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一兆年の夜 第十四話 銀河連合(四)

 午前二時四分十四秒。
 南仁徳町の住民五十名の内三十二名が重傷。十八名は軽傷。幸い死者は一名
も出さずに戦闘終了。
 彼等は怪我の手当と死体の塩漬け及び全身を藁で包む作業を終えた。
「やった根おかあさん!」
「コラ、きぬ恵! 危ないからここ似近付かない出!」
「よかった! きぬ子牙無事なら」
「あなた……イタタ! 私模きぬ恵矢さと士牙無事奈羅これ以上ない幸せよ!」
「ママー! よかったあ! ママ牙いきてて!」
 現鈴村きぬ子は齢三十二にして五の月になったばかりの仁徳鬼族の中年
鈴村こう二と二名の第一子である齢十にして三日目になるきぬ恵、第二子である
齢七にして五の月と五日目になるさと士と全身家がだらけでありながらも幸せそう
に抱き合う。
 その光景を目の当たりにしたイワレノキミの心にはもう未練というモノは無い。
「僕端皆牙無事奈羅それ出良いんだ!
 そうだろ、陽君似コケラッタ先輩!」
「どうやらイワレノキミちゃんはもう恋の熱は冷められたのね。鬼に金棒を持たれし
はこうゆう事かな? いやいやいや、鬼族が棘棘の棍棒を持たれし時にこそとは
言おう--」
「孫権の話は長っすぎ! ちったら短っきせいよお喋っれ燕!」
「「「ハハハ!」」」
 イワレノキミ、孫権、コケートは身を崩すような会話をして幸せを感じあった!
 だが--南の空より齢二十一にして二の月と十八日目になるアリスト雉族の青年
が良からぬ報せを流すまでは!
「あ、あれは確か国家神武に住む配達員の鉦隆平じゃないか!」
「た、た、大変! 大変だ!
 俺ははるばる国家神武より不眠不休で! ここまでやって来た!
 これをな! よ! んで! くれ!」
 隆平はすっかり濡れてしまった手紙を足下に置くとそのままうつ伏せに倒れた!
「だ、大丈夫かう!」
「心配ないっし! ついさっきまで眠っとねしそのままいびきを掻きてと寝てろだな」
「スァさすがにうつ伏せは健康に良くないのでやや仰向けにするぞ」
「てがみをよんでおかないと。うわ! ぬれてるよ、これ」
「ドウヤラアメニアッタノネ、カワイソウニ!
 ナカヲシンチョウニアケルワ。エットヨメルミタイ……エ?」
 手紙研究家の臨兵キュー次はかろうじて読める手紙の内容に両眼の光を弱くして
ゆく!
「お、おいキュー次! 何が書かれ……何だよ、これは!」
「バェバルケミン! ゥゥ何怖そうな顔を……そんな!」
 読んだ者達はそれぞれの反応を示した!
 それに続くようにイワレノキミは手紙を軽く握り、内容を読んでゆく。
「何なんだ! 本当乃事じゃないだろ! こんな乃認めるなんてどうすればいい!
 国家……国家神武牙!
 国家神武牙食われたなんて! 認めてやるものかあああ!」

 四月七十二日午後十一時十二分十五秒。
 場所は南仁徳町第三地区五番地。真ん中より二番目に大きな五階建て。五階
屋上。
 イワレノキミは家が修理する間、ベレッタの研究所で暮らす。
(認めてやるものか! 僕端あんな真実尾認めてやるものか!)
 イワレノキミは国家神武が滅んだ真実を心の中で認めようとしなかった!
 だが、それ以上に認めない真実が彼にはあった!
 イワレノキミが苦悩しながら天体観測をする中、ベレッタは肩まで伸ばした灰色を
した髪の先端を括りながらこんな事を言う。
「認めろ! 板垣ツル夫は死んだ!
 でないと折角睡眠時間を削ってまで飛んできた隆平に申し訳ないだろ!」
「観測中似話しかけるな!
 ツル夫端今模どこか出--」
「ああ、今お前が観測している星々としてあいつは銀河を探し回ってるよ!
 何しろあいつは神様と同じくらい銀河が大好きだったからな!」
 その言葉を聞いたイワレノキミの両眼は感情の水で一杯となり、まともな観測が
出来なくなった!
「うおおおおお! き、君端悲しくないのか! 生命牙!
 国家神武似暮らす多く乃生命、それ似神々端死んでしまった……!
 僕達端どの星尾目指して生きなければならない?
 教えてくれ、バルケミン君!」
 イワレノキミはベレッタを見つめながら訴えるがベレッタは目を逸らしながらこう
言う。
「答えがわかると思うか? 自分もまた星を見れないんだよ!
 自分が目指していた星は国家神武と共に食われてしまった……うう!」
 ベレッタもまた涙を抑える力はなかった!
「き、君牙目指していた星斗端何なのだ?
 ま、まさか好きな雌牙居たのか!」
「正解だ。自分には決して届く事の出来ない者を愛してしまったんだよ!
 あの強さ! あの美しさ! そして何よりもあの神秘性!
 自分が望んでも手に入れる事の出来ない御方だ! 約束したんだ! 手紙にも
書いて送ったんだ!
 でもあの方との約束を果たせなかった! あの方は二度と自分の前に姿を見せて
くれなくなった! 例えあの頃よりも崩れていたとしても自分は会いたかった!
 そして自らの口、いや咽で思いを伝えたかった!
 どうして最後の言葉も聞く事が叶わない! 答えろイワレノキミ!」
 逆に訴えられたイワレノキミは同時に何かを思い出す!
(最後乃言葉! そ、そうだ! ひょっとしてあれかも知れない!)
「こ、これ端自信牙ないかも知れない毛度、夢乃中乃お告げだから信じられない
科模しれない毛度--」
「な、何だよ! さっさと言え! 最後まで聞くから!」
「あ、ありがとう」
 イワレノキミは涙を全て拭き終えるとこう告げる!
「誰田科知らない毛度、その『約束は果たせなかった』斗仰いました。
 もしやそれ端自分乃勝手奈思い込みだ毛度許せるかな?」
 それを聞いたベレッタは微笑みの表情を浮かべた!
「な、何科おかしな事言った?」
「いや、いい! それを聞けたら自分は満足だよ!
 全くあの方には最後まで参ったよ! やっぱ仙者は自分達の遙か先を行ってる
から困るもんだ!」
「せ、仙者って! ま、まさか--」
 イワレノキミが何かを言うより先にベレッタはイワレノキミにこう意見をする!
「イワレノキミ! お前はお前の道を往け!
 死んでいった者達の思いを背負って何かを果たす時だ!
 何故ならお前には自分の親友の遺産である金棒がある!
 星々を見つめる両眼がある!
 そして、今は亡き板垣ツル夫の意志を継いでお前はツル夫の遺言が何だった
のか探れ!
 絶対にお前なら出来る! それは色葉家に伝わる秘伝の棍棒を上手く使い、
内臓モノを倒したんだ!
 だからもう足を踏み出せ、コノハナノイワレノキミ!」
「足尾踏み出せ? 出来る乃科?」
 吐き出した言葉はやがて絶対のモノとして心に刻む!
(出来る! 僕端仁徳鬼族乃雄!
 僕端亡きツル夫乃為似模正体不明乃銀河斗落ちてゆくモノ乃関連性尾調べる。
 それ尾証明した暁似端落ちてゆくモノ似真乃名称尾与えてやるんだ!
 死んでいった者達乃思い尾胸似!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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