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一兆年の夜 第十五話 物々交換から貨幣へ(三)

 ここを見渡すと砂浜には大量の骨が埋め尽くされている。中にはわかめが絡み
ついた者も。
「海にも銀河連合が生息するんのか? このわかめが食べられるんのかな?」
「良くないぶ! 死んだ者に付着しぶ物を食べぶなど神様への礼に欠く行為!
 いいぶ、絶対に漁っぶり食べぶりするな!」
「ご、ごめんなさい。僕が浅はかだった!」
 マルコ君は自分の注意不足な言葉を悔いた。それにしても腹の虫が五月蠅い!
「ごめんい。ラテスプリを置いてきたい!
 俺はこんな時に美雌の腹の虫を抑えられないとは甲斐性無き雄だよい!」
「あなたのせいにしない! 腹の虫を抑える力がない私の責任。
 それに私はラテスプリを交換してない。食べる資格はない」
 それが物々交換における礼儀。勝手に食べたらそれ相応の償いをする。
 あら? 誰かしら?
「五月蠅いがん! テメエらは死んだ者達の前で気軽に喋んじゃねえぞっど!」
 あれは鰐族? 彼の名前はなんて言うのかしら?
「お前の方が五月蠅い! なんて名前なんだ?」
「子供の癖に俺に生意気な口を利くとはぜん! いいだろっぞ、聞げん!
 俺は大応神町から来た応神鰐族のヤマビコノゲデルミキだん!
 齢は三十にして一の月と八日目になるっだ!」
 三十ってことは私より年上? それじゃあ私は目下の者として礼を振る舞おう。
「そこのお嬢ちゃんっぞ? 綺麗だから別に俺の気遣いしなくて良いぜん!
 それより俺はもう名乗ったんだから野郎三名と美雌一名の名前を聞かせろ
っが!」
 礼儀は学ばないといけない。シ文もブラグロもマルコ君も顔が怒ってる。
「俺はラテス蜻蛉族の正岡シ文い。齢二十七にして五の月と一日目になるぞい!」
「俺はラテス豚族のブラグロ・クロレット! 齢二十八にはなぶが、月と日はわかん
ない!」
「僕はマルコラーニフ・ベンジャロボロス! マルコって呼べよ!」
「出身と種族名、それに齢を言わんかっぞ!」
「はいはい、ラテス栗鼠族で齢は十六だ! これでいいか?」
「次はそこの綺麗な雌さんの番だっず!」
「アア、好きじゃないよこの鰐野郎は!」
「私の名前は糸井サク花。花の読み方は『か』と呼ばず、『はな』と呼ぶ。出身及び
種族名ははエウク蜘蛛族。齢は二十九にして三の月と十四日目。
 職業は先祖代々鳥系の種族の子供服を自分が出す糸で作る。
 そして、それを売る。貰った物で生計を立てる。これで良い?」
 あれ? この方の口は三十度開きっぱなし。どうした?
「そ、そこまで自己紹介をするなんて俺もまだまだ修行が足りないなず。
 そんなに自己紹介されちゃあ俺もそれ相応に何かお礼をしないと良くないっぜ!」
「するのかい? ど、どんなお礼をするんだい?」
「野郎三名にするんじゃないのはよく覚えておげん!」
「知ってるんよ!」
「んなこと言ってぶ間に銀河連合がこっちにやってきぶぞ!」
 ぎ、銀河連合! ま、まだ土竜型や獅子型は死んでいない!
「お礼がしたいってのに何で銀河連合が二体増えてんだん!」
 二体? じゃ、じゃあまさか--
「こい、この銀河連合は知らないぞい!」
 こ、これって蛙族? いえ、馬族にも見える! な、何なの!
「あいつらは他種族どうしの交尾はやってはいけないってのにそれすら平然とやる
っぞ! だからこそそんなモノが生まれてくるんず!」
 なんて言ってる場合じゃない事もよくわかる! に、逃げられる?
「と、とにかく逃げぶしか俺達に生きぶ道はない!」
 私達は骨で埋め尽くされた浜辺を走った! シ文に持ち上げられて飛び回った!
 そして逃げた先はほの暗い洞窟内。つまり--
「私達は逃げ場を無くした」

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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