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一兆年の夜 第百五話 時間旅行 相対性学者アインズ・シュラインタイルの理論(五)

『--わしとの出会いも結局は「一部の物理学者」の一名として流される運命にあるの
かも知れんのう。そうゆう結末に終わる事にわしは納得行かないとは思わない。けれども
わしとて子供の頃は何れは名を馳せてみんなに一杯食わせてやろうと思った程の
英雄願望の持ち主じゃ。当時は其れを認めまいと「如何せわしは一生命として名を残す事
もなく生を終えよう」と思ったな。あの当時もそうだった。
 銀河連合が突然、やって来た。然も流れ星が自宅を直撃するという展開にはわしも今度
こそ死ぬと思ったぞ。然も相手は選りにも依って象型。身体能力の差で足を転ばせないと
勝てない相手。だが、足一本を転ばせるにも鴨族のわしと雁族のガン流豆さんでは余り
にも力が足りない。かと言って上手く転ばせられると仮定しても象にとって最も脅威に
して最大の武である長く太く縦横無尽な鼻の前では絞め潰されるのがオチという奴だ。
事実、頭脳労働者のわしでも象族の長く太い鼻の握力が何処まで優れているのかは良く
わかる。何しろ、屈むのに余計な体力を使う象族が鼻を使った作業にどれ程の筋肉を
発達させて来たか。林檎を拾い上げるのも其れを口に持って行くだけでも器用の一言。
飼葉何て細かい物をあれ一つで大量に掬い上げる技は鼻の力強さを物語っておる。故に
象は虎族の身体能力では太刀打ち出来ないとされる。そんな象族とほぼ同じ条件にして
更には銀河連合専門のある戦法も加わるのだから頭脳労働者二名では万に一つの
可能性もないのが普通だろう。一般生命の頭脳に段階を下げたって同じだろう。わしら
机上の空論が得意な頭脳労働者でさえも尚の事だ。
 だが、幸運もあった。其の要因は三つ。一つは太間ガン流豆が元の時代に戻っている
という点。著作の中にわしの事も記されているなら因果律はわしとガン流豆を生かさない
といけない。因果に若しも異変が起こるなら此処でわしらを死なせるのは余りにも自然的
ではないし、法則が乱れてしまう。数学ならば「壱と壱が足して弐に成る或は弐から壱が
引かれて壱に集約」しないと何でもありが成立してしまう。事実、「壱は弐」という法則
が提示されたがある学者が其の矛と盾に気付く事で壱と弐が別々であるという法則が
改めて為された。故にわしとガン流豆が生きていないとわしが読んだとされる
太間ガン流豆の著作に矛と盾が起こる。
 二つ目が万に一つもない状況下で一名以上の助け舟がやって来た事だろう。其れが
武内鼠族の小生意気な雄であるスチューブとプトレ燕族の眼鏡が特徴的な
トーヨル・ターニヤと同じくプトレ燕族のゴーロル・シムーだ。身体能力上は余りにも
頼りないが有り難い援軍だ。特に小生意気なスチューブはわしらに勝つ方法を提示して
何とわしの自宅を利用して象族を倒す事を提案したな。お陰でわしら五名は生き残る事が
出来た。だが、更にお金が足りない状態へと追いやられたな。
 そして三つ目が幸運。幾ら戦術が良くても向こうも其れを読んで対策を採るのはわかり
切っている。だが、象型を倒す事が出来たのは一重に幸せを読ぶ運の巡り合わせが
あったからだ。そうでなくては勝利に説明が付かない。
 倒す事が出来たのは良いが、ガン流豆さんは其処で右翼の半分を象型の鼻に依って
もぎ取られた。出血量が相当だったからわしを含めて四名は止血するのに精一杯だった
な。幸い、騒ぎで集まる野次った馬族みたいな連中の中にダジャール家の医者も居た
お陰で何とか事なきを得て最近建てられた病院に運ばれていった。わしも付いて
行ったな。わしは一応、彼を住み込ませた責任もあるからな。
 其れでわしとガン流豆さんが如何したかと言えばやはり会話を少しだけやったな。
其処でガン流豆さんは時間旅行機の案を更に浮かべたそうだ。其れはわしが後に
人生最大の過ちの一つと数えられる宇宙定数の導入に繋がった。宇宙が膨張し続けて
いるという事を何としても認めない為に用意された老いぼれの抵抗策がな。
 其れはガン流豆さん自身が時間旅行機を使って銀河連合を倒す事で時間旅行を果たす
という物。だが、其れには余りにも確定されない要素が山積みである。
 其の要素とは--』

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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