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一兆年の夜 第百七話 時間旅行 量子学者望月ゾウ真の探求(序)

『--申し訳ない。アインズ先生と同じような形で始める事に成りました。僕の名前は
望月ぼうづきゾウ真。「望月」の読みは「ぼうづき」。決して「もちづき」と呼ばないように。
読まないように。主に量子論の中心的存在として扱われる事が多い。勿論、他者の
でも僕はみんなが思っている程、大した生命ではない。何故なら--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百五十四年二月十日午前十一時七分四十八秒。

 場所は真古天神武テオディダクトス大陸ロンギノ地方アンモニー高地。
 齢二十三にして二の月と八日目に成るサッカス象族の青年は一の月より前に自ら自作したアンモニー木を数本使用して建てた一階建て木造住宅の中で一休みし、日記を記している時に誰かが訪ねるのを大きな両耳で確認する。
(全く生命が大人しく日記を記す時に空気を読んで見逃してくれないのが居るぞう。でも声がするのできっと一般生命ぜおう。そんなの当たり前だぞう)
 青年は足音を鳴らして声のする方角に向けて図太い足で力強く曲げていた四本膝を上げてから方向を転換。其れから玄関の外に居る齢三十一にして九の月と八日目に成るサッカス雁族の中年が千鳥足で緑の高地を踏みしめながら青年を見上げていた。
 ウワアアアア……だ、誰なんだああぞう--青年は驚く余り、思わず後ろに引っ繰り返る程の衝撃を受けた!
「デカイコエダ!」中年は左翼で顔を包む感じで両耳を無理矢理塞ごうとする。「ッテ片翼だけで両耳を防げる筈がナイ!」
「……若しかしてシュレイ博士の所に居た……太間ガン流豆さんですかぜおう!」
 ソノ本者ダガ--ガン流豆と呼ばれる雄は敢えて既にない右眼を前に突き出すように立つ。
「やっぱりそうですぞう。僕を覚えていますかぜおう」
「アア、買い物の時に偶然会った……名前は忘れたが、生意気な性格なのはシッテイル!」
「生意気とは礼が失しますね……僕はサッカス象族で量子論を専攻する望月ゾウ真ですぞう」
「ボウヅキ?」
「あ、ちょうど此処に日記がありますので其処にちゃんと記してますぞう」
 ゾウ真は苗字がどのような字なのかをガン流豆に紹介した。

『--日記の途中で僕はシュレイ・ディングァ先生の所に居候していた太間ガン流豆と
呼ばれる生命が尋ねて来ました。彼曰く入れ知恵したのはショーイ・ガーモス先生です
ね。全く自分では時間旅行機開発に必要な知恵が出せないから僕に尋ねるよう忠告
するなんて。
 何故なら僕は彼と三の年もの間、生活を共にしたけどこんな辺鄙な場所で時間旅行機
と呼ばれる代物の助け舟に成る様な技術を僕が持つ筈がない。何よりも僕は
原子水素望遠弾が開発された時点で全ての技術を捨ててこんな辺鄙な所で生活する
しかなくなった。僕の案が選りにも依ってあんな恐ろしい物を発明するきっかけを作って
しまった。だからこそ其の罪を清めようと誰も尋ねないこんな場所を住処にし、古き
一般生命がどのように生活したかを体験しながら一生を終えようと決心した。日記は
あくまで僕が死んだ時に此処に尋ねる生命が居たら少しでも僕の罪の清算の状況を
刻一刻と残す為にある。
 なのに--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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