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一兆年の夜 第九十九話 蒼穹の紅蓮 現在を憂いても尚、(序)

『--はあ、何時も始まりは如何するかって事に関して私は兄さんに比べて全然出来
ない。だから何時も最初は出始めで端話から入る。恐らく、三部作の第三部でも同じ
だろう。私は計画性が余りにもない。故に最初で直ぐに息詰まる事が多い。
 さて、三部作の最初は過去の話から移った。私と兄さんの物語で必要なのは互い
にどんな生命であるかだ。私は御覧の通り、始まりからして詰まりやすい生命だ。こんな
歳に成ろうとも手間或は足間取ってしまう。本当にいけないな。
 さて、先ずは纏めておこう。此の物語の中心存在は何時も兄である天同蒼穹そうきゅう。話を
纏めるのは此の私天同紅蓮ぐれん。兄蒼穹は何でも出来る上に今回の話で歴代の天同の生命
では実現しなかったある境地に至った。まさか自力で王の資格を得ようとは思わ
なかった。だが、何でも出来るという事は後にそして私は御覧の通りだ。それでも兄に
ない優れた所も存在する。まあ説明する迄もないが。
 次に三部作としての流れだな。最初の話は所謂初級者向けに噛み砕いて紹介した。後に
私の妻と成るルケラオス人族にして新興種族の一つである西明紅奈せいめい くれなと後に兄蒼穹の妻と
成る此方も新興種族たるエピクロ人族の東夜白浪とうや しらなみ。出来の良い兄には少々、困った
姉御肌と結ばれ、一方で私には出来の良い年下の雌の子と結ばれる。神様はちゃんと
相性を考えて選んでくれていると思えば有り難いな。さて、最初は僕と兄さんは
アリガルダルの目が明後日に向いた一瞬を付いて何度も抜け出しては各地での現状を
知ってゆく訳だ。と言っても其処まで遠出は出来ない。父である当時王だった天同蒼天そうてん
其処まで許可しない。だが、其れ以外だと意外といい加減でお陰で近場だけでも世界に
ついて知る事が出来た。そして父さんは病に倒れ、僕は真古天神武三代目王に襲名した。
そういった意味で父さんが大王として事実上は表舞台から去るまでが第一部という訳だ。
 では第二部は何処から何処までか? 其れは僕が王として襲名してから兄さんに王の座
を譲る迄
が第二部だ。其処では様々な悲しい出来事と遭遇する。兄さんは若くして
摂政、幹事長、軍務大臣、筆頭最高官、そして最高官と就任してゆく。其の過程で多くの
命が流れてゆく事
も此処に記さないといけない。そうして兄さんは命を削って迄も王の
資格に相応しいあれを習得し、私は喜んで兄さんに譲ってゆく。
 最終部の場合はやはり兄さんの死から私単独の物語迄を簡単に紹介してゆく。兄さんが
遣り残した事を私は自ら最高官に就任して迄実現し、其れから初めて法王跡継ぎに正式な
襲名をさせてゆくお話。
 良し、此れで安心だ。では始めは簡単な無用話から始めよう。先ずは--』

 ICイマジナリーセンチュリー二百三十五年四月八十三日午後零時一分二秒。

 場所は真古天神武首都ボルティーニ府中央地区神武聖堂天同優央やさおの間。
 其処は生前にして大王に成ってアリスティッポス大陸に旅立つ前の初代王天同躯伝くでんが父に相応しいと思われる王が誕生する迄は其の名称で天同家の専用の食事部屋として使用しろと蒼穹と紅蓮の父である蒼天に命じた部屋である。故に紅蓮が世襲した今では後に此処は紅蓮の間として改名される予定--何故なら紅蓮の曽祖父に当たる優央も同じように自らの出来に悩む仙者であった。
 さて、食事をするのは齢十七にして十一の月と十九日目に成る蒼穹と紅蓮が互いに顔を合わせるように胡坐をしながら右隣には其々の婚約者に正座させる。
「痛いよ、蒼穹さん」齢十八にして一の月と二十二日目に成る白浪は全身を布で覆い、顔以外は晒さない。「胡坐をさせて欲しいですよ」
「此処で食事をする時は雌は必ず正座をしろ……つーか正座の仕方も出来ないのかよ、お前は!」
「ああー、もう知らない」白浪は其の侭、人族の雌に見られがちな家鴨族の座禅をしてしまう。「雌である私にこんな座り方は苦しい痛みの連続です!」
「其の座り方は腰に良くないから止めろって何度言わせたら気が済むんだよ!」
 まだ蒼穹と白浪の仲は発展しない。一方の紅蓮の右隣に座る齢十五にして四の月と十日目に成る紅奈は蒼穹白浪夫婦と異なり、既に紅奈自ら紅蓮の口の食事を運ぶ程に迄進展させる。
「うーん……美味しい!」
「そりゃあそうですわ。だって僕が愛情籠めて紅蓮の為に作りました物」
「道理で普通に端で摘まんで食べてもふっくら美味しいのに更に紅奈が僕の口に運ばせるだけでこんなに幸せな気分で美味しく成るんだね!」
「まあそうよ……でも」だが、紅奈は紅蓮の表現に少し満足しない様子だった。「其の表現は……少し如何かと思いますわ、紅蓮」
「ええー、何時まで経っても細かい事を指摘するよなあ」
「ハア……其れにしても」紅奈は紅蓮の至らぬ事よりも先に両方の夫婦が何時までも婚約者同士で留まる事に少し何か物申す。「僕達は此の侭の関係で宜しいかしら?」
「だよね……特に兄さんの方は何かあると直ぐにこれだもん」
「でも……二名とも既に体を組み合ってるそうよ」
 何だって--紅蓮は大声で驚く!
「何を驚くんだ、紅蓮?」
「そうですわ、心臓が口から手を出してしまうそうですわ」
「いや……じゃなくて」紅蓮は尋ねる。「もう伽を済ませているの!」
「ああ、二の週より前には既にな」
「あの時はあ……キャアア!」
 僕は……兄さん達よりも遅れていたんだね--幸せだった紅蓮はそれを知って少し落胆した!
(まあ伽を済ませた理由は……親父の件と白浪の母の件が重なったからな。ったく誰だよ、抱き合えば仲が発展するとか言った奴は!
 全然発展しないじゃないかよ、此れ!)
 尚、白浪は気付かなかった--既に妊娠二の週を迎えている事を!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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