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一兆年の夜 第百二話 時間旅行 量子学者ハイゼ・ベルルグの仮定(四)

 午後零時零分四十一秒。
 ハイゼ、ガン流豆、そしてショーイは食事を終える。
「イガイト早く食べ終わったな、ショーイ」
「だから言ってるじゃないかねん。拙速するってねん」
「頭はかなりー回るのは確かーだからな、ショーイは。だけーど、才能はー時として禾野コケッ区ーのように生きー急ぎ過ぎる結果ーを招くのだぞ!」
「其れは考え過ぎだよね。其処まで悲しい見方しか出来ないと自分自身を信じられないよね」
「オレモショーイと意見を同じにスル」ガン流豆は既に時間旅行機の作業に入った。「ダイタイナア、ハイゼ……考えスギダ。ゼンセイメイタイハ最終的に銀河連合を全て倒さないといけないんだぞ……彼のコケッ区だって其れを考えて俺達の覚醒をノゾンダンダゾ!」
「でもーな、ガン流豆ー。お前がー前の時代の偉大なる科学者ーなのは此処迄ー伝わっている。でもー、其のお前自身ーが著作でそうー言ってるんだぞ!
 ナニ……今なんてイッタ--此の時代に跳んだガン流豆にとって晩年のガン流豆の言葉を聞いて耳を疑いたくなるのも無理からぬ事ではある。
「ガン流豆さんの著作ねん? 其れは何処で読めるのですねん?」
「其れはーな--」
 其の時、外に通じる研究室の五つの内の真ん中の窓が割れた--割ったのは……狙撃手の馬族の軍者が撃ち漏らした鷹型!
「……ナニやってんだよ、東地区担当のグンジャタチハ!」
「生憎だが、自分は戦闘に向く種族じゃないので二名に頼るねん」
「ぼ、僕は犬族ーだけど……一撃離脱ーに向いた鷹型ーが相手では機動力ーで頼りに成りそうにない!」
「オレハ右翼の先端を遥か明日の時代にて失った後だ……何処までやれるかワカラネエゾ!」
 ショーイを除く二名は自身の戦力を冷静に分析した。其の結果、二名共二名掛かりでは運が向かないと生きて帰る事も難しいと割り出した--其れだけに空中戦且戦闘に特化した鷹型の戦法は二名にとってはショーイを守りながら如何にして相手を倒すかに於いては……余りにも向かない!
(おまけーに僕達は頭脳労働者ーだ。普段かーら肉体労働ーに体を作りー変えていない。頭脳ー労働者が幾ら理論ーを組み立てても習慣付けらーれない肉体ーでは理論通りーの動きはー実現出来ない。まあ若しもー生きて帰れーたら其れこーそ筋肉ーの痛みと格闘するー僅かな日々ーの始まりーでもあるからなー。頭脳労働者ーには此のー痛みはー困るぞ!)
 ハイゼは自分達が頭が大きいだけで肉体が伴わない事まで計算に入れる。然も生き残った後の事も想定していた。そんな事を考えるハイゼに対してガン流豆はこう考える。
「ハイゼ……後の事を考エルナ。イマハ目の前の鷹型を倒す事だけを考エロ。カタヨクマ又は片手間な考えは却って全力を阻む余計なもんダゾ!」
「……わかったー。取り合えーずショーイは避難しーていろよ……って」既にショーイの姿が無い事に少し気が抜けるハイゼ。「もうー廊下に避難した後か……全くー隙のない生命ーだ」
 クルゾオオ--鷹型はやはりショーイが出て行くときに使ったと思われる扉目掛けて突っ込む!
 ガン流豆は先回りして両翼で挟み撃ちするように迎える--だが、其れこそが鷹型の狙い……其れは何とガン流豆の左眼目掛けて嘴に依る攻撃を仕掛けた!
「ウガアアア……目ガアア!」幸い、赤く帯びただけでまだ失明に至らないガン流豆ではあったが……「ウワア!」目に攻撃を咥えられる事で均衡が崩れて落下して尻を大きく打つ。「イデエエ……って追撃ガ!」
 させるかーああ--ちょうど落下したと同時に理論通りに肉体が追随するようにぶちかましで鷹型を五メートルほど吹っ飛ばすことに成功するハイゼ。
(やったーぞ!)
 だが、実戦慣れしない生命は一回の成功に浮かれやすい--其の隙を見逃さない鷹型は瞬時に体勢を戻して急加速してハイゼを仰向けに転ばせた!
「ウガア……うわあーあ!」其れだけでなく、戦い慣れたモノに良くあるように一回では終わらせずに両前足を自らの両足でしっかり掴むと嘴で集中砲火を浴びせる態勢を整える。「ウワアアア、何ーて長い脚なんーだああ!」
 だが、此れは一対一の戦いではない。集団戦である--故にガン流豆は体当たりをかましてハイゼの右側に鷹型を吹っ飛ばした!
「ハアハアー、助ーかった!」
「オレタチハ肉体を使い熟せてイナイ。ダカラ長期戦に成る程、助け合いがし辛くナル。ソレニ……ウワアア!」
 ガンー流豆……ウワアーア--両足に依る蹴り上げで二名とも反対側に吹っ飛ばされる!
(結局ー、僕達ーは勝てないーのか。此のー侭、各個撃破ーして……う、こっちーに来た。まるでー量子のよーうにまばーらだ。こんなー戦いでも僕ーは自らの考案しーた仮定ーについて頭脳ーを働かせるとーいうのか? 然も何故乱数ーのように発生するのか? 何故勘ーで行動ーするような事に成るのか? 僕達ーは……僕達は何処へ向かうのやーら?)
 其れ以上の考えを止めるハイゼ。ガン流豆が言われたように今は考えるよりも先に目の前の銀河連合を倒す事だけに集中するしかない。一瞬だけ援軍も考えるハイゼ。だが、其れは余りにも都合が良過ぎる。何故なら助けを呼んで避難したであろうショーイの速度では援軍を呼ぶまでに時間が掛かり過ぎる。仮にショーイ以外が援軍を呼んだとしても今は禁止区域に兵力を集中させる以外にない。其処まで気を遣える程、心行くまでに行動が採れる筈もない。ならば自分達で始末をつけるしかない--そう思うと両足に力が籠められ、立ち上がるハイゼ!
「来ーい、銀河連合ー!」

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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