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格付けの旅 デュアン 旅立ちまで一週間 デュアン、システムと対面

 デート……其れは広義上は二人以上が買い物をしたり遊んで行ったりする行為の事。だが、昨今の恋愛至上主義者共の陰謀に依り、男女同士の愛の深め合いに意味を書き換えられてしまった。全く、クリスマスといいバレンタインデーといい……アベック共は其処迄もてない男達の心を弄びたいか!
 言ってて恥かしくない、デュアン--とデートを持ち出したノイズンは突っ込むそうだが……俺は普通に無視して説明を続ける。
 デート……続きだ。兎に角、本来の意味は別に親子同士で在ろうとも御祖父ちゃんと孫同士で在ろうとも或はショートケーキとロールケーキ同士で在ろうともデートで間違いないのだ。決してカップルの遊びだけがデートではないのだ!
「いや、少しおかしいでしょ。何よ、ショートケーキとロールケーキって?」
「まああれだ、ノイズン。例えの話だからな」
「まあ良いわ。其れで引き受けるの?」
「其の前に聞き--」
 尋ねているのは私なのよ……其れは後にしなさい--『質問に質問で返すのは禁句』という一般常識があったな。
 質問に質問で返すのは禁句……其れは社会人以前からやってはいけない事。何故なのか……其れは最初に尋ねたかった事が失念しやすい事と時間の無駄をしてしまう事。もっと重要なのはやはり会話が成立しない事である。会話が成立しないと会話というのは……と其れは要があれば詳しく話すとして重要なのはやはり質問に質問で返す事がどれ程おかしいかを事例として挙げる事だろう。例えば『お姉ちゃん、俺とデートしない?』に対して『何故デートしたいのですか?』と質問で返すとしよう。次のような会話に変容してしまう……『そりゃあお姉ちゃんの事を気に入ってるからさ』、『ええー如何してえ?』という風に質問する側が逆転するという現象が起こる事。或は次のような返し方をすればこんな事も有り得る……『じゃあ如何して俺のデートを尋ねるの?』、『じゃあ何で私とデートしたいの?』と何時までも質問の応酬が繰り返される……会話が成立すると思うか? そんな訳で質問には質問で返す事はエチケットに反する。だから質問したいと思ったら黙って答えてから改めて質問する事……良いな!
「という訳でお前のデートだったな……引き受けよう」
 最初からそうすれば良かったのに……全く説明する癖は何とか成らないの--質問の主導権を握ったな、ノイズンめ!
「あのなあ、ノイズン。俺は知的好奇心が旺盛なんだぞ。万物の全てを説明したくて俺はこんな風に魔導学園を追い出され、現在は宇宙への進出を懸けて調整を進めているんだぞ!」
「でも貴方みたいな何から名に迄批判するような種族に何かを生み出せるとはとても思えないわ!」
 言ってくれたな……そうゆうのは俺が言うべき案件なのに--此のババアめ、気が向いたら塵にしてやろうか……そう思った俺!
「今さっき……『ババア』って思ったでしょ?」
「いやあ、俺は女性に対してそんな事を言う種なのか?」
 だから質問に質問で返さないで……全く貴方ってそうゆう点でラキさんに良く注意されているでしょ--ラキとの関係を知っていたのかよ、こいつは……こりゃあ一筋縄ではいかないな!
 俺は此の様にノイズンとのたった数回の会話で如何にラキとの付き合いが生暖かい物であったのかを理解した--こいつはラキよりも『恐妻家』の一面を持つ、と!
 恐妻家……其れは愛妻家とは逆に夫を恐怖で縛り付けるとんでもない嫁の事である。結婚仕立ては甘く切ないかのように演じてもいざ結婚生活に成ると豹変する輩が数多く存在する。結婚前は優しかった彼が結婚後に暴力的な一面を隠さなくなったのと同じように結婚前は優しかった彼女が突然夫を縛る恐怖と化すなんて誰が想像するだろうか。そんな訳で結婚したいと思っている紳士諸君は先ずは相手を良く調べる事だ。詮索は良くないとか考えるのは甘ったれた人間のする事だ。結婚する以上は全てを受け止める覚悟で行かないと結婚生活は悲惨な事に成る。結婚は遊びではない……離婚してからじゃあ遅いので結婚前から相手の芯の更に奥深くの芯を確かめるように。でないと貴方……カカアに後悔される事に成るぞ!
「其の説明だと私の事を大層悪く言ってるわね!」
 俺は独り身の方が余程安心出来るんだよ--と返答してみせる!
「ところで私に何か聞こうとしていたでしょ?」
「ああそうだ。お前の狙いは何だ?」
「そうねえ、私は預言者にして少し曖昧な立場なのよ……察しているでしょ?」
「ああ、お前は何方かと言えば全生命体の敵に位置付けするには余りにも辻褄の合わない要素が含んでいる」
「例えば何処かしら?」
「其処かよ……其れを詳しく説明するのは俺の苦手とする所なんだよなあ」
「あら、格付する癖に説明下手って矛盾してない?」
「スピーチの巧い奴等と一緒にするなよ」
「ああ言えばこう言うわね」
「わかったわかった……じゃあ子供らしく思った事を述べるぞ」敢えて子供を付ける所が俺らしいと言えばらしいな。「見た感じお前は悪いお仲間に見えない……以上だ!」
「アバウトね……其れで大人らしい感想は?」
「俺はまだ十代後半だぞ」
「でも大人でしょ、第二の故郷を追われた時点で」
 ウググ--此れで大人扱いされる事に歯痒い気持ちに成る俺だった。
 とは言え、大人の感想とすればノイズンは預言者だ。預言者は予言の実現性を高める為に大自然の意思とリンクしなくては成らない。其のリンクがまま成るか成らないかで真偽は定かに成る。偽者の預言者は目先に囚われて人を不幸にするとしたら本物の預言者は結果として人を不幸にしてしまう。偽者が甘美な罠を嵌めるなら本物は罠も伝える事も辞さない。ノイズンは後者に当たる預言者だ。故にノイズンが全生命体の敵では有り得ない……有り得るなら初めて会った時に俺に伝えた最大の不幸はワイズマンではなく実はあの金髪で銀眼の男しか居ない。若しもワイズマンだったらとっくの昔に後ろから撃つ準備をしてもおかしくない--しなかったのは協力者ではない以前にノイズンが生粋の預言者である証左!
「わかった。お前を信じよう。其れで俺に齎される運命は何か知ってるか?」
「預言者は予言を曖昧に伝える物よ。そうね、推理で表すなら『犯人は魔法使いかも知れない。ひょっとするとそうでない可能性も否定出来ない』というように」
 犯人は魔法使いかも知れない。ひょっとするとそうでない可能性も否定出来ない……其れは俺が生まれる前に名を馳せたある国の元捜査本部所属のエッジ・ダミアンの迷推理。彼曰くはっきりとした推理は却って間違った前提を生む恐れがあるとの事。そうやって大人の対応をしているつもりだろうがどんな素人でもそんな言い訳に騙されると思うなよ。第一此の推理では広範囲に推理して下さいと言ってるような物だろうが。魔法使いだったらまだしも魔法遣わない一般人に迄可能性あるって言うなよ。まあ此れ以外にも『二十代から三十代、或は四十代か五十代以上の可能性も否定出来ない』、『犯人は限りなく男性若しくは女性だろう』等犯人像絞り込む気あるのかって言いたいプロファイリングを良くやる。其の結果、彼は一躍推理の逆神として一部の界隈から祭り上げられる事と成った。
「確かに其の推理はふざけ過ぎるわね」
「お前は己も含めて全ての預言者はそうゆう言い方をするって断言したんだぞ」
「まあ否定は出来ないわ。でもあるが侭に伝えたら却って未来が変わる危険性もあるわ」
「だが予言は絶対だろ? だったら多少の誤差何ぞ大した問題じゃねえだろうが」
 其れでも預言者は多少の誤差を気にして曖昧に伝えるの--真の預言者は余計な気遣いをする物だと俺は思った。
「さて、本題よ。私が貴方とデートするのは貴方には近々宇宙に出て貰う為なのよ」
「其れじゃあ予言者と名乗るよりもトリックスターの方が相応しくないか?」
「そうじゃないわよ。貴方も宇宙に出る為に天空島のノウハウを得て来たのでしょう?」
「利害が一致している訳か」
「だから貴方には惑星ディーから出るのは理に適う事なのよ」
「だが、俺が得て来た物よりも簡単に大気圏離脱出来るアイデアがあるというのか?」
 あるわよ--そう言ってノイズンは姿を消した……違うな、正確には『サイン』だけ残してどっか行きやがった。
 サイン……其れは色紙を持って行って有名人にサインするのとほぼ同じような意味。要するに有名人が記したという証を残す事を世間一般ではサインと呼ぶ。有名人じゃない場合でも手形や足形など自分を証明する何かを残せば其れは立派なサインだ。魔法に於けるサインとは転移先へと導くサインか或は新たな魔法を得る為のサインなのか? まあ他にあるけど、此れ位で良いだろう。
 俺はノイズンのサインから位置情報を得る。其れからデュアンロールに其れを入力--するとあら不思議……ノイズンから得た転移先に移動したではないか!
 但し、安全を期す形で俺は転移する前に粒子化魔法を使用する。勿論、此れは前にレイピア持ちの男から敗れた際に得たノウハウを基にして自らの肉体を粒子に置き換えてデュアンロールの転送を受け入れる。転送し終えたら先ずは壁に埋め込まれていないか等々を確認してから……粒子化魔法を解除--気を付けないといけないのは粒子化魔法は使う前に予め元の粒子情報をデュアンロールに書き込まなければいけない……でないと大変な事に成るからな。
 解除後に実体の粒子情報と誤りがないかをデュアンロールに確認を取る。オールグリーンなら問題なし。ややイエローゾーンなら予め記録させておいた粒子情報を俺の体内に直接入力して粒子の安定化を図る。安全確認は魔法世界でも重要な作業であるからみんなも気を付けるように。
 此処は……とある標高が高い山か。惑星ディーにもこんな辺鄙な山がまだあるとするなら一体魔導学園の連中は何をしているのか? 俺はそう思い--



















 --聞こえましたか、デュアン・マイッダー?
 何だと……此処は何処なんだ!
 --此処は時空零の地点、そして私は『マザーシステム』。
 声が出ない……思考だけで会話をさせに来たのか!
 --無駄ですよ、デュアン・マイッダー。
 フルネームを二度も言うな。俺の事は普通にデュアンと呼べ……其の母親機構。
 --『マザーシステム』と呼びなさい、デュアン。私は貴方方の統括者なのです。
 統括者だと……お前みたいな雑魚が俺を統括するだって……馬鹿にしてるのか?
 --何故私を雑魚と呼びました、デュアン?
 格付師である俺を舐めるな、『マザーシステム』……見た目ばかり囚われる粕共と違って俺は中身を見通す能力は優れるんだよ。だからお前の力がカウンター機能以外に持たない事位はお見通しなのだよ!
 --流石ね、デュアン。格付師としてあらゆる能力の芯を捉える其の精度は間違いなく同志として相応しい。
 だが、俺はお前みたいな上から目線の奴の言う事に従わない。
 --やはりそうでしたか。私が早くに回収しなかった故に貴方みたいに『因子』抹殺を志さないのですね。
 『因子』? 其れだけは尋ねたい。
 --格付師ともあろう男が私に教えを乞うとはね。
 別に無理したってわからない物を尋ねるのは人間だろうと猫だろうとゴキブリだろうと神だろうと悪魔だろうと一般常識だろうが。少し調べればわかる事を尋ねるよりも少しは合理的だと俺は思うがな。
 --成程、自らの力量は弁えているのですね。
 お前よりかはな。
 --但し、皮肉を言わないと気が済まない生意気な性格は頂けませんね。
 五月蠅いな……俺は従うのが苦痛で仕方ないんだよ。
 --確かに従う事に喜びを持つ媚び諂いな者達よりも活き活きしてますわ。あくまで従うのは相手の力量をお手並み拝見という常に相手を見下す準備を始める為の下拵えとも捉えますわ。
 そりゃあとんでもない正論を口にするんだな……訂正する。お前みたいな女も結局は俺達と同類だったって訳か。
 --そうでなくては個は主張出来ない……でしょ、デュアン?
 其れで俺に何を求める?
 --デュアン・マイッダー……貴方は『神才』よ。
 俺が聞いているのは『何を求めるか』……だろ?
 --私の言葉何事にも優先されるのです。デュアン・マイッダー。貴方は『神才』よ。
 はあ、何だよ其れは? 天才や神童ではないのか?
 --天才は天賦の才を持った紙に近付く可能性を秘めた存在。神童は神の子……天才の上位互換の事をそう呼ぶけど、結局は神への道が少し近付くだけよ。でも貴方は違うの。
 俺は天才や神童ではないだと?
 --貴方は産まれ以って神を宿す『九十九』の内の一体よ。
 一体? 人に換算されないのか? でも何故一体だ? 人に換算されないなら一柱とか一匹とか一頭でも良いのではないか?
 --柱は神と同義だとすると明らかにおかしい。匹も頭も人間以下を証明するような物でしょ。ならば体を表すのが貴方に相応しいのよ。
 其れに『九十九』? 俺以外に九十八体も同類が居るのか!
 --ええ、教えてあげますわ、デュアン・マイッダー。現状の貴方達の数をね。


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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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