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一兆年の夜 第百三話 時間旅行 兵器開発者ショーイ・ノーマグの試作品(終)

 午前十時五分八秒。
 突如銀河連合は襲い掛かる。奴等の介入は作業班が安全圏に避難する前に起爆を早めて一掃するのが狙い--或は威力を確かめる為に自ら突っ込み、他の銀河連合に記録させる為なのか?
「オマエラアアアア!」ガン流豆は時間旅行機を直進させて三体の銀河連合を引き付けようと試みる。「アレハ……俺達全生命体の為に自ら禁忌に踏み込んででも成し遂げようとする代物ダアアア!」
 だが、ガン流豆の予想に背くかのように三体の銀河連合は真っ直ぐ原子望遠弾の方へと向かう。
「ナニ……アイツラハ!」ガン流豆にも誤った算出があった。「此れは真っ直ぐ以外は進まないのだぞオオウ!」
 そう……時間旅行機に方向転換及び停止機能がなかった。故に一度起動させると時間旅行する迄直進を止めない--故にガン流豆は大いに困惑する!
 ガン流豆が困り始める頃、ショーイは何をしていたのか?
「何にゃって……本気ですにゃ、ショーイさん!」
「ああ、起動を早めて欲しいよね!」
「馬か鹿ですにゃ!」両前足でショーイの殻を掴んで揺らすシュレイ。「其れこにょ生命死なせの罪に苛まれますにょ!」
「揺らさないで……うえええねん!」
 あ、いけにゃい--蝸牛族は体内の殆どが水分で構成される為に余り大きな揺れは狂いが生じて死ぬ事がある程。
「ハアハアよね、全く蝸牛族はあらゆる点で発達しない種族ねん。だからこそ僕はねん、僕は--」
「そ、其れよりも生命を死なせるような事は止めにぇ下さい!」
「だがよね……其れ以外に方法はないよね!」
 ショーイは全てを背負おうと腹を括っていた。其の訳は後程語られる。今はショーイの心理を知るよりも先ずはショーイの決意に対して周りが如何思ったのか? 特にシュレイの反応は次の通りである。
「……きっとショーイさんはあらゆる事を計算に入れて決断したのですにぇ。だったら拙者達は其れに従いまにゅよおおおお!」
「……有難うねん」
 此れは決してシュレイだけの決意だけじゃない。周りの……特に同僚である齢三十八にして七の月と五日目に成るボルティーニ鴎族の灰間欧兵を始めとした参画者達も無言の頷きをする程--高い頭脳を持つ頭脳労働者同士の共鳴が齎す暗黙の了解なのか……此れが可能なのは!
 そうして島に滞在する計三十一名は情を捨て去る覚悟を以て予定よりも四十八の分より早く起動する事を決意--島に残る作業員がゆっくり取っ手を回した!
 そして原子望遠弾の内部まで一気に一定量の蒸気が吹き込まれる。やがて動力部の中央で特殊な仕掛けを以て僅かな質量は剛波動に変換されてゆく--そして剛波動は本来あるべき場所に戻る為に原子望遠弾の器から次々と風穴を開けて飛び出してゆく……周囲の事を考えずに!
「アイツラ……ソウカ!」ガン流豆はこんな時の為に時間旅行機内に黒の視力矯正具を用意していた。「ホントウハお日様を直接見る為に開発された物だ……激しい光の中でも機能を--」
 そして時間旅行機が光を放つ--其れを背に感じて三体の銀河連合は急旋回しながら時間旅行機の方に体を向けた!
(あれは……やはり僕の考えは正しかっ--)
















 四月五十四日午後六時二分七秒。
 場所は真古天神武西物部大陸応神海付近新仁徳島中央地区中央病院一階二号室。
 --其れが結末……って病室内で辛汁御飯を食べたら看護婦が駆け付けますよ!
「平気平気ねん。僕は辛汁御飯を食べると明くる日には退院出来るからよね!」
 --そんな話は聞いた事がありませんね。
「まあまあ気にしない気にしないってねん。其れよりも話の続きだったねん。僕達は奇跡的にも全員助かったよね」
 --でも原子望遠弾の撒き散らしたモノが原因で何名かは苦しんでいると聞きますが?
「ああよね。其れも誤った算出に数えるべきかはわからないよね。けれども僕はあれで確信したねん……僕達はやっぱり禁断の領域に踏み込んだんだってねん。禾野コケッ区が先に発見した物を僕達は再現してしまったよね……でももっと危惧すべきなのはやはり--」
 --やはり間近で光を浴びたまま行方を晦ました太間ガン流豆ですね。
「ああよね。まだ彼の物語は続くよね?」
 --ええそうですね。ですから体調管理の為にも……辛汁御飯は控えて下さい!
「其れは認めないねん。此の辛みと香ばしい匂いは生命エネルギーを齎すんだよ……そうよね、僕達蝸牛族の水分に刺激を与えるようにねん!」
 ショーイ・ノーマグの物語は此処で終わる……だが、太間ガン流豆の物語はまだ終わらない!

 未明。
 場所は不明。
「ドウユウコトダ?」
「アインズも言ってるにゃ。其れに友達である--」
 ワカッタワカッタ--齢三十七にして一の月と二十日目に成るサッカス猫族のシュレイ・ディングァの勢いに押され気味のガン流豆だった!
 次の物語は果たして……

 ICイマジナリーセンチュリー二百四十九年四月五十四日午後六時四分零秒。

 第百三話 時間旅行 兵器開発者ショーイ・ノーマグの試作品 完

 第百四話 時間旅行 物理学者シュレイ・ディングァの思考実験 に続く……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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