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一兆年の夜 第百七話 時間旅行 量子学者望月ゾウ真の探求(一)

『--三の年もの間、僕とガン流豆さんはいや此処はガン流豆先生は寝食を共にする。
一日三食と行かないまでも原始的な一日一食の生活にガン流豆先生は僅か一の月で
適応した。其れだけではなく、一日一食の生活にガン流豆先生は既に対応出来る土壌
が作られていた
ガン流豆先生は時間旅行機を本格的に開発する為に自由時間を
増やして事の対応に当たっていた。故に普通の生命ならば二の月或は半の年も適応に
時間を要する所を一の月で適応した。
 あ、ガン流豆先生の話は此処迄にして僕の話が先でしたな。僕が如何して生命の居ない
此のアンモニー高地で生活をするのか? 実はアンモニー高地は長い間、生命も
銀河連合も立ち寄らなかったテオディダクトス大陸では珍しい緑溢れる高地。此処には
木々が生い茂り、食生活に必要な野菜や果物が自然栽培される。自然栽培の割には
品種改良無しで食べられる優れ物ばかり。更には果樹自体も木材として再利用出来る。
但し、耐久力が余り期待出来ない為に一の年毎に改築を擁する要する。此の世に万能
は存在しないのは自然界の摂理なのか?
 では--』

 十一月十九日午後十一時二十七分四十三秒。
 場所はアンモニー高地。
 詳しく紹介するとアンモニー高地にも幾つかの階層に分けられる。南側にしかない入り口から高度成人体型五十七までは第一階層。果樹園が豊富な高度成人体型五十七から百までが第二階層。雑草だらけではあるが、緑溢れ、ゾウ真やガン流豆が居住区とする高度成人体型百から百二十二までが第三階層。三ヶ所に第二階層へと流れる滝がある高度成人体型百二十二から百三十までが第四階層。そして辺りを見渡す以外にない断崖で空中種族や崖登りが上手な種族以外は天辺を登る事も難しい高度百三十一の第五階層。此の五つに分かれる。
 話を戻すと第三階層にある最も北側にゾウ真は自分の住処を建て、ガン流豆は其処で居候する。現時刻は夜。齢二十六にして二の月と十四日目に成る望月ゾウ真は象族専用の高床式寝台で俯せの状態で両前足だけは膝を少し下げた状態で立てて寝るも中々意識は睡眠の底へと沈まない。
(やっぱ一日一食は活動時間を増加する代わりに眠る楽しみがなくなるぞう。まあ眠る楽しみを知りたければ一日二食或は三食が丁度良いぜおう。でも今日は朝三時に起きて自然果樹園の研究とガン流豆さんとの論戦を楽しんだ筈だぞう。少しは脳が活発に成ってより深い眠りに付く筈なんだぞう。なのに……眠れない時ってあるんだぞう)
 ゾウ真は罪を清める為に今の生活を始める。其の罪とは前に彼が日記で紹介したように原子水素望遠弾の元に成った天王子の原子量の違い。前身である原子望遠弾は確かにアインズ・シュラインタイルの相対性理論に依って導き出された公式を基にする。だが、其れだけでは電撃望遠弾の再現は可能ではない。だからこそ再現望遠弾計画に参加した選りすぐりの頭脳労働者達は其れが可能な原子を求める。其の結果、高い放射線を放つ天王子が選ばれ、更には原子量が僅かに異なるだけで性質も大きく変容する。尚且つ、一度放射されると放射線が半減する迄の時間は天文学的とされる。そんな原子の性質に新たな可能性を見出し、原子水素望遠弾の開発に大きな前進を齎してしまったゾウ真は大きな罪の意識に苛まれる。
(最も眠れないのは僕が天王子の更なる可能性を見付けてしまったぞう。幾ら全生命体の希望の為とはいえ、益々全生命があの忌まわしい銀河連合と遜色ない生命へと落下させる足助けをしてしまったぜおう。量子力学上は避けられない道でも自らが其の引き金を引かせたのだとすれば僕は……何と言う事をしてしまったんだぞう!)
 巨大過ぎる力は時として開発者の一名に大きな業を持たせる。ゾウ真は何度も眠れない夜を体験し、遂には出家の道を選んだ。
(とはいえ、修業の日毎を送るのは怠け癖の付いた僕には難しいぞう。だから故郷であるテオディダクトス大陸に赴き、ロンギノ地方で最も隔絶したアンモニー高地に目を付けて生活を始めたぞう。然も風説通り此処は果樹園が豊富で尚且つ、一般生命にとっては楽園其の物だぞう)
 但し、全てが全て楽園とはいかない。何故なら此処アンモニー高地では頻繁に雨が降る--日の変わり目頃に其れは唐突に起こった!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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