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一兆年の夜 第百五話 時間旅行 相対性学者アインズ・シュラインタイルの理論(四)

『--光が最速の主な理由は時間。時間の話をするのも光速についての理解を深める事
にある。光が最速なのと時間が密接な理由を語る前に少しだけ意味のない話でもしよう。
わしは乗りに乗る為に如何しても意味のない話を先に始めないと軌道に乗らないからな。
時間に焦る生命は如何しても予定通りに事を進めようとして結果として体を壊しやすい。
体が壊れれば幾ら予定通りでも遠目で見れば達成しないのと同じだ。結果、更に遅れを
生じてしまう。正に光速に近付けば近づく程に周りの時間は大きく進むのと同じように。
そう考えればゆっくり進むのが最も大きな近道だという理由もわかるだろう。近道を
試みて早歩きして結果として大きく歩みを遅らせるよりかは大分ましだとわしは考える。
 光速も同じである。光速に近付く物体は周りとの時間が大きく隔たりを見せる。逆に
言えば光速を超えれば周りが逆に遅く成る或は周りが昨日に向かって進む。そう
考えると光速を超えた存在があると余りにも自然的ではない。故に光速よりも速い物は
有り得ないという法則が成り立つ。此れがわしの提唱した相対性理論である。光速が最速
であり、高速を超える物が幾つも存在すれば互いに時間の干渉が起こって世界が乱れて
しまう。其れは正しい世界の成り立ちだろうか? わしはそうは思わない。故に光速を
超える物は存在しない。速度とは常に互いと干渉しあう関係でなくてはいけないので
ある。
 そうゆう話をして何とかガン流豆さんに時間旅行機の早期開発と焦りを止めた。時間
の流れが緩やかな事を認める所から生命は前に進む事が出来る。遠回りの本当の意味
を認める事から近道の有り難さを大事にしないといけない。逆に言えば近道ばかりを
試みると却って遠回りしてしまう。最速に近付けば周りは早く進んでしまうように。此れ
が時間の真理なのか? それとも世界は其のように決定されているのか?
 仮に波が宇宙を満たしているとしたら時間旅行の余地は幾らでも有り得る。だが、有り
得ない。何故なら波は宇宙を満たしていない。満たしているなら光は鈍足に成らなければ
説明が付かない。故にセミジャック・ミーントから続く物理学はわしの相対性理論に
とって代わるべくして代わったのだ。其れはわしも同じかも知れない。
 わしは宇宙が膨張しているという事実に目を背けてしまった。背けてしまったが為に
宇宙定数為る宇宙を不変たらしめるという物をわしが考えた公式の一部に加えて
しまった。其の結果、わしは余計な事をして若い者達の発想の妨げをしてしまった。
かつてわしら若造に文句ばかり口にする老者達と同じように。其れと同様にわしの
相対性理論から始まる物理学も何れはとってかわるしかなくなる。古い考えは何時までも
新しい考えの妨げにも成る。
 ならばガン流豆さんは如何成るのか? 彼は自らを昨日の時代の生命と認識して
時間旅行機の開発に焦るのか? 何故に其処迄昨日の時代に戻る事に必死と成った
のか? そうであるなら如何して時間旅行する前に時間旅行機を開発しようと思った
のか?
 其れについては彼の著作が如実に表してある。其処には様々な時代の事についても
書き記されている。生憎、わしを含めて自分が駆け抜けた時代についての関わりある生命
の事は全然記されていない。何故ならガン流豆さんは著作を記す際にきっと関わりある
生命の事は敢えて記さない事で因果律の制御の歯車として振舞おうとしたのだろう。
 ならば--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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