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一兆年の夜 第百話 蒼穹の紅蓮 希望は未来だけじゃない(一)

 四月八十日午後一時二十四分十一秒。
 場所は真古天神武雄略大陸南側。
 南雄略と呼ばれる地が再び逸れ銀河連合の勢力に依って危機に瀕する。蒼穹はこの報告を知って激怒する事に。其れは当の中央官邸に殴り込み、現最高官に怒鳴り込む程に。其れでも象徴故に政への積極介入もまま成らない現状に蒼穹は怒鳴り込むだけで其れ以上の介入が出来なかった。故に蒼穹は親しい者達を連れて一隻当たり計十二名が乗り込む混ざりの鉄で出来た船四隻という精鋭で南雄略へと向かう。そう、船四隻が南雄略に向けて出発してから一の週より後。齢四十にして十一の月と十六日目に成る天同蒼穹は左手で胸の状態を確認しつつも次のように考える。
(折角期待して政を引き継がせたというのに……全く明日が見えるように成ると此れだ。南雄略が危機に瀕するとするならばやはり俺自らが見込んだ強者共を集めて少数精鋭で逸れ銀河連合を全て倒すしか道はない。後の事は……既に伝えた後だ。紅蓮に報告してもあいつの場合は大王という立場上は何も出来ない。俺以上に如何する事も出来ない状態だ。故にあいつは何も発言出来ずに自ずからの理由を見付けるしかないな。全く上手く機能しないと民主主義だって碌でもないな)
 そう言いつつも其れ以外の政治制度を求めるかと問われれば次のように答えを構築する蒼穹。
(だが、たった一名だけで何でも決める政治制度は短期的には上手く行こうとも長期的な視野では却って上手くゆかない。子々孫々に代を継がせても次の統率者、其の更に次の統率者が英邁である保証はない。故に政治制度は何事も万能と行かず……ってか!
 ならば長期的な視野を優先して民主主義を選ぶ以外にない。民主主義は確かに時として国を危機に晒す制度ではある。だからこそ三国分領で示すように古式神武の二大頭領制と更には新天神武の国民の意見を直接反映した選挙制度、そして真正神武の真っ直ぐに進められる力強さを上手く取り入れて真古天神武は誕生したんだ。俺は其の政治制度に一縷の希望を求める。故に信じなくて如何するか!)
 故に民主主義以外の選択肢はない。然も認証式間接民主制という力強さこそ制限されつつも上手く均衡が取れた制度にこそ希望が籠められる。そう考える事で蒼穹は身体機能を安定へと向かわせる。
(時には思い込みも大事だ。さすれば少しは長生きは出来る。心が少しでも上向けば健康状態だって少しは食い下がって見せるだろう。まあだとしても……あくまで精神面の安定は身体面の安定しない部分に少し錘を載せる程度でしか過ぎないのが歯痒い)
 精神だけでは生命は生きられない。身体能力に働き掛けるには習慣の改善が求められる。だが、蒼穹は其れをしない……父である蒼天そうてんが徐々においてゆく姿を見ただけに蒼穹は蒼天とは違う道を歩む事を切実に望む。
(若しもこの戦いが長期化するなら……俺は寝そべっての最後は迎えられないだろう。最後は叢か或は滝壺に身を寄せるか……だが、娘達に黙ってこんな所まで行く俺がそんな死に方を許される筈はないだろう。ならば生きて生きて--)
 蒼穹様、もう直グ着キマス--齢二十三にして一日目に成るタゴラスカンガルー族にしてミランの第二子であるミローダ・レヴェーロは報告する。
「そうか……さて、老体が何処まで南雄略を喰らおうとしている逸れ銀河連合に通用するかなあ?」
「無理為っさらないで下さい、蒼穹様」齢三十六にして一日目に成る武内猿族のゴリンブロウダーは齢三十二にして三日目に成る二番目の弟であるゴリンブロワダーと共に心配を表す両前足を少し突き出してから前後揺らす仕草をする。「只でさえ、持ち病があるのですよ……手が下に成ればきっと銀河連合に喰っわれてしまいますよ!」
 まあ其れも運ぶ命の表れだと思って諦めよう--既に死は悟り覚えた後だった。
「ですがあああ、蒼穹様ああい」齢二十一にして十の月と四日目に成る蒼穹が集めた中で最年少であるエウク馬族の青年真島ギャルラッはこう訴える。「其れでも一般生命は静かああああいにそして誰からも看取られるように死ぬ事が至極だと思いまあああす!」
「有難う、ギャルラッ弩。だが……死は俺自身が決める。けれども、此処で死ぬ事を娘達に告げていない……だから生きる事を諦めたりはせんぞ!」
 そう言って蒼穹達南雄略へと密かにやって来た私兵達は南雄略を救う為に戦いの道を歩んでゆく……

『--兄さんの最後の戦いは此の南雄略。勿論、後に私も其処へと乗り込む。結果は
南雄略を奪還した。けれども其処では多種多様な種族の血が流れた。現地の生命の命
だって多く流れた。そして兄さんが選りすぐった軍者及び無束縛の傭兵にも多大な血が
流れた。其の中には勿論--』

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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