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一兆年の夜 第九十九話 蒼穹の紅蓮 現在を憂いても尚、(休)

『--と其の前に休憩会を二つほど挟む。今度は次の選挙に当選する前の兄さんと
白浪さん一家の仲睦まじい光景を紹介しよう。勿論、僕達夫婦だけじゃない。其処には
七の地で隠居生活を送る筈の父さんも居た。勿論、父さんの遺志を受け継いだ彼も--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百三十七年七月九十一日午後一時二分七秒。

 場所は真古天神武六虎府経済都市中央地区。其の中で最も大きい舞踏会場にて。
 齢二十六にして十一の月と二十六日目に成る蒼穹は齢八にして四の月と十五日目に成る第一子青葉あおはを右腕に抱え、齢四にして五の月に成ったばかりの第二子朱波あかなみを左腕に抱える。
「あらあら、立派な怪力ですね……蒼穹」既に妊娠三の月と一の週と三日目に入った齢二十七にして二の月と一日目に成る白浪。「でも今度こそ蒼穹の望む雄の子に成ったら良いですねえ」
「ああ、そうだ。全く如何して連続して雌の子なんだ!」
「こら、パパ……何か言った?」父親に似る青葉は右頬を抓る。「あんまり何か言うと痛め付けるよ」
「いけないよ、あおはちゃん」母親の天然さが似た顔以外を全て衣服等で覆う朱波。「おとうさんがぶたぞくみたいになったらどうするんだあ」
「朱波……少しは言葉を選べ!」
「まあまあ、良いじゃないですってさ。朱波らしくて良いでしょお?」
「全くなあ」
「朱波は……あれですか」其処へ齢二十四にして四の月と十七日目に成る妊娠三の月に入ったばかりの紅奈を連れてやって来る紅蓮。「東夜家の雌に見られる遺伝なのか?」
「ああ、そうだ。確か前に説明したよなあ」
 彼等にとって既に説明した事でも初めて聞く方が多々ある模様。其処で初めて紹介しよう。何故ずっと白浪は顔以外を覆っていたのか? 実は白浪と紅奈の先祖は一度銀河連合に誘拐されてあらゆる液状型を肉体に植え付けられた過去があった。最初こそ銀河連合に成る寸前の所で誘拐された雄の父が命を懸けて奪還する事で何ともなかった。ところが其れ以降が問題だった。救出された雄の子はやがてある雌と結婚して子を二名儲ける。ところが雄の方は何ともないのに雌の方は肌が少し日光を浴びるだけで溶ける症状に掛かった。どんな医師でも治療法を見付ける事が出来ずに其の侭二名は雄の方は西明の苗字を雌の方は東夜と名乗るように成った。然も東夜を名乗った雌は其の後にとあるエピクロ人族と婚約して三名の子を儲けた。内、二名は雌の子で一命は白浪の母である。二名共日光に肌を晒すだけで溶けやすい体質だった。一方の西明を名乗る雄の子は後にルケラオス出身の人族と婚約して二名の雌の子を儲ける。内一名は紅奈の母に当たる。だが、二名共肌は通常で深刻な事は一つもなかった。そんな事情もあって白浪と朱波は顔以外は衣服や布で覆いながら生活しないといけない。
「だが……青葉は御覧の通り、肌は通常だ。きっと遺伝を繰り返す事で銀河連合の冒した刻印は徐々に解除されてゆくんだろうな」
「確かにそうかもな……ゲホゴホ!」其処に齢五十七にして十日目に成る蒼穹と紅蓮の父である現代王の蒼天がたった一名で駆け寄る。「全く私に永らえさせて……寝たきりに成ったら如何するか」
「でも王だった頃に比べてもう血の涎がなくて良かったよ。一時は如何成るかと思いました!」
「かもな……ゴホゴホ」
「あ、こんな所に居ましたか!」其処へ齢四十六にして三の月と十九日目に成るキュプロ栗鼠族の老年ラゼンルノ・メデリエーコフは未だ元気に駆け寄る。「全く血の気が熱く成りますんので無理を為さらずんに」
「お前の方こそ如何だ、ラゼンルノ?」
「何……何れは蒼天様よりも後に想念の海を旅立ちますん。其れ迄貴方が生きているん間は元気で居ますんよ!」其れは後に真であると証明された。「其れよりも今は私と一緒に行動して下さいよ」
 全く、親父達が生きている内は俺達も自立した行動が出来ないな--とまだまだ行きそうな二名を見て蒼穹は青葉と朱波を静かに下ろしてゆく。
「はあ、少しは蒼穹も紅蓮を見習いなさいね」
「紅奈め……紅蓮の何処を見習えって言いたいか!」
「其れはですね」白浪は静かに蒼穹を抱きしめつつも右耳元まで唇を寄せる。「と其の前に一つ聞いてくれます?」
「何だ?」
 蒼穹は突然、白浪が耳元に唇を寄せる事に次のような事を過る。
(何だ……此の胸の騒めきは? これ以上を聞いてはいけないと俺の本能が警告している!)
「ねえ……よ」
「早計だ、白浪……良いか」尚、蒼穹は耳元で聞いた事を自分の中に留める。「どれだけ紅蓮が他者と良好に付き合えたとしても所詮は俺には遠く及ばない。何時だって主役は俺だからな!」
「もう、そうやって自分中心で動くと思ったら……大きな当たりだからね!」
「ママ……其処は大きな間の違いでしょ!」
「ところでなにがあたったの?」
「全く俺の出来過ぎる点とお前の天然な部分が見事に分けられているじゃないか……嬉しいのか、悲しいのか?」
「まあ良いじゃないか……其れで第三子はどんな子に成るかな?」
「まあ、紅蓮。僕の事をほったらかしにして他所の家族の事に注目して!」
 あ、そうだったね……やっと踏み出したんだよね、僕達って--尚、踏み出したのは一の年より前……だが、実際に叶ったのは十二回目にして、である。
「ふみだす……ふむのとだすのとっていっしょにできるの?」
「其れはだなあ、朱波ちゃん。よおく聞いて為さいぞ」
「気を付けてね、じーじー。朱波は一回だけでは理解しないからさ!」
「もう、あおはちゃんったら!」
「微笑ましいですんね、ねえ?」
「ええ、そうだろ……紅奈」
「はい、そうですわ。此の時間が何時までも続きますように」
 実は胸の騒めきを感じたのは蒼穹だけじゃなかった。
「でも……僕には見える」
「紅蓮……まさか蒼穹と同じように何かを予感するのですか?」
「いや……心配はしないさ。心配したら折角出来た僕達の子供に良くないからさ」
「子供?」
「紅蓮様……まさか!」
「いや、只の勘だよ。それに僕は兄さん程も届かないよ」
 紅蓮……紅蓮が言うなら正しいかもね--紅奈はまるで何かを予感するかのように左手でお腹を摩りながら何かを達観する!

『--少し脇に入ってしまった。敢えてこの話を挿入したのは単純に私の筆が遅いから
でもある。其れ以上でも其れ以下でもないさ。さあ、次の話で本編に戻る。
 えっと話は、此れだね。次の話は--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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