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試作品 引き延ばし法

 如何も毎回一兆年の夜でゆでたまごやアイスデブ先生ェ並に矛盾を量産する三流作家darkvernuです。
 そんな三流作家はある事を閃いたので忘れる前に文字だけは残そうと思った。如何ぞ。

 突如、大御所漫画家の屋敷に検察当局による強制捜査が入った。
 これを見た周辺住民達は会話を始める。
「ねえねえ、如何して沖田栄次郎さん所に黒スーツが何人も入ってゆくの?」
「まさか脱税しちゃったの?」
「ああ、あれですね。まさか彼も法に引っ掛かりましたか」
「え、やっぱり脱税?」
「いや、沖田さんはお金で動く漫画家じゃありませんな」
「じゃあ何の罪なの?」
「皆さんは業務停止命令を知ってるかな?」
「さあ、法律関係はわからねえべ」
「まあ法律に詳しくない私でも唯一知るのは要するに国に依る一切の業務を停止する命令だね」
「へえ、国自らの……まさかそれと関係するの?」
「ええ、沖田さんは何でも三回も引き延ばしをしたからね」
「え、引き延ばし?」
「そう、十話で終わる展開を三回も『通常十一話以上も引き延ばした』んですよ」
「それが如何して検察の強制捜査に繋がるべえ?」
「『引き延ばし法』では『創作物の円滑な展開を促す為に過去数度も行われて来た企業に依る非良心的な引き延ばし或は一方的な打ち切りによる読者の損失を防止する為に本立法は成立した』とある……済まん、法律関係は上手く説明出来ないし、今一付け焼刃な知識で申し訳ない」
「気にしなくて良いわ……あたしゃ達も全然わからんべ」
「つまり……沖田さんはその法律に引っ掛かったからああして黒スーツ軍団の捜査を受けてるべ、か?」
「そうだ。でも安心した方が良い。其れで投獄されるような事はない」
「誰も手錠の話をしてないべ」
「まるでこれから手錠掛けられそうなこと思ってるみたいだべさ」
「何しろ、上手く行けば検察は沖田さんに対して三年間の漫画等に関する執筆の停止を言い渡すだけかも知れないのだから」
「それは大変だねえ」
「違反したらどうなるんけ?」
「その時こそ逮捕状の請求に繋がる」
「それはまあ、大変だね。沖田さんは漫画を描くのが好きな身じゃないの」
「でも同人誌を描けば良いでしょ。そしたら好きな漫画を続けられるのではないの?」
「いや、同人誌にも適用される。無断でコミケで販売する所を通報されたら敢え無く逮捕されるよ」
「何だって!」
「罰則が厳しいね。それじゃあ漫画家は上がったりよ!」
「いや、漫画家はまだ大丈夫だ。漫画の方は問題ない。問題なのはアニメオリジナルを製作するアニメ会社の方だろう」
「如何して?」
「小説より漫画の方が苦、絵を入れる以上は一人では一話を起こすのも十倍は掛かる」
「はい?」
「それと同じように漫画より右もアニメの方が苦……絵を動かす、絵に音を入れる方が絵にするよりも十倍は掛かる。一話を起こすのにアシスタントの数程度じゃあ終わらない」
「それで?」
「依って作画の負担を減らしたいアニメーターは国の定める基準値を満たした一話を起こさないと業務停止命令を受ける事と成る」
「そ、それは幾ら何でも大変じゃないの」
「国は何て法を作ったさあ、あたし達の税金を使って!」
「いや、悪いのは過去の漫画家とアシスタントの方だ。罪に成らないのを良い事に売れる作品をカルピスのように薄める事を連発してたまたま引き延ばしに怒りを覚えた有権者達の草の根の活動に呼び水を与えて……このような更に過酷な法律を定めるきっかけを与えてしまった事を。しかもこの法律に今更、抗議をしても遅い。既に五十年という長い年月を経て審査員の眼も贔屓目で見られる事はもう……ない。最早何もかもが手遅れなのだよ!」
 それから沖田栄次郎の人気作『ワンナウトピース』は連載中止の告知が為され、事実上打ち切りは決まった……


 と言う訳で『引き延ばし法(仮)』をお届けしました。お金様の中篇を掻き終えた後は暫く、こいつの執筆に励もうかと思うな。
 何故これを書いたのか……それは趣味である漫画の読書で怒りを覚える事が一つだけある。それは……無用な引き延ばし。特に福本伸行作品なんかは余りにも酷い! 今年になってワシズ篇が終わるだなんて……どれだけ福本伸行はシャバイ男に成ったか! 初期のような反骨心はどこ行った! 本当にねえ……微温湯に浸かり出したら作家は終わるのだな、福本自身がカイジや赤城たちに糾弾されて然るべきだろうが。あいつらはどれだけ動機やら何やら色々あろうとも必死で明日を掴んで来た。カイジなんか屑野郎でもギャンブルで命を懸ける時は明日を掴む為にあ舌を捨てる覚悟で臨んで来たのだぞ! アカギに至ってはスピンオフとはいえ、天のラストに繋がるような……御免、熱くなり過ぎた。
 兎に角だ。商いが絡む事は否定はしないし売れない漫画を量産して損失を被るのは誰だって嫌なのはわかる。わかるけど……誰が引き延ばして良い? こち亀やら浦安やらサザエさんやらドラえもんはまだ日常回が中心で引き延ばし以前だから良い! 問題はストーリーのある作品だ。こいつらを引き延ばしされた日には……自分達ユーザーの寿命が保たんぞ。それに引き延ばした作品は一体全体美しいのか……否、人が老いに逆らえないように年を追う毎に劣化を辿るのが目に見えるだろう。だから引き延ばしを在りたがる作家共はペンを持つ前に先ずは自らの鏡を見つめろ。次にやるべきなのは作品を思う心を思い出せ。最後に……作品を寝たきりにした罪を自覚して幕を引くんだ、良いな!
 とまあ偉そうに言う自分が今ここに居る。只まあ壮大過ぎて自らの寿命も考えずに作品終わらせる前に死んだ作家を自分は知ってるのだよな……そう、栗本薫と佐藤大輔(他にも居るが思い付く限りではこの二人しかいない)。栗本薫はグイン・サーガの壮大さに自身の寿命が付いていけなかったから良い。問題は佐藤大輔の方だろう……皇国の守護者が勝手に進むのを不服にして打ち切った挙句にどの作品も未完のまま墓場まで構想を持って生きやがって(怒)!
 但し、だからと言ってこの方が出来る事を望まない。何事もそうだけど、法で縛ると却って自由な創作に支障を来たす事が多々ある。それは何処へ行こうと不変。だから引き延ばすにも打ち切られるにもそれは自由な訳だ。ところがそこに法が絡むと……何が起こるか? 特に引き延ばし法が本格施行されると……それはお試し版でお待ちを!

 それじゃあ今回はここまで。お金様は今週ブログの方を執筆しない可能性が出て来たな。如何も中々調子が戻らないからな(苦)。

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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