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一兆年の夜 第百五話 時間旅行 相対性学者アインズ・シュラインタイルの理論(三)

『--量子論は結果が出る迄、どのような状態なのかわからないそうだ。結果が出る迄
状態が決定されないなんて誰が認める物か。私とシュレイ先生、其の他大勢の学者及び
研究者は此れについて大いに納得行かなかった。ハイゼ博士が決定付けた事でも
こんなのを誰が認める物か。神々が双六を始めるような物。
 其処でシュレイ博士は箱を提唱した。量子論が若しも正しいならば箱の中は開くまで
銀河連合が生きている状態と死んだ状態が重なり合わさる事に繋がる。だが、果たして
それが正しいのならば若しもを科学の中に取り入れる事に成る。数学だって絶対的な
物差しなのに其処に若しもを入れて如何して実験が可能だろうか? 私みたいな
思考実験ばかりを試みる理論学者がこうして書き蹴るのだから他の学者とてシュレイ博士
と同じだと捉えても何ら不思議ではない。
 べ、別に量子論を先行しても良い。生涯の競い相手と成る望月ゾウ真君は其れの
中心的存在として第一線で活躍している。彼は其れを駆使して様々な応用法を唱えたり
もした。近年では再現望遠弾計画の立役者の一名であるショーイ・ノーマグ博士が構想
として唱えた演算機の開発が着々と進み始める。
 演算機は対数及び二進法等あらゆる代物を用いて開発が進む計算機いや作業機とも
呼べる代物。蒸気機関に依り、自動化が進む中でわしらは遂に雷の力を手中に収め
始めた。だが、其れもまだ机上の空論の段階の域でしかない。演算機を動かす為には
雷の力だけでは如何しようもない。熱の問題は如何するか? 熱を逃がす方法は如何成る
のか? そんな課題がまだまだ立ち塞がる。
 其の問題を解決する鍵はある。其れが太間ガン流豆の時間旅行機。時間旅行機はわし
の相対性理論の完成度を高める為に重要な鍵と成る。何故なら相対性理論には
時間旅行は理論上は実現しないとされる。にも拘らず、太間ガン流豆の開発した
時間旅行機は時間旅行を実現した。わしはシュレイ博士に無理を申し出て彼をわしの
自宅に居候させた。其れはわしの理論では実現しない時間旅行が何故可能だったのか
を知る為にね。
 彼とは一の年もの間、世話に成ったな。何時もわしみたいな話が上手ではない生命の
話を纏めさせる翼伝いをさせたり、或はわしが認めない量子論の穴という穴を議論したり
もした。議論すればする程にわしは量子論に対して悔しい思いを募らせてしまうのは納得
がゆかないがね。
 まあ一の年の初め頃を説明するとやはりガン流豆さんは何度も時間旅行機を作っては
起動を繰り返すばかりだった。だが、どんなに頑張っても結局は破壊に次ぐ破壊を齎す
だけ。故にわしは怒り心頭の余り、半の年は時間旅行機の開発を禁じたな。何しろ、破壊
は修理に掛ける資金を放出させる代物じゃったからな。
 他に説明するとすれば時間旅行機の開発に焦るガン流豆に少しでも時間の緩やかな
流れに慣れて欲しいという願いもあったな。時間に急ぐのも大事だが、却って其れは時間
への恐れにも繋がるからな。わしみたいな頭脳労働者が光を最速にした理由も理論上は
光よりも速いと却って様々な事象に矛と盾が結び付くという結果が生まれるからである。
 其の理由とは--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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