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一兆年の夜 第九十三話 惑星から衛星へ(集)

 午後四時七分十八秒。
 場所は中央サッカス市中央地区。其の中で最も面積の広い工場南側入り口にてチーンパとキッ次は立ち寄る。
 二名が突撃したのは二凝が毎の週書評を出す地方新聞社『サッカス速報』本社。其処で齢二十三にして二十二日目に成るエウク犬族のイーヌン・イトモアに尋ねる。
「取材ーは大さんの自宅で直にやりーます」
「夕刊での書評を見っせろ!」
「いえ、大さんの書評は一の週に一回だけだよー。しかも毎の週の月のー曜日だから覚えとーいてー」
 って今日は月のー曜日じゃないか……って当たーり前か--と時にはずれるチーンパ。
「取材を受けるのは何時の曜日ですか!」
「そりゃあ今のー曜日を基準にしたーら明くる日にはやってるーよ」
「あいつは俺と違って土壇場っでの作業が出来ないっからずっと事前にやっる事を第一にするからな」
「あーのう、若しかーして『望遠クラブ』のチーンパ・ビーケルさんと合間キッ次さんですーか?」
「あ、名乗っるの忘れた」
「いえ、大二凝さんがこーの宛先まで来るよーうにお願いされたーのです」
 え、歓迎しっていたのか--意外な一面に少し戸惑うチーンパ。
(いえ! 二凝さんはチーンパさん絡み以外だと寛容で誰が相手でも隔てない! そう! チーンパさんさえ絡まなければ……な!)
 一方のキッ次は既にニコリがそうゆう生命である事を既に承知。其れからチーンパとキッ次はイーヌンの案内で東サッカス町まで遠出する事に。尚、遠出する前に二名はイーヌンの勧められた中央サッカス一の料理店で腹一杯まで食べた。故に急ぐ時、少々膨れ上がったお腹が原因で速く走る事も飛ぶ事も困難と成る。

 午後八時五十三分十八秒。
 場所は東サッカス町西地区。其の中で二番目に大きな建物。
 其の表門に三名は立ち寄る。
「あいつはこっんな大きな家で贅沢の限りを尽くっしているのだな」
「いや! 退役軍者の中で技術軍者だった二凝さんですって! 数々の論文と今後の兵器の明日を記した功績は計り知れません!」
「こっちだって退役軍者だっての。なのにあいつは毎の週は半面程書評を掲載されるのに俺達はずっとこんな--」
 五月蠅ーいな、さっきかーら外で……あ、来たーな--犬族にしては長い髭を垂らすのはサッカス速報で毎の週の月の曜日に書評を連載する大二凝其の者だった。
「あ、大さん。言わーれた通りに望遠倶楽部の者達を連れーて来ましーた」
「今何時だと思ってーいる。こんなー時間帯にやって来て如何すーる!」
「どっちでっも良い。兎に角、新聞読んっだぞ。また勝手な事っを書き連ねて!」
「勝手でーはない。証言を元にしてーお前達のやる事が如何に全生命体にとーって益を為さないかを執筆したまでーだ。大体ねーえ、衛星まで飛ばすーのにどれだけの速度を出せーば良いかをー考えた事ーがあるか!」
「あっるさ。速度にして時飛びにして成人体型一万だっろう?」
 因に遠過ぎる未来では一の秒の間にどれだけ動くかを表すのが秒刻み、一の分の間なら分走り、其れから今回登場したのが一の時の間を表す時飛びである。
「ハッハーッハ、此れは御笑い事ーだ。そんな速度じゃあ直ぐーに落下が始まるぞー」
「何、其れは聞き捨って成らんな。何処が難しっいのだ?」
「確かお前達望遠倶楽部が用意しーたのは成人体型はー其々直径十ーで高さ五十だったな。下腹部のー限界まで火薬を積んでも望遠弾が耐えられるーかな?」
「そ、其れは今後次第だっろう。兎に角、俺達は絶対っに衛星に飛ばしてやるからな!」
「無理だよ、そーんなの。水の惑星は私達を掴んーで離さないのーだからな!」
 そう言って二凝は扉を閉めて……「あ、一つ忘れてーいた」閉め切った後に家の中で騒音を鳴らす。其れから何かを左前足に持参して扉を再び開けた。
「あー、別に日の曜日までありますからそこまで急がなくて良いーですぞ」
「書き直せーと!」
 二凝は事前にやらないと安心出来ない性格だった。
(二凝さんは頑なに望遠弾は届かないと主張する! 其の断言する理由が知りたいな! 毎の週の月の曜日の朝刊は欠かさず読む僕だが! その理由が今一つ納得いかないんだな! という訳で--)
「あーの! 其の書評を僕にくれますか!」
「雉族ーの若造ーか。わかったーよ、くれてやるーよ!」
「有難うね! 二凝さん!」
 全く物好きっな雉だっな--とキッ次の飽くなき原動力に顔を逸らせるチーンパだった。
 この後、二凝は一泡吹かせる為に明くる日の昼食の時間帯に望遠砲クラブを訪れると宣言。キッ次は激しい口論を予想して此の日の夜は熟睡出来なかった模様。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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