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一兆年の夜 第九十八話 蒼穹の紅蓮 過去に思いを馳せて(初)

『久方振りにあの頃を思い出そうと私は考える。何でも真古天神武の歴史は恐らく短い内
に終わるだろう。其れが私の孫世代なのか或は曾孫世代なのかはまだはっきりしない。
数百の年より前に予言した学者の説は私も含めてまだ危機感を抱くまでに至らない。至ら
ない事は即ち、対策が後手に回りやすい事を意味する。私としても対策は思って直ぐに
始めるのが理想的だ。だが、理想は所詮空論と成りやすい。事実、我が先祖である優央やさお
遺した日記にも記される通りに幾ら後の時代に成って早くやっておけば良かったと悔いて
も遅い。当事者の感覚では予算の問題やら工期とやら、其れから深刻な素材不足やらが
関係して結局は心が後回しへと繋がる。後回しとは即ち、やらない事と同義に等しい。
やらないなら何の意味もない。
 誰だって親からこう教わっただろう。「後でやるから残しといて」と言い訳すると
「結局はやらないんでしょ、だったら捨てるわよ」と怒られるじゃないか。本当はやる気
がない事への現れを理解しても其れを実際に指摘されると誰だって苛立ちを隠せない。
そうして怒って放り投げる始末。だが、親の言った事は真実と成る。結局、後回しにした
問題は何時まで経とうとも始まらない。終わらないのではない。終わりとは始まりあって
初めて繋がる。無論、私と兄さんが始める物語りもそうである。
 何、まだ物語は始まらないかって? まあ、待ってくれ。久し振りに物語を思い出そう
と努力する。何分、歳を摂ると簡単に記憶出来た事柄も保存出来た事柄も全て忘却して
しまう。結果、誰かに尋ねるまで上手く思い出せない物だ。だからこそこうして無駄話の
序に説教臭い事を書き出して徐々にではあるけどあの頃を思い出してゆく。父さんは祖父
である躯伝くでんの最後の子供として生まれた。名前は蒼天そうてんといい、青き瞳を受け継ぐ仙者
だ。父さんは王の襲名後に母であり、武内人族のララバイと結婚。私と兄さんを儲けた。
だが、母さんは私達がもの心着く前に亡くなった。母さんは治る事のない病に掛かり、
其れを承知で私達を産んでくれた。全ては全生命体の希望の為に。
 さて、そろそろ序章に移そう。先ずは--』

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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