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一兆年の夜 第百二話 時間旅行 量子学者ハイゼ・ベルルグの仮定(三)

 四月二十六日午前九時二分七秒。
 場所は東地区復興区域。
 ナ、ナンダコレハ--二名が駆け付けると其処では二十八名近くの軍者が陣取り、戦闘を開始していた。
(一体ー如何成ーっているのか……あ、あれーは!)
 ハイゼは齢十八にして八の月と二十八日目に成る仁徳蝸牛族の少年にして工学研究者であるショーイ・ノーマグを見付けると尋ねる。
「ああ、あれねん。何でもハイゼさん達が見付けた銀河連合らしき存在は実は禁止区域で巣を作って勢力を拡大していたそうだよね」
「ナンダッテ、そんなに恐ろしい勢力だったノカ!」
「そ、其れーであんなに現地ーの軍者を集めて……でも巣を作ったーならあの程度じゃーあ足りないーのではーないか?」
「自分もそう思ったよね。だから自分はちとこんな物を設計図に収めているよね」
 ショーイが器用に巻貝に乗せた三枚の紙を綺麗に地面に下ろす。ガン流豆は一の週より前からショーイと何度も話した事がある故に……「アイカワラズ画期的な少年ダ」蝸牛族の肉体で器用に物を描いたり、物を持ち運んだりするショーイに驚かずにはいられない!
「えっと一枚目には用意するべき材料が記されてあってねん。二枚目はまあ、設計図の基本的な作成の流れねん。三枚目が操作方法を詳しく描いた物よね」
 アノ肉体でこんな事細かく更には濡らさずに描いて見せるナンテ--ショーイの技術に全身の羽を震わさざる負えないガン流豆であった。
「って……此れーは流石に禾野ーコケッ区の二ーの舞ですよ!」
「でも銀河連合を一掃する為には必要よね」
「僕は……君のー其の才能が恐いー!」
「全生命体の希望の為にも必要な事よね」
 ナルホド、此れが全生命体の行き着く所ナノカ--ガン流豆は此の時代の生命が益々銀河連合に近付く事に恐れを抱かずにはいられない。
 さて、何時までも話の腰を折りたくないハイゼはショーイに禁止区域に立て籠もる銀河連合相手に現状の戦力で十分なのかを尋ねる。
「無理でしょうねん。だって二十八名……いや、七名だったよね。あの区域の銀河連合の中には液状型や参謀型の情報も入ったよね。戦術面でも勝つのは難しいよね」
「ダナ。ダカラッテ俺達が出て来ても翼出纏いだシナ」
 困ったー話だ……仁徳島ーを離ーれるしかなーいのか--ハイゼは度々弱音を吐きやすい性格である。
(常に全生命体ーは銀河連合を打倒ーする為に依り強い力ーを渇望してー来た。でも今回はー数の問題ーが絡んでいる。巣穴ーには必ず千体規模ーの銀河連合ーが潜んでいる。東地区のー戦力だけで解決ーするような問題じゃーない。でも此処ーは島だしなー。島の中ーでは何をやっても援軍ーが来るまでに時間がー掛かり過ぎーる。結局ー、僕達の力ーで何とかするーしかない……だけど其れーにも限度がある。まーるで僕が示しーた立証困難性ーの……原理ーか。粒なのかー波なのかー? 或ーは決められたー点に発するーのかそうでーないのか? 常ーに乱数のー如し物ー。僕達はー認めるー時が来たーようだな)
 ハイゼは今の問題にも照らし合わせて自らの理論の実証性を考えていた。考え事をするハイゼにガン流豆はこう声を掛ける。
「ハイゼ……取り合えず、俺達は避難指示が出る迄は研究室に籠ロウ。イマココで俺達が居て何か悩む暇があるならそうした方がイイゾ!」
 ……そうだなー、そうだよーね--ハイゼは今考える事を行動に移すのが先だと考えてガン流豆の話に乗る。
「フウ……自分も準備が出来たよね。じゃあハイゼさん達の研究室に向かいましょうねん」
 三名は其の場を後にした……「しまった……禁止区域から飛んで来たああ鷹型を打ち外してえええいしまった!」だが、三名にとって予想も出来ない伏線が此処に来てまさか中央地区にある五番目に大きな建物に向かって飛んでゆくとは!

 午前十一時一分三十二秒。
 場所は中央地区新仁徳島総合研究所。三階二号室ハイゼ・ベルルグの研究室。
 蝸牛族故に足を合わせる二名は漸く辿り着いた。
「カタツムリゾクの歩幅に合わせると何故だか知らないが、急ぐ事を止めたくなるのはナゼダ?」
「現代の生命体は拙速し過ぎだと思うねん」
「先ずーは早ーい昼食の時間ーだ!」
 三名は研究所にある食糧保管庫に向かう--各々が食べたい物を取り出す為に。
「あ、序に自分は朝抜いているので少々拙速しますねん」
 イヤ、お前の拙速を俺達みたいな種族には理解出来ナイナ--とガン流豆はツッコミを入れる。
 尚、ガン流豆は研究室内に二名や戦いに赴く軍者達の眼を盗んである部品を運んでいた。そう、時間旅行機に必要な部品を見付けた彼は昼食を終えた後に其の作業を始めようと試みるのであった。
(蝸牛族の歩調に合わせるーのは中々ーに骨が折れるーけど……歩調ーを合わせる位ーに僕達が生き急ぐー証拠かも知れーない。何をー焦る必要ーがあるんだろうなーあ)
 ハイゼはそう考えながら食糧保管庫から昼食用の代物を取り出してゆくのだった--三名は知らない……此処に鷹型が向かってる事を!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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