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一兆年の夜 第百四話 時間旅行 物理学者シュレイ・ディングァの思考実験(五)

 午後四時十四分五十六秒。
 五名は獅子型への対処法を考え始める。だが、如何思考しても感情で対処するしかないという結論に至る。
(論理だの何だのは結局の所は様々な躓きを経験して初めて頭のみならず体が教えてくれにゅ物。其れでも出来ない者は出来ない……と成ると最終的には初歩である気合で何とかするという基本へと回帰してゆくにゃ。気合いだ……全く獅子型が相手だと象族のゾウ真君でも普通に勝てる可能性が浮かばにゃい。元々肉体労働者として訓練していれば問題けど……頭脳労働に特化すれば誰だろうと幾ら心身の快方用の訓練と言えどにょ実際の戦いは練習じゃないからにゃ)
 此の様にシュレイのように考えるのは他の四名も同様。其れでも五名の中で先に体が動くのは……ガン流豆だった--時間旅行の度に銀河連合との戦いに巻き込まれる彼は既に肉体が頭脳よりも先に動く傾向へと至った!
「いけないぞう。ガン流豆さんの右翼の先端は義翼じゃないのかぞう!」
「コトワリで幾ら……ウオオオ!」だが、単純な身体能力の差でガン流豆は絡め取られる。「シメツケガ……絞め潰すか、あるいは獅子族と同様に其の鋭い歯で噛み砕くノカア!」
「ハアハア……ウオオオオぜおう!」
 次に動き出したのは……ゾウ真--五名の中で最も肉弾戦に恵まれる……が故に頭脳が肉体に指令を送る形で!
 だが……「ウワアア、足払いされたああぞう!」獅子型はガン流豆を投げつけた際のゾウ真の動きを見切り、左前足に突進して肉体で足払いをして見せる--象族は倒れた時点で継戦が出来ない程に常に巨大な鶏量を四本の太い足で支えている程……自力で立ち上がるのはそう簡単ではない!
「……わしが出ずして何が猫族にゃあ!」
 シュレイはガン流豆とゾウ真を救出する為に獅子型に突進--だが、右眼の下を獅子型の繰り出す左前足の爪で切られて怯んでしまう!
「ウウ……しまったにゃああ!」
 首根っこを締め付けられ、窒息と共に首の骨が軋む音が耳どころか骨を伝ってシュレイに知らせる!
(グ、グルジイイ……後、少し、にぇ、で、ウウウウ--)
 シュレイをやらせるカアア--ガン流豆が駆け付け、獅子型の左眼を嘴で突いた!
 意外と眼球が頑丈だったが為にガン流豆の嘴の先端は少し欠け、ガン流豆は怯みながら両翼でもがいて体勢を立て直してゆく。一方の左眼を受けた獅子型は怯み、シュレイを放す。だが、状況は好転した訳ではない!
「ウオオオッタアアウ!」本来は誰よりも体が動くべき牛族の青年が突進。「よくよく考えたら何故僕が動いてなったああう!」
 獅子型にとって予想だにしなかったのはゲロルギーの存在……ではなく、ゾウ真とガン流豆の存在にばかり意識が集中し過ぎて五名の中で象族に次いで警戒すべき牛族の存在を軽く見過ぎていた--其れが功を奏し、ゲロルギーの決死の突進で獅子型が吹っ飛び、後頭部を机の角に強打して……其の侭、痙攣を起こす!
「や、やったう」
「イヤ、息の根を完全に止めたと思うまで油を断つんジャナイ!」
 ガン流豆は今までの経験を踏まえて自ら前に出て左眼を尽きつつも義翼の鋭い場所を使って獅子型の脳に衝撃を与え……痙攣を止めた!
 獅子型が完全に死んだ事を受けて五名の中で暫く時間が止まる--其れは十の分もの間、止まる。
「そ、そうにゃ。死んでしまった人族の青年の弔いと倒した獅子型の後始末に更にはガン流豆さんの身体検査を始めにゃいと!」
「あ……そうだね」此の中で結局行動の移せなかったアインズは指揮を執り始める。「ま、先ずわね……黙祷は後ね。まだ銀河連合の体内に液状型を含めた伏せた何かのね、可能性がね、あるんだよね!」
「そ、其れよりもだぞう。起こしてぞう」
「オレタチ四名の力では--」
 ああ、無理だにゃ--此の後、シュレイは志願して者集めの為に外出する!
(ゾウ真は何とか成ったにゃ。問題は体内にある銀河連合と止めを刺したガン流豆の身体検査だにゃ。銀河連合に殺されたのはわし等に避難を呼びかけた青年だけじゃなかった。外出すると三名程の軍者と思われる亡骸を目にしたにぇ。其れにわしと入れ替わるように救援に駆け付けてくれた軍者の方々にゃ。わし等が何もしなくても彼等が何とかやってくれた可能性は……其れも又、重ね合わせでしかないにゃ。結局、外に出ないと何もかもわからなかった事実の数々……わしは結局、箱の謎を出しておきながら解明に居たらなんだにゃ!)
 其れから一の週より後……

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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