダゾ--ガン流豆は右眼から悲しみの液体を流す。
「泣かないで欲しいぞう」
「オレハもう我慢の限界ナンダゾ。イツマデ故郷に戻れない時を過ごさないとイケナインダ!」
「其れでも銀河連合を其の時間旅行機の素材に使うのは余りにも一般生命の振る舞いに相応しくないぜおう!」
「ソンナのはわかって--」
 其の時、死んだ筈の銀河連合の銀色の瞳が輝く--其の光を見逃さない二名の全身に冷気が駆け巡る!
(まさか……まさかぜおう!)
 ガン流豆とゾウ真は危険を察知して研究所の外に出る。と同時に開発中の時間旅行機を覆うように死んだ筈の銀河連合の体内を触手が突き破り、覆っていった--そして、触手はやがて犀の形を取って一つの銀河連合として新生!
(アワワワ、しっかり焼却したのに……銀河連合は予め体内に炎型を、いや混合型を仕込んでいたなんて有り得ないぜおう!)
 銀河連合は二名が見守る中で新たな形態へと姿を変えた!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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