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一兆年の夜 第九十話 一週間地底旅行(一)

 ICイマジナリーセンチュリー二百三十年十一月六日午後七時二分三十二秒。

 場所は真古天神武武内大陸波多八代地方高向たかむかい山。標高成人体型三十五付近南西側に位置する麓に土竜族を始めとした地中種族だけが暮らす地下集落が存在する。集落の名前は単純に高向集落。
 常に外部との接触を避け、千の年以上も代替わりしながらも守られて来た。守られる物は集落の教え。其れは必要のない穴掘りをしない事。住居範囲拡大の恐れがある余所者を住まわせない事。そして何よりも古き良き物を守り続ける事。保守的な風習はどれだけ住者が代替わりしようとも連綿として受け継がれてゆく。
 そんな風習に反対しない生命が存在しないというのは些か都合が良過ぎる話である。齢三十八にして八の月と八日目に成る武内土竜族の老年モグラムス。今回の物語はその老年が人生最後に一度でも地下深くを探検するお話。
(ラ何度も外へ出ては水脈にぶつからない程度の道筋を確認したモグ。ラとは言えども大昔にわしと同じように反抗した輩は少々古臭い道筋しか残さなかったモグ。ラ今は其れに通ずる一族は存在しないと言えども、どれくらいの期間なのかは定かではないモグ。ラけれどもこれだけはわかるモグ。
 ラその間に地震やら洪水やら大雪雪崩……あらゆる神々のお怒りは新たな道筋の構築を促す物だったモグ。ラ其れに気付いたのが今から十の年より前モグ。ラだが、実行に移すまで五の年モグ。ラそして実現に至ったのは今の日モグ。ラ実に長い年月を掛けたモグ。ラ人生最後の日が近い中で漸く夢が叶うモグ。ラ同志だって二名は確保した……二名はなモグ)
 同志二名を紹介すると齢十九にして二日目に成る武内蚯蚓みみず族の少年ミミズルと齢二十八にして十日目に成る武内百足族の青年ムカッス。ミミズルはモグラムスの養子である為に、ムカッスは元々外方の生命という事もあって同行が許された。其れだけに集落の風習は手厳しいのである。
「ほレラ、本当にやるのですかレラ?」
「ラわしの夢だったモグ。ラここでやらずして一体どれくらい待たされるかわかるか……その時、既にわしは作物の栄養価に成るモグ!」
「ハッハッハ、確かに夢果たせずにイイに栄養価にされたらまともにイイに作物は育ちませんねえ」
 ラじゃろう、わかっておるなあモグ--尚、彼らが会話する時は比較的空気と光が通る場所で行われる……幾ら暗視且最小の呼吸が出来ても限度という物がある以上は仕方ない。
「そろそろ月の光も期待出来ない明るさに成りますねレラ」
「ラ有無、出発じゃモグ」
「では一切の会話を慎んでエエで出来る限り新鮮なアアな空気を味わって下さい」尚、ムカッスは地中旅行の経験が豊富故に呼吸困難が如何に恐ろしいかも簡潔に紹介する。「深い深い地中では高山でエエで発する病とオオとは別の呼吸の病というのもありますので如何かお気を付けを!」
 さて、三名が目指すのは何処なのか? 其れは巨勢こせ地方にある山。その成人体型何と真下千。しかも巨勢山は火山と成る為に一歩掘り誤ると待ち受けるのは死である。
(ラこの地図を発見したのはわしが今のミミズルよりも十の年も若い頃じゃモグ!)
 モグラムスが子供の頃に足を取った地図とは果たして!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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