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一兆年の夜 第九十話 一週間地底旅行(六)

 十一月十一日午後十一時四十三分三十八秒。
 場所は巨勢火山真下成人体型六百六十六。
 三名は既に最終日までに間に合わないと諦めてゆく。その理由は次の通り。
「今のままでは最終日の夜に起きてから出発してもレラ、予定された地点に辿り着きませんレラ!」
「其れに、徐々にイイに、酸素が、酸素が、ウグググ!」
 ラ目、眩暈がモグ--急いで行く程、余計な酸素補給をする……結果は脳に適切な量の栄養が回らない事に依る判断力の低下!
「ああレラ、ザリスモ料理が目の前にレラ!」
「其れはきっと酸素がアアが、足りない事、でエエで、起こった脳、にイイに、依る安全策でしょう」
「ラわし、なんか確実に届いている、筈がないのに、何故か目の前に、秘境が見えるぞモグ!」
「ほレラ、本当だレラ。秘境が見えるレラ、見えるレラ、もう直ぐだああレラ、もう直ぐだああレラ!」
「睡眠の摂取過少にイイに、依って陥る症状、とオオはまた、別の症状か。そろそろ死期、はアアは、迫るな」
 三名は最早頭を正常にさせる余裕もない。限界は当に訪れた後。一度限界が訪れると必ず肉体には保全作業が働く。心拍数が危険水域に達する時だけ少し呼吸が楽に成るように、肉体の酷い使役で生じる際に一度だけ予備の栄養を回すように、そして脳にも一度だけ記憶保全を促す為に走馬灯が流れるように肉体とは限界を超える事で一度だけ保全作業が働く。但し、一度だけであって二度目はない。何故なら取っておいた物は使い果たすと底を尽きるのだから--故に三名は既に最善策に結び付く為の発想を引き出す事さえもまま成らない!
(ラ最早誰もがあれを卑怯だと疑う者は誰も居ないモグ。ラわしらはとうとう秘境に辿り着いたのじゃモグ!
 ラじゃからこそわしらは唯進むだけじゃモグ。ラこの道を唯進むだけじゃモグ!
 ラ唯……何だ、これはモグ!)
 三名が本当の意味で力尽きる寸前で新鮮な空気が彼らに齎す--いや、空気ではない……光だ!
 光が後光を照らして彼らの脳に僅かな余裕を齎した!
(ラ此れは秘境じゃない……銀河連合モグ!
 ラあわわ、わしらは、わしらは……うわあああああモグ!)
 三名はその場から下がろうとする……が既に声も出ない。肉体も動かない。もうどうしようもない状況に三名は追い込まれた!
(ラミミズルもムカッスも動けない上に声も出せないモグ。ラあわわ、じゃあ如何して良くわからない何かはわしらに恐怖が迫るのを知らせてしまったのじゃああモグ!
 ラ知らせなければわしらはあの新種の銀河連合に食べられる恐怖を徐々に味わう事もない筈じゃあああモグ!)
 三名は目の前の銀河連合が昨の前より日に出会った銀河連合である事を忘れた。脳が働かない極限とはこの事を指す。既に今しか認識せずに寸前或は遠い昔さえも引き出せる状況ではなかった。既に極限状態で一度だけ走馬灯を流してしまった。二度目は有り得ない。既に脳の保全作業は過ぎた後。ならばやるべきなのは肉体同様に脳の休みだけ--即ち、三名に訪れるのは急激な眠気に依る機能修復であった!
(ラああ、ああ、ね、眠いモグ。ラでも、ね、ね、ねても、ぃぃ、ぉ、ぇ……)
 三名にとっては最早何も考える事はしない。考えるのも又、活動。その為、活動を止めた脳がやるべきなのは無心--分け与えるように彼らに眠りを施してゆく!
 その間に銀河連合に取って驚くべき事態が起こる。奇跡とはこうして起こり得るという訳だな!
 現在、地底探検六の日の目……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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