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一兆年の夜 第九十三話 惑星から衛星へ(序)

 ICイマジナリーセンチュリー二百三十一年二月二十七日午前九時三十分四十三秒。

 場所は真古天神武テオディダクトス大陸西サッカス町。かつて、石の森があった場所より西側に広がる町。
 其処は別名『カバオラの村』と呼ばれていた場所。近年ではサッカス村との合併もあって名称を西サッカス町に変更。昔から馴染みのある者達は今でも『カバオラの村』と呼称する。石の森を制覇したカバオラ・ドドンドの名を忘れない為に。
 さて、この町の東地区にある一番大きな建物は通称『望遠クラブ』と呼ばれる研究所。其の所長を務める雄は今でもこの町を『カバオラ村』と呼ぶ。
 彼の名前はチーンパ・ビーケル……齢三十四にして六の月と二日目に成るサッカス猿族の中年。何事も疑って掛からないと気が済まない性格の持ち主。
「オっイ、キッ次?」
「何だい! 所長!」齢二十二にして十の月と二日目に成るサッカス雉族の青年合間キッ次は地方紙『サッカス速報』朝刊を読んでいた。「今! 文化面を読んでる途中なのにまた呼び出しか!」
「又新聞を読んでいるな……あ、此れはあの腹の立っつ奴の書評が乗った新聞じゃないか!」
「良いじゃないか! 別に其の者の記事を読む訳じゃないし! 其れに新聞は勉強に成るんだよ!」
「成るか。新聞読んだら偏った理屈が産まっれるんだ。特に散々俺に何か言ってくる奴なんかの書評を載せっるサッカス速報なんか契約解消すれば良いんだ!」
「あ! こら! せっかく読んでいたのに取り上げるな!」折角読んでいた日刊紙は新聞を好まないチーンパに取り上げられた。「返せ! 返せ! 返せ!」
「どれどっれ?」反面、長年の競争相手が何を言ってるのか気に成るチーンパだった。「確か一面の次っの面だったよな」
 サッカス速報二面の左半分を使って競争相手にして齢三十一にして七の月と六日目に成るサッカス犬族の大二凝たいにこるの特集が組まれていた。既に連載一の月を迎えた二凝。その内容は次の通りである。
『やはり衛星に行ける訳がない!
                     元真古天神武技術開発部部長 大二凝

 幾ら鳥族が空を飛んでも急激な気圧と気温の変化に耐えられないように何処かの
西サッカスで消費ばかりする馬か鹿かも区別がつかない猿の考えは実現する訳がない。
私は何度も何度も提言して来ました。そんな物は成功しないと。そもそも実際に発射
すればわかりますが、かつて銀河連合による大規模な流れ星を偶然にも生き延びた者の
証言を今回御紹介致しましょう。
 ※ 尚、訛りを取り払って紹介しますので詳しくは二面一番下端を参照に。
<あれは正にこの世の終わりを見てしまったかのようだ。(以下略)
 只不思議と思ったのが奴らが落下する際に何か赤い物を纏って落ちて来たように
見えた。あれは一体如何してなのだろうか? 其れが奴らが水の惑星に落下する際に
纏わないといけない物なのか?(以下略)どの道、どんな科学的な理由があれども私は
生き延びた。いや、私はあのまま死んでいた方がどれだけこの時まで苦しまずに済んだ
物か!>
<流れ星については銀河連合が落下する予報なのはわかる。わかるけど、俺はやり
切れない。(以下略)但し、少し冷静に成って思った事が一つ。あの奴らが落下する際に
纏う赤い輝きは何だ? 俺は其れが炎を纏っているように思ったのは一重に火と向き合う
職業に関係する為にそう判断出来た。けれども何故炎を纏う必要がある? 炎を纏うと
奴等とて身を焼かれる可能性だってある筈だ。だったら如何して炎を纏う?(以下略)
何方にしても俺は何も抗えない。圧倒的な天の前に地は力を持たない>
<冷静に成って考えてみたのだが、何故流れ星は水の惑星に落下する際に炎を纏うのか
わかる気がする。其れはきっと次のような公式が成り立つ。(以下略)つまり水の惑星
より外は熱で包まれており、其れが水の惑星に入った際に徐々に消えつつあった。その
証拠だと(以下略)どっちみち、私は生き残った。其れで十分じゃないか>

 御覧のように三名の証言通りだとすれば衛星へ向かう際に燃え尽きて其処で幕を
閉じる。仮にそうじゃないにしてもそもそも届く訳がない。何と馬か鹿かわからない計画
をどっかの西サッカスの猿は考案した。改めて思うね。もしも三番目の証言通りに宇宙が
熱で満たされるのなら惑星から離れた時点で燃え尽きるのが落ちの山だ。
 つまり望遠弾は惑星に届かない!』
 あの野郎め、又言って来っるぞ--扉を蹴って中央サッカス市まで出かけに行くチーンパであった。
(所長は本気だ! こりゃあ誰か留守を任せられたら僕も行くしかないね!)
 尚、今回の主人公は心の中を紹介するキッ次だけでなく、チーンパと二凝も担う。この三名を中心に物語は展開されてゆく……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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