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一兆年の夜 第百六話 時間旅行 理論研究者ゲロルギー・ガーモスの突発論(二)

 午後八時四十七分四十三秒。
 場所は幼武山標高成人体型百七十七南東側。
 其処にはゲロルギーの研究所が建てらえる。大きさこそ二階建てで地中深くまで建てられた形跡はない。全て地盤沈下に対応する為に耐震強度に振り分けられた形を取る。だが、面積は十分過ぎる程。特に相対的に面積が狭く成る二階は象族の生命が三十名入ってもまだ広いと口々で噂される程の広さを確保する。そんな研究所の一階までガン流豆を案内させるゲロルギー。
「コンナ山奥に現地の生命から大量に土地を買い取った後に研究所デスカイ」
「何か礼を失しているような言い回しだう」
「ソリャアソウダロウ。ダッテ北雄略は雄略族が好き勝手に使用して良い土地ダゾ。ナノニお前を含めた外からの生命が好き勝手に……ヘイックショオウ!」
 若建山と隣接する上にこんな高度でもまだまだ寒いですよう--と雪が大きく積もる上に氷点下の気温だから風邪が引かないなんて難しいと心配するゲロルギー。
「フイイイイ……そうゆうお前は此処へ滞在して一の月以上も掛けているノカ?」
「そりゃあ薬だって服用している事もあっのでっがう、最大の理由はやはり肉体の適応でっぜう!」
「ナルホドナ。フウウ……慣れる迄は俺も鼻水に苦しまなくちゃいけないワケカ!」
 其の前に此の寒さだと鼻水も凍結すっぞう--雪山では雪が降る以上は鼻水が凍結しない可能性なんて有り得ない……ゲロルギーはそう言った。
 其れからゲロルギーは湯を沸かし、保温庫に仕舞っておいた茶葉と湯呑二つを用意。湯呑は予め沸かした湯の近くに置く事で熱対応を図る。何故なら冷え切った代物に急激な温度変化を与えると物は壊れやすい。其の為、少しでも急激な温度変化を避ける為に付近の熱で徐々に湯呑の冷えた器を温める以外にない。
「なあ、ガン流豆さんう?」
「ナンダ?」
「熱膨張は御存知でっかう?」
「アア、熱を与えると物が膨れ上がる法則ダロ?」
「ああ、公式でも表されたう常識。此の湯飲みは幾ら保温庫に仕舞っていても此の環境では何時だって縮小し続ける定めにあるう」
「タシカこんな話がアッタナ。ヒトツアタリ三の容積の水は水蒸気の状態が最も体積が大きくて氷の状態だと最も退席がチイサイッテ」
「そうそう、其れだう。でも其れはあくまで理論上は水蒸気が最も体積が大きいと言うだけじゃなっかう。実際は水蒸気を拾う技術を俺達は持たないが為に常温の水の方が体積が大きい結果が起こるう」
「ソウ言えば霜は如何ナル?」
「其れは……あ、出来たう」ゲロルギーは湯呑一つ一つに茶葉を容れると静かにそして音を立てないように湯を注ぐ。「フウウウウ、話は茶を味わってからで良いかう?」
 ソウダヨナ……生命は急がず焦らずに結論に辿り着くべきダナ--とアインズとの出会いから学んだ教訓を口にしてゲロルギーに息を合わせた。
(フウ、幾ら熱への対策が採れても物は何時か壊れるう。其れに幾ら膨張が続こうとも何れは物は崩れるう。俺達がどんなに遺伝子を次の世代に運んでゆこうとも巨大化する事は有り得っなう。
 但し、不思議なのは寒い環境下で一般生命の大きさが熱膨張の公式とは反比例するかうのように相対的に大きいのかって話だ。まあ変温しやすい種族は環境への即時適応を目的とすっのうに対して俺達恒温の種族は長期的に環境に対応する事が求められるのかも知れないなう。だから……でも何で体が巨大化するんだろう?)
 ゲロルギーは其れが不思議に思えない。其処で茶を口に放り込みつつもガン流豆に尋ねる。
「オレタチの体積が大きく成るリユウ。ソレハ一重に熱を如何に逃がさないか……其れが意識せずに俺達の肉体は幅広くそして重みをマスンダ」
「やっぱりそうだっとうか」
「ダガ、そうすると熱膨張と反比例するナア。ネツボウチョウは熱が高まると自然に物は巨大化する事を前提としているのに……俺達恒温の種族には当て嵌まらナイナ」
「……こうゆう考えは成り立つんじゃないかう?」ゲロルギーは次のような事を口にする。「外気熱と内気熱は反比例の関係にあってう!」
 ソレナラ……俺の鼻水が止まらん説明に成るノカ--だが、納得させる理由には中々届かないのも事実。
(はあ、理論学は納得させる為にあらゆる数式を用いて証明する学問だっう。だが、其の証明式は一の時で説明出来る程の長さで上手く収集するのかもわからう。時には紙に記して後で読み返す以外にない事も有り得るんじゃないかってう。
 と理論の話は元よりも俺とルモウが提唱した高温宇宙論は当時は『大きな突発論だね、ワハハハハ』と馬か鹿の様に見られたなう。其れは宇宙が不変だと考えていた学者達の信っじう所だったからな。当たり前だと思ったら中々受け入れられないのは何時の世も変わらっなう不変の常識。不変の常識という不変こそが新たな考えを受け入れない土壌と成るう。
 でも--)
 だが、学問話で進行するような物語でもない。研究所の扉を壊して入って来るのは……白い剥き出しの百獣型!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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