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一兆年の夜 第九十五話 十五少年少女漂流日誌(七)

 四月九十七日午前八時五十七分二十秒。
 場所は中央広場。鰐族の熟女は直ぐに広場へと運ばれる。
 通常ならば熟女は安全且つ手術の受けられる共同寝床に運ばれる筈だった。ところがバファルマが背に乗せて更にはツチ姫流が固定させている時に彼女は目覚める。其れから二名に事情を尋ねる程まで回復を始める。
 そして其の熟女は応神鰐族のヤマビコノアリゲリンダである事も判明。彼女はとある漁業関係者であり、取り分を収穫後に港に帰る途中で銀河連合の襲撃に遭い、蒸気船二隻ごと奪われた。其処で彼女は多くの仲間が銀河連合に食い尽くされる現場に立ち入る。多勢に無勢と思った彼女は小舟での脱出を試みるも蒸気船を奪った銀河連合は何と若布型も駆使して小舟に穴を開けて静めてしまった。若布型に食われる前に何とか逃げ切るもその疲れの余りに意識を失い、其の侭この島に流れ着いた。
 其れから彼女はバファルマにお願いして皆が居る前で此の島が危機的な状況である事を伝えた。此れにはサヨ道だけじゃなく、年長者であるウシ村も恐怖で全身を震わせる。
「そ、そ、そんなの、あってたっまっかう!」
「僕達は……食べられるのです?」
「いえ、まだ諦めるのは早いのでっげん。此処は……此の秘伝雄略島を銀河連合達は知らないがん」
秘伝雄略島……若しかしてアリゲリンダさん端チュンナ島乃事於そう呼ぶ乃です科?」
「ええ、此処は秘伝雄略島……かつては余りにも気紛れな渦巻きと一度でも眠ると島の方角に戻る奇妙な性質、更には方位磁石が全くあてに成らない磁力の乱れからこの島を無事に脱出した雄略種族はそう呼んだがん」
「奇妙な性質……若しかして北端の洞窟に残された手記の本当の謎は其れなのです!」
「少し訛りで誤った解釈をしてしまいかねないげん、其の北端の洞窟?」
「はい、其処で僕達十五名は此の島で亡くなった生命を発見しました」
「成程げん、彼なのか彼女なのかわからない其の生命は秘伝雄略島の特性を最後まで見抜く事が出来ません、っぜ」
「まあそうですけどう、其の俺達がそう呼ぶチュンナ島をどのように脱出したのですか……先者達はう?」
「其の生命と生きて脱出した生命の違い……きっと誰かの力を借りるかそうでないっがん、でしょうっぜ」
「誰かの力を--」
 こ、此処に居たかーあ--其の時、広場に急行する五名の生命が居た!
「マシリ斗達じゃないか……って其の怪我は何っのぶ!」
「わわあわ、わああわなのはわかる!」
「いっや、其の表現じゃあ何を伝えったいのかわからない事がわかるぞ!」
「ううう、チュンレイの兄貴が右後ろ足を噛まれて今にも死にそうなんちゅ!」
「俺っ達も危うく北端にやって来た蒸気船のような何かに乗った銀河連合にの襲撃を受けて死ぬ所だった!」
「あいつ等はいきなり飛び掛かって来タンダ!」
「チュンレイ……まさかあのお兄さんを死なせた銀河連合の仲間なのです?」
「其れはわからない、お兄ちゃん」
「でもかのうせいとしてはあるゾオウ」
「全ああああく銀河連合は此れだから悍ましいんんんんんだ!」
「直ぐ似手当て於始める。兎似角、チュンレイ於共同寝床まで運ぶぞ!」
 ギガンマルドは医の一族ダッジャールの生命として既に医療用具の用意を完了していた。然も僅か十六にして一の分も掛けずに応急措置を済ませた!
「ウググ……こ、此処は?」更には心肺蘇生を行うという特別手当も忘れずに。「僕は、想念の海に……いやマシリ斗の見たくない顔を見ちゅという事は多分違うかも知れないでちゅか」
「俺を何だと思ったんだ……折角心配したのにその言い草はないだろーう!」
「まっあまあ、マッシリ斗さん」
「兄貴居い、無事で良かったちゅ!」
「抱きちゅくな……僕はまだ安静にしないといけなちゅ、だろ?」
「ああ、そうだ。軽度出模安心端出来ない。特似医療設備乃整っていない此乃場所出端、那」
「其れでも無事で何よりです。良かった。幾ら別れたとはいえ、五名共無事に帰って来てくれた」
「おーい」
「何です、マシリ斗?」
「俺達を受け入れるのーか? 折角の取り分を奪った上に勝手に独立した俺達ーを?」
「其れは仕方ない事です、マシリ斗。誰だって意見を同じに出来ません。其れでも生命は進まないといけないのです。例え意見の食い違いがあれども其れを無視して行くのは少々己を高く評価し過ぎるし、更には無視せずにあれこれと美者であろうとするならば己を過小に評価する行為。進む為には去る者は追わず……来る者は拒まない精神で行かないといけません!」
「くそーう、俺が銀河連合だったら吐いた口が塞がらないと言っていただろうーに!」
「マッシリ斗さん、銀ッ河連合は言葉を……イデ!」
「細かい事は良インダヨ!」
「まあこれは僕のお母さんの言葉を流用しただけです」
「くそーう、俺は結局お前に勝てなかっーた。俺ももっと柔らかい性格をしていれば子分以外の誰かが付いて来ただろうーな」
「過ぎた事です。兎に角……お帰りなさい!」
「ただ今だ……こん畜生!」
「実に興味深いちゅ。理屈では得られなちゅ心地良さを僕は幾ら味わっちゅも……飽きなちゅ物だな」
 こうしてマシリト達五名と和解が成立した。だが、目の前の危機が去った訳ではない。銀河連合は此の間にもチュンナ島こと秘伝雄略島を進んでゆく。彼等に対して策を練らなければ十五名とアリゲランダの命は保証出来ない。
「ウググ……如何やら安静しないといけなちゅみたいだ。少し寝ちゅさ」
「寝る乃だ。此乃島出端寝る以外似良い治療法端ない」
「チュンレイさんの居ない状態で島に踏み込んだ銀河連合を如何やってやっつけるのです?」
「俺だって考えたいけど……でもあの銀河連合の奴等はカンガルーのおじさんを死なせた奴等と同じかも知れません!」
「僕だって思い付けば苦労しまっんぶ」
「くろうしません、くろうしません……ってなんなの?」
「もう突っ込まん。けれども俺達は良い案を思い付っかない!」
「俺達も同じだちゅ!」
「よそうがいのじたいダアナ」
「だからこそ俺やサヨ道、マシリトが居るんだっろってう!」
「此っ処はマシリ斗さんにお任せしまっせ!」
「俺達は頭が決して良クナイカラナ」
「決まっていーる。古来から続く一点突破ーだ!」
「何です、其の頭の良くない戦法は何です?」
「まあ捻る勇気牙ないなら敢えて力押し模有り難い斗言えるだろう」
「そうしますとたくさんの生命が死にます。私は此の方法を受け入れません!」
「いや……此処はアリゲランダさんに策を思い付かせて貰いましょう!」
「何いいいい、正気なのかあああい!」
「ああ、正気です。僕達少年少女は細かい事を考えなくて良いのです!」
「私を頼るのっでん? 此れでも私は奴等に勝てずして逃げて来たのでっげん!」
「でも僕達と異なって経験という武器が物を言います。お願いします、アリゲランダさん!」
「……君はカン太郎が言う蜘蛛族の青年かも知れませんっぜん」
「カン太郎?」
「何でもないっぜ。私が知る強いカンガルー族の生命っぜ。菅原カン太郎……既に想念の海に旅立ったのでっぜん!」
(ひょっとしてあのお兄さんの事を……居や深読みし過ぎです。そうゆうのは大人に成ってから知る物です!)
 こうして十五名とアリゲランダは島に踏み込んだ銀河連合を打倒する為の作戦を練り、其れから午後という時間帯に其れを実行してゆく……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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