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一兆年の夜 第九十八話 蒼穹の紅蓮 過去に思いを馳せて(三)

 ICイマジナリーセンチュリー二百三十四年十月二十三日午前十一時零分七秒。

 場所は真古天神武六虎府経済都市第三北地区。北地区で三番目に大きな建物の三階備品室。
 突如爆発が起こった--備品室前を通っていた蝶族の女性は爆風で壁に激突し、死を迎えた!
「な、何が起こったんグバア!」
「あ、あれを見てる下さい!」
「ああ、あれ端……銀河連合!」
 何と炎が人族の形を取りながら剥き出した内臓を描くではないか。銀河連合はとうとう火迄も己の肉体としてしまったか!
「兄さん、桶にたくさんの水を容れて来たよ!」
「有難う、紅蓮!」
 其処へ齢十五にして九の月と二十二日目に成る蒼穹と紅蓮がやって来た--まるでこの事態を予想するかのように蒼穹は紅蓮に桶を渡して水を容れて来るようにお願いした模様。
「確かに凄いけど、俺の読みならば!」渡された水桶で蒼穹は炎型銀河連合に向けて水を浴びせる。「此れで消えてくれる筈だああ!」
 だが……蒼穹は少し読みが浅はかだった--確かに炎型に水は効果的だった……だが、如何せん桶一杯に入った水だけでは倒すまでに至らない!
「兄さん、読みが外れているよ!」
「何だって!」対銀河連合との戦いで初めて読みを外して膝を崩した蒼穹。「何でだよ……前は此の方法で上手く行ったのに!」
 実は二名……この事件が起こる四の年より前に同様の事件に巻き込まれた事があった!

 ICイマジナリーセンチュリー二百三十三年十月三十日午後十一時三分六秒。

 場所は真古天神武東物部大陸ピタゴラス地方タレス山標高成人体型二百六十七南側。
 齢十一にして九の月と二十九日目に成る蒼穹と紅蓮は蒼天の許可を取って一応付き者を五名程付き添いの上で一の月もの間、遠出していた頃だった。
「あわわわ、こ、こ、こわい、こ、こあいよ!」
「おいおいおいおい、こ、これが……銀河連合?」
 二名はアリガルダルの目を離した隙に依り貴重なタレス茸を採りに更に奥深く入った所で銀河連合と初めて遭遇--然も小火型銀河連合という初めての銀河連合の試みという!
「あれ……えっと、あ、あれだ」蒼穹は恐怖の余り、平常心を大きく傾かせる。「おい、何、か知ってるか?」
 兄さんが、わ、わからん、こと、ぼ、僕が、わからない、だろ--紅蓮の言う事は最もである。
(く、こんな、と、時でも、役、に立たねえ。こ、こいつ、に、頼った、俺、が、あああ、もう、全て、グ、紅蓮、が、止めない、かたったから、あああああ、もウウウウウ!)
 蒔いた種は己にあっても此の時だけは平常心が傾く故に紅蓮に擦り付けようという心が何処かにあった。蒼穹は其れ程までに冷静さを取り戻すだけの平常心を持ち合わせていなかった!
 一歩ずつ落ち葉を燃やしながら体を大きくする小火型。尻餅をつく二名の兄弟。特に紅蓮は思わず漏らしてしまう……漏らした--其れに依り、蒼穹はある希望を見出し……紅蓮を抱きしめた!
「ご、ご、御免なあああああ!」初めて蒼穹は紅蓮に感謝の意を表した。「そ、そして有難うウウウウ!」
「な、何が有難うだよ。ぼ、僕は、漏らして、漏らして--」
「そ、それで良い……俺もちょうど」蒼穹は下着事袴を脱いで自らのナニで小火型に向かって発射。「恥は……百も承知だあああ!」
 余りの方法に小火型は動きを止め、そして小便を浴びせられて息絶えて行った--焔が水分を浴びる事で勢いを弱めて行くように!
「ハアハア……フウ」小火型が倒された事を確認すると下着事袴を着直す。「此の事は誰にも……言うなよ!」
「い、言わないよ。い、言えないよ……僕も含めて!」
 此の経験もあって二名は炎型には水が有効であると思うように成った。

 ICイマジナリーセンチュリー二百三十四年十月二十三日午前十一時五分七秒。

 現在に移る。炎型は確かに勢いを少し弱めた。けれども其の程度の水量では死に至らない。初めて自分の発想が勝利に結びつかない事を受けて恐怖が蒼穹に襲い掛かる!
(ああ、ああ、何でだよ。ク、く、来るなアあ。俺、俺の所に来るなアあ!)
「うううう、又……漏らしそうだよ、兄さん!」
「だ、駄目だ。今回は四の年より前とは……あああ、ウワアアアア--」
 其の時、紅蓮と同じように水桶を運んでくる五名の生命が蒼穹と紅蓮の真ん前に駆け付けて一斉に桶に入った水を炎型に向かって浴びせた--炎型は勢いを弱め、そして……息絶える!
「ハアハアハア……た、倒したのか?」
「み、みたいだね」
 安心し切ったのか四の年より前の紅蓮と同じく初めてのお漏らしをした蒼穹。
「蒼穹様……此の事は内緒にします!」
「う、う、うううう、うわあああああん!」
「に、兄さん……僕迄漏らしそうだよ!」
 生まれて初めて自分の発想が上手く行かない事を思い知った蒼穹だった!

『--意外に早い挫折を経験した兄さん。だが、兄さんが漏らしたのは尿だけではない。
実は兄さんは炎型が襲い掛かる前から下痢を我慢していた。そう、私よりも早くいや此処
まあ其の話は絶対ないので記さないが。
 だが、僕達は無断で刺殺したにも拘らずだ。神武聖堂に帰宅して待っていたのは父さん
の温かい抱擁。父さんは私達を叱らなかった。普段なら無断で視察する事を叱る筈の
父さんが此の時だけは叱らなかった。理由は父さん曰く「お前達は十分挫折を知った。
追い打ちをかけるような真似を私はせんよ」との事。私達は嬉しさの余り、抱きしめて
しまったな。後はその際に兄弟揃って漏らしてしまい、其処では雷を落とされてしまった
が。

 まあ何れにせよ、私達は二度目の銀河連合との戦いで自分達の能力だけでは物事は
上手く行かない事を知る事が出来た。其れでは次の話に移ろう。次は--』

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Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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