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一兆年の夜 第九十八話 蒼穹の紅蓮 過去に思いを馳せて(憩)

 ICイマジナリーセンチュリー二百三十四年十月三十日午前十時二分一秒。

 場所は真古天神武首都ボルティーニ中央地区神武聖堂。天同躯伝の間にて。
 座禅を組む蒼穹と紅蓮。互いの結婚相手を見極める為の催しに席を立つ訳に行かなかった。
(俺は立ちたい。だが、子孫繁栄は親の意向であれども逆らえない。けれども……まだ成者じゃない俺達が急ぐ必要なのか? 俺はそう考えている。なのに……雄と雌の交尾は早い方が良いという学説が俺の我儘を許さない)
 やはり年頃の少年とは思えない思考をする蒼穹。一方の紅蓮は何か断ち切れない物を抱く。其の為、蒼穹の耳元で何かを伝える。
「……そんなに見合いの相手が満足出来ないなら其の場で断れば良いじゃないか」
「で、でも、ぼ、僕は……えっと……二の週より前に--」
「あの雌か……あいつに惚れたのか!」
「あ。声が大きいよ!」
「惚れたのだったら其れで良いじゃないか……ま、俺はあいつ以外を選ぶけどなあ」
「お前達……少しは聞こえない声で話せ」
 蒼天様……其の注意は何か違う気がしますっがん--と齢三十七にして七の月と二十二日目に成るルケラオス鰐族の老年アリガルダル・スクリュームの白髭は情けなく垂れる。
 とそうしている内に二名の見合い相手がお付きの者と共に準備を終えて、向こう側より出ようと試みる。其れを報せに齢十八にして二日目に成るアリガルダルの第二子である少女アリガーナーは父親の耳元に近付き、小さな声で伝えた。
「蒼天様、準備は宜しい模様でっざ」
「有無、では姿を現すが良い!」
 其処に現れるは紅奈と齢十六にして一日目に成るエピクロ人族の少女。紅奈とは対照的に髪を覆い隠す。家の仕来りなのか彼女は一切の髪の毛を見せない。見せないように布で覆っている。だが、両目は対照的ではあるも紅奈と同じく右は赤、左は藍と成る。
「姉妹……じゃねえだろうな?」
「こら、蒼穹。私が良いというまで口を開くでない!」
「へい」
 蒼穹は次のように思考する。
(まあ従妹同士とかそんな感じか? 其れよりも……如何して俺の所に二の週より前の雌が居るんだよ!)
 其の思考に従い、紅蓮と入れ替わった--
「行けませっがん、蒼穹様--」
「いや、構わない……アリガルダル!」
「で、でもっざん」
「ただでさえ親同士の決めた事だ……選ぶ相手位は子供達で決めるのも親の務めだと私は思うがな」
「……わかりましたっざ」
 蒼天の其のいい加減さが早急に受け継がれたのだとアリガルダルは思った。
「……ではそろそろ私達は席を立つ。後は子供達同士で寛いでくれ」
 蒼天及びアリガルダルと紅奈ともう一名の付き添う者達は躯伝の間を去った。残った四名は誰もが譲ろうと必死の様子。
(俺は何も喋らねえ。俺が先に喋る理由があるか。何でこんな事に付き合わないといけないんだよ!)
 と同時に次のようにも思考する。
(だが……俺もまだまだ子供だな。子供だからこそこんな事に付き合う事に堪忍が出来てない。こうゆうのを知られたら紅蓮にどんな陰口を囁かれるか)
 紅蓮が己に対して何か言ってる事には薄々承知済みの蒼穹。其れでもずっと隠しているのは一重に兄としての使命故? いや、異なる。蒼穹にとって何時までも紅蓮には高い目標であって欲しいと思って内緒にしている。
 だが、そうゆう思考が表情として表れやすい蒼穹。幾ら学習能力が高くない紅蓮と手気付かない程、鈍感ではない。其のせいか、先に切り出すのは--
「兄さん、無理は禁物だよ」
 紅蓮だった--其れに釣られて名前がまだ知られてない雌の子が口を開いた。
「やっぱりそうでしたか。えっと其方のお兄様は大変な格好付けですね!」
「何だよ……俺が思っていたような重たい奴じゃなかったのか!」
「何ですか、貴方は。二の週より前から礼儀を知らないですのね!」
「紅奈……お前は紅蓮と遊んでおけ!」
「では……えっと何方様ですか、其の御兄さまは?」
 抜けた雌だな、お前は--見た目とは程遠い性格と知って蒼穹は肩の力を落としてしまう!
「あ、自己紹介しますねー。私は東夜白浪とうや しろなみと申しまーす」
「出身は?」
「え、えっと……ねえ、紅奈。知ってる?」
「はあ、お姉様は此れですから……エピクロ人族の東夜ですわ」
「ああ、そうだったのですね」
「え、やっぱりお姉さんだったの?」
「厳密には違いましてよ、紅蓮。では」紅奈は右手で左手に乗せると畳に掌を付けて体を深々と下げて自己紹介を始める。「改めて自己紹介しますね……僕の名前は西明紅奈せいめい くれなと申します。如何ぞ宜しくお願いします!」
「あ、僕は……神武人族の天同紅蓮。隣が僕の同じ年の兄である蒼穹だよ」
「ああ、如何も……字は後で教えるから今は呼び方だけでも覚えておけ」
「全くそんな事でしたら他者からいい印象を受けませんのよ……えっと名前は何と仰いましたか?」
 おい、紅蓮が言ってただろうが--白浪の抜けた部分に左膝を崩して倒れそうになる蒼穹。
 四名は其の後、互いの相手と会話を楽しむ。見合いは成功したのか如何かは別として。
「ああ、従妹同士だったんだ」
「ええ、あのような年上が居ると苦労するのですわ」
「まあ、あのように何でも熟せる兄が居ると苦労する事もあります」
 紅蓮と紅奈は仲が良好。一方の蒼穹と白浪は如何か?
「又、私の事を馬と死かを間違う生命と見たわね!」
「見て如何だと言うか。黙っておくよりも鮮明に知らせるのが本者の為でもあるんだよ!」
「何て生命なのですか。何でも出来れば偉いと仰りますか!」
「当たり前だろ。何でも出来て当然の事は当然だろうが……特に俺みたいにな!」
「もう紅蓮さんの事なんて知りません!」
「俺は蒼穹だ……此れで四回目だぞ。猿族でも二回目は学習するぞ!」
「私より猿族の生命の方が上だと仰りますか!」
 ああ、其れが如何した--と何でも鮮明に伝える蒼穹は逆に関係を険しくさせるのだった!

『--でも白浪さんは此の後に兄さんの妻に成るのだから何処で関係が発展するか
わからないな。いや、そうじゃないな。単純に白浪さんが兄さんの隠さない態度を受け
流せるだけの性格だったからこそ二名は結ばれたのかも知れない。
 あ、私の事かい?私の場合は御覧の通り、出来る妻が良かったお陰で此の後に
結ばれた訳だ。まあそうゆう訳で休憩話は此処で幕を引く。では次の話から本題に戻る。
次はどんな話をしようか?そうだなあ、こんな話でもしよう。其れは--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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