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一兆年の夜 第九十三話 惑星から衛星へ(射)

 三月三十日午後七時三十七分二十八秒。
 場所は中央サッカス市中央地区サッカス速報本社。
 三階会議室にてチーンパ、二凝、そしてキッ次の三名が最終案を纏める。
「何っだと、本気っか!」
「ああ、設計図を盗んだ銀河連合が未だ行方を晦ましーている。地方軍者に任せてーも発射日時に成るまで奴等は姿を現す事さえしない。ならば先に打って設計図にない新たな装備を施す事ーで衛星へ向かうまでに対抗措置を取る!」
「すっかり乗組員の一名としての自覚を持ちましたね!」
「馬か鹿みたいな事を口にすーる出ない。私は未だに水の惑星からー抜け出せないと信じている。其の為ーにも自ら体験してお前達の謀り無きーを大笑いする為の万全なる準備ーがしたいのだ!」
「要するに当初の日に付っけ焼刃しても間に合わない。後出っしに成らないようにあらゆる事を先にやっておく……前に後出しに成っらざる負えないと言った口は何処へ行った?」
「奴等でも想定しない事をやる分ーには問題なーい」
「本当に可能なのですか! 水の惑星の外から銀河連合が攻撃を加えるという想定は!」
「いや、可能だ。特に空気抵抗っという概念が想像出来ない宇宙と呼ばれる世界では物体は飛っべば何処までも限りなく飛ぶと俺を想定するがな」
「だが、同時に三の週よりー前に私がサッカス速報朝刊ーに載せた書評通りならば第二加速器ーの他に逆さま噴射機ーも備え付けないと衛星への激突は避けられない」
「もう付け終わりましたよ!」
「付け終わった所で問題なっのは如何に惑星の加護から衛星の加護に入るか……だ」
「如何ゆう意味ですか! 所長!」
 チーンパは紙に記す。何でも惑星の外に抜ければ暫くは空気抵抗の必要がない宇宙空間を真っ直ぐ進む。但し、真っ直ぐと言えどもやはり惑星と衛星の両方からの引力が掛かる。そうすると軌道は真っ直ぐのようである一定の距離を超えるまでグラフの下降線を辿る様に衛星へと向かう。其れから一定の距離を超えると今度は真っ直ぐ進む。其処に至るまでに逆さま噴射機を使って軌道をずらす。そう、衛星の引力に乗っかる様に噴射機を駆使して軌道の調整を図る。そうして衛星の引力に乗っかるといよいよ試作六号機は衛星を周回するように成る。其れから徐々に落下を始める。焦らずに幾らでも日時を使って落下を始める。そうすると見事に生命体は衛星の大地を踏みしめる事に成功する。
「此れが俺が求っめる行きの計画だ」
「帰りは如何するのですか!」
「そうだー。想定さーれるのは帰る際にどのようにやるーのかが抜けてある!」
「済っまないが、俺は其処まで計画的でっはない。其の時でっないと思い付かん!」
 やっぱりそーうだ--二凝はわかっていても土壇場で何とかやりくりするチーンパを改めてろくでなしだと思った。
(此れが僕達が三の日より前まで行われた話し合い! 所長の発案した軌道に乗りつつ衛星に安全な落下を始めるという計画! 二凝さんが発案した緊急時に備えての装備は後々役立つ事と成る……!)

 三月三十五日午後十時二十一分四十二秒。
 場所はテオディダクトス大陸サッカス地方西サッカス町東地区新望遠弾倶楽部二階観測室。
 其処で二の日より前から泊まり切りで作業を続ける生命が二名。有野アン太とウシマル・ウシウミ。ウシマルは万が一の警護とアン太の代わりに観測を引き継ぐ為に。
「漸く晴れ出しましたう」
「ンォ……ふわああああ。フゥ眠くて眠くて仕方ないなあ」
「ンンンンンう?」
「ォオ如何したのだ?」
「なな、なな、なっとろっか!」
「ゥウ牛訛りで驚きを表現しなくとも良いのになあ……何々?」ウシマルに代わって固定望遠鏡で覗き込むアン太。「ンゥムムムム?」
「気のせいですかう、観測長う?」
「クォ観測長では、では……デュああああ!」思わず後ろに倒れ、ウシマルに抱えられるアン太。「イゥお月様に浮かぶあの粒は何だ……目盛りを調整して確認したら窓枠のような物が見えたぞ!」
「やっぱりそうですかう。あれは窓枠でしたねう!」
「イィ其れだけじゃない」再び望遠鏡を確認するも……「ウォ余り近付けると今度は画像が荒くなる」望遠機能に於ける処理能力の問題もあって苦戦するアン太。「フゥ少し補強を加えるぞ、ォイウシマル君!」
「わかりまったん、観測長う!」
 ウゥだから観測長呼びは止めんか--とアン太はそう呼ばれるのを好まない。
 二名は近場にあった大小合わせて全部で七十七つもの水晶板を取り出す。其れから観測に使う固定望遠鏡を取り外すと急いで補強を開始。作業は僅か二の分と五十八秒の内に完了。そして二名は交代々々で確かめる。すると……「タァ確かにあれは所長達が乗る望遠弾だ!」確信を持った!
「つ、つまり如何ゆうこったあ?」
「ァアお月様の一部と成ってしまったあ!」
 其の事実に二名は如何しようもない状態と成る。果たしてチーンパ、二凝、そしてキッ次は無事に衛星旅行を終えて水の惑星に帰還する事が叶うのだろうか?
 其れだけではない。安心出来ないのは設計図を盗んだ銀河連合の存在。彼らが此のまま大人しくしているのだろうか?

 ICイマジナリーセンチュリー二百三十一年三月三十五日午後十時三十一分一秒。

 第九十三話 惑星から衛星へ 完

 第九十四話 衛星世界旅行 に続く……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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