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一兆年の夜 第百五話 時間旅行 相対性学者アインズ・シュラインタイルの理論(六)

『--前にシュレイ博士の自宅を破壊した時のように破壊するだけ破壊して時間旅行が
果たせないという事が有り得る訳だ。其れでは居候させている此方には有り難い迷い
惑いではないか。ならば時間旅行させずに此の時代で一生を終えてくれた方が
一般常識上は正しい物。あくまで一般生命の感じた想いをわしが述べているだけだ。
 ガン流豆さんが元の時代に帰るのは寂しい思いを抱くのはわからなくはない。だが、
時間旅行機という相対性理論及び時空問題に於ける矛と盾は一体如何して発生するの
かもわしは気に成る。其の答えはやはり量子論の完全性にあると認めてしまえばわしと
しては神々が双六をしないという発言を覆してしまう。其れだけは何としても認める訳
にはゆかない。過ちは三つ以上も発生しては情けなく感じて余生を楽しく過ごせないと
いう物。再現望遠弾計画に助言した事はわしの中で全生命体に禁忌へと踏み込ませる
事に繋がった。あの破壊の波はわしが想像していたよりも遥かに強大だった。そして
宇宙定数の追加もそうだ。結局、宇宙は膨張する事がわかるとわしは取り下げざるしか
なかった。一つ一つの過ちはやはりわし自身の影響力の増加に伴って学者及び
研究者一同に大きな前提を作らせて新しい発想の妨げとして立ち塞がる事と成る。時代
と共に昔の案は徐々に古い物として新たな発想を生み出す事を良しとしなく成るように。
 わしは影響力が強く成り過ぎた。名実が高まると共にわしはかつての
セミジャック・ミーント同様に新時代を切り開く者達の重い枷として立ち塞がるように成る。
其れでもわしは相対性理論と共に歩みを止められない。若い者達の発想がどれだけ
凄まじい事に成ろうともわしは相対性理論を更に発展させないといけない。いや、発展
させる使命がわしにはあるのだ。其れがわしが夢見た宇宙相対性理論と呼ばれる
全生命体の希望に繋がる一つの到達点だ。宇宙の全ての法則が千鳥足に取るように
わかると其れは何と美しいと思わないか。科学という科学は美しくなければいけない。
理論だけじゃない。わしは其れを目指して今日まで相対性理論の肉付けをして来た。
だが、結果は寿命の前には勝てなかった。こうしてこんな著作を執筆するに至る訳
じゃな。
 さて、ガン流豆さんとの別れの話に付いて漸く移りたいと思う。わしは特殊相対性理論
及び一般相対性理論を彼に伝えた。勿論、わしが長年発見して来た様々な公式も彼に
伝えた。相対性理論の上では認められない時間旅行と因果律と呼ばれる概念ではある。
其れでも一般生命が発見した理論にも結局は穴という穴は存在する。抜け道を用いれば
時間旅行は可能かも知れない。事実、わしは量子論に関して認めないという立場を
崩さない。けれども量子論を若しも認めたとすれば別宇宙の存在を用いて此方の宇宙の
ある時間軸に跳ぶ事が可能かも知れない。或はメエガン・メヒスイトが唱えた
貸借対照宇宙論を駆使して影宇宙或は混沌宇宙から表宇宙のある時間軸に跳ぶ事が
可能ならば時間旅行の概念も達成されるかも知れない。だが、貸借対照宇宙論には
ある大穴もある。認めれば必ずわしらは時間旅行が出来ない事にも成る。其れが
わしら自身も影と一心同体であるという事実。誰かの資産は誰かの借金という関係性と
同様に此れを認めれば量子論に於ける矛と盾が如何しても発生してしまう。影が何らかの
状況に陥れば実体にも何らかの状況が鏡合わせに起きないといけない。そうすると
結局は重ね合わせは有り得ないからである。
 有無、貸借対照宇宙論と量子論がぶつかり合うという状況が生まれたな。此の矛と盾
を何とかしない限りは完全な証明が為されない。結局、わしとガン流豆さんは此の矛と盾
を解決する事が出来ずに其の侭時間旅行機の再開発に乗り出す事と成った。特に
ガン流豆さんは矛と盾の解消については余り乗り気ではない。寧ろそうゆう謎が出来て
こそ人生は楽しめると考えているようだった。そうだ、わしはガン流豆さんの前向きさに
初心が何であったかを忘れていたわ。謎は解けない事にこそ意味がある。解ければ
解ける程、人生を楽しむ意味合いを無くしてしまう。寧ろ謎を解く為に前に進む事にこそ
意味がある。解けない謎があるからこそ人生は楽しめる。そうだ、謎を全てとく必要は
ない。ガン流豆さんは其れをわしに伝えたかったのか。お陰でわしは寿命に対して後ろ
向きに思う事は無くなった。そして相対性理論で得られた教訓として遠回りこそ一番の
近道であるという事を思い出す事が出来た。そうだ、焦る必要はない。わしの代で果たせ
なければ次の若い世代に希望を託せば良い。そう、老者達は急ぐ必要はない。緩やかな
速度で進もう。そう決めた。
 そして時間旅行機が完成した。同時にわしの人生の中で最後の銀河連合が襲来した。
其の銀河連合は--』

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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