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一兆年の夜 第九十一話 必死の逃亡者達(三)

 十一月二十二日午前八時三十二分五十九秒。
 場所はフィス地方ヒッピア砂漠。
 ゴルギ村より北東に成人体型六百六十七離れた場所に水湧き湖がある。アンティラとラク一は二の時より前に其処まで辿り着いて水を飲みつつ朝食を摂った。だが、輸出品であるピアス饅頭に足を付けない。其れから二名は一の時も眠りに就く。
 だが……安眠は出来ない--蟻地獄型は目前まで近付く!
「ウゥにゃあ……グああああああああ!」
「何だよ何だよじょお、眠たい中で……ってじぇえ!」ラク一も眠気が吹っ飛ぶ程の衝撃を受ける。「銀河連合だあああああああじゃあ!」
「ウォこう成ったら倒すしかない!」
「いやじゃああああ、いやじゃああああ!」
 ゥウって俺を置いて逃げるなああ--図体の割に臆した病に掛かるラク一に上手く乗っかるアンティラ。
 ラク一は更に逃げる。だが、逃げた先は何と崖っぷち。大陸の端では如何する事も出来ない。其れでもラク一は自分よりも一回り小柄な蟻地獄型から逃げようと必死だ。
「そ、そうじょお。と、飛び降りようじゃあ!」
 マァ待て……ってウワアアア--制止する事も聞かずにラク一と共に落下してゆくアンティラ!
 流石の蟻地獄型も海へ潜る事は叶わずにそのまま踵を返した。
(ラァ駱駝族は泳げないのだぞ。ォオよげないのだぞおおう--)
 アンティラはそのまま気絶する!
 現在、逃亡二の日の目……

 二十三日午前二時四分八秒。
 場所は不明。
(コォこは想念の海? デェも月が見える? ゥツ月イイイ!)
 熟睡が済んだアンティラは飛び起きる。すると其処は昨の日に訪れた水湧き湖ではない。植林の数も仙人掌さぼてんの数も違う。前来た所は植林の数が全部で二本であり、南北に配置されていた。ところがここは二本多い四本。しかも現時刻と季節、其れから月の配置を調べてわかった事は四本とも北北西に偏る。其れから仙人掌については前来た湖には一つも生えていない。其れだけじゃなく、ヒッピア砂漠では何処を探しても仙人掌が生えない。と成るとここはフィス砂漠?
 其の前にアンティラは熟睡中の楽市を起こす為に彼の舌に何度も刺しに掛かる!
 イデエエエエじぇエエエエ--するとラク一は飛び上がるように起きる!
「ゥウワアア、死ぬかと思ったぞ!」
「ってアンティラさんが起きたじゃあ!」
「ソォ其れよりもここは何処だ? ォオ泳げない筈の駱駝族が如何して地面を踏みしめられる!」
「泳げないじぇえ? 其れは普段から砂漠を渡り歩く駱駝族の想像を前提にした誤りじゃあ!」
「ナァんんだって!」
「駱駝族は古来より泳ぐのに適した種族なのじゃあ!」
 そう、駱駝が泳げないというのは勝手な思い込みである。亀が泳ぐと速いように駱駝は砂漠の上だけじゃなく、海の中でも泳いで何とかやれるのである。
「ソォれは知らなかった。アァ知らない世界とはこんなにも好奇心を沸かせる物なのか!」
「其れじゃあ自決を諦めるのだじぇえ?」
 ソォ其れとこれとは別だ--アンティラはまだ命を捨てる事を諦めない!
「如何してだじょお。何故其処まで死のうと考えるのじゃあ!」
「オォ俺にとって家族こそ全てだ。カァ家族の為に夜遅くだろうと迷い惑わせようとも頑張って来たのだ!」アンティラは涙を流し始める。「ァアあああううう、ウオオオ!」
「そ、其れは大変辛い様子じゃあ」
「ウゥ、やっぱり自決を……あれ、縄は?」
「いけないじい。荷物を全て海に放り出してしまったじゃあ!」ラク一は大変な事をしてしまう。「ああああ、如何しようじょお!」
「シィ食事は仙人掌で我慢すれば良いだけだろう」
 仙人掌は周りの針の多さからそう名付けられる大変貴い食物。但し、食べる場合は針を抜く作業を怠らないように。
「え、仙人掌って食べられるのじょお?」
 ァア知らなかったのか、其処は--ラク一にも知らない世界がある事を認識するアンティラ。
 こうして二名は仙人掌が生える水湧き湖を何とか一の日過ごす物のここが何処なのかがわからない。
 現在、逃亡三の日の目……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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