FC2ブログ

一兆年の夜 第八十六話 躯伝の空 躯伝、政治に参加する(三)

 ICイマジナリーセンチュリー二百十七年十月二十五日午後十一時四十七分四十一秒。

 場所は新天神武エピクロス島ルケラオス県中央地区。その中で最も大きな建物五階第二執務室。
 齢二十一にして五の月と十九日目に成る神武人族の青年は最高官を務める齢三十八にして十一の月と十一日目に成る神武鬼族の老年に呼び出される。
「……こんな夜中に呼び出して其れですか、最高官殿」
「如何だい、駆伝様。鶴翼党似来ない科? 今端まだ公職選挙法等々出国務大臣乃適正年齢似届かない貴方様出模後四乃年似そこ辺届く。副最高官乃位端与えて模問題ない斗俺端思う那」
「生憎だが、俺は剛力党のムカムヒ・笹原の秘書を務める身です。とてもじゃないが、俺には荷の重過ぎる感触ですな」
「心配ない。副最高官斗言え弩模最高官牙働く時端殆ど仕事牙ない模同然。副最高官出居る場合端イロハ於覚えてゆけ芭四乃年まで似間似合うだろう。大丈夫……俺牙全て乃官僚似命じて手厚い保護於する!」
 そんな事言われても俺が……な、これは--窓を覗いた時に何かが飛び込み、躯伝の両眼は青く輝き出す!
「如何為さいました科、躯伝様?」
「御免、イタドウヨ。俺は少しの間、席を外す!」
 駆伝は扉を開くまで落ち着いて歩き、開くと同時に風を押し切る勢いで姿を消した。それを見て最高官カゲヤマノイタドウヨはこう呟く。
「あれ牙史烈のれあ様乃仰った新仙者でしょう科? 俺似端未だ信じる事叶わず!」

 二十六日午前零時十四分七秒。
 場所は捜査本部当局。
 そこで躯伝は青き両眼を輝かせてスカンク型と齢三十七にして十の月と九日目に成るルケラオス象族の老年の肉体を乗っ取ろうとする液状型を両断する。それから躯伝はその老年の肉体を調べ……異常がないと気付くや直ぐにその場を去ってゆく。
(俺が出来るのはここまでだ。後は駆け付けた捜査関係者が象族の爺さんの手当てをすれば助かる筈だ!
 それにしても時間を掛け過ぎたな。眠るまでにどれくらいは梨が長引くかな……早くしてくれよ、イタドウヨよ!)

 午前零時三十二分十三秒。
 場所はルケラオス県庁五階第二執務室。
「……お袋が言ったように俺が新仙者だとしてもそれが鶴翼党に入るべき理由に成らないだろう!」
「生前乃史烈様から端鶴翼党本部出それ於聞かされた。あの方端生命乃革新於信じた。その一つ牙男系乃連続性から生まれる新仙者斗もう一つ端突然変異乃如く現れる革仙者。特似史烈様端革仙者似ついて端熱弁於振るっておった那。彼女似依る斗新仙者保守思想乃体現者那羅革仙者変革乃体現者だから那」
 曖昧な表現は流石、お袋だぞ--と赤子の頃からそれを聞かされ続ける為に今でもその話を好いてない模様。
「妥牙、もしもその説牙本当妥斗すれ芭駆伝様乃目牙輝く乃端やはり連続した男系牙為せる恩恵なの科模知れない。駆伝様こそ、新天神武於引っ張る神々乃力於御持ち出ある証拠妥斗俺端思う曾!」
 全く興味スライダ来たくない話だよな、お袋のその眠く成りそうな……ふあああ、話は--そろそろ眠く成り始める躯伝。
「済まない那。続き端明日乃朝十時似始めよう科」
「明日?」
「別似日数端間違ってない曾。今日乃朝十時出端ない。明日乃方だ」
 そこも間違えないのか……カラッ佐とは違うと自信を持ってえ--と政治の世界に引き摺り込んだ張本者の名前を出す躯伝。
「全くあいつ端最後まで周り乃心配ばかり掻かせやがって……そん那あいつ牙居なけれ芭今乃俺端ない牙那」
 あの自慢話は本当だったのか--ずっと作り話と思っていた駆伝!
「ハッハッハ、それ言った羅あいつ牙想念乃海科羅心身於形成して戻って来る曾!」
 それから躯伝は明日の朝十時に間に合うようにムカムヒに直談判。するとムカムヒは奇妙な断り方をした。その奇妙な断り方とは次のような駆伝の回想録である。
(何とムカムヒは『自分も会って話す』と言って来たぞ。流石にそれなら秘書も同伴である上に互いの時間を合わせる必要性はないよな。
 そんで話は二の日より前と同じようにお袋の話さ。お袋が言った存在については前者は俺が持ち、後者に関しては過去に事例があると断言するのだな。何故そう断言するのかを俺もムカムヒも尋ねたが……これと言って実りのある話を聞く事が出来なかったな。
 過去……つまり昨日に至るまでの時代かあ。そう言えば親父には名も知らぬ弟が居るって話を聞かされた事があるような……駄目だ、思い出せない。かなり昔だったからその当時の俺の記憶力では頑張っても……無理か。まあ只、これだけは思い出せる。その弟は死んだと聞く。だからもう……はあ、何で死んだのかを思い出す事が出来たら良いんだけどな。
 この後に俺達は最高官カゲヤマノイタドウヨよりも先に首都ボルティーニに向けて帰ってゆく……訳だが、ここで大変な事態が起こったのだよ。まさかなあ--)

 十月三十日午後八時二十四分六秒。
 場所はエピクロ海。旧式の大船にて。
 鬼ヶ島へ向かう途中で事件は起こった。
 エピクロス島に向けて全長成人体型五十近い鯨型が襲来。激突すれば横転は逃れられない。船長と操舵は回避運動を取り、ちょうど船に乗り込んだ軍者八名は望遠刀と十五本以上の物部刃を持参して一斉射撃の準備をする。
 躯伝と齢三十一にして四日目に成るエピクロ百足族の中年ムカムヒ・笹原は取っ手を掴みながらその様子を眺める。
「そろそろ中にイイに入ろう、駆伝様」
「いや、先に避難してくれ。俺が行く」
「幾ら君のオオの力を信じても……相手は海にイイに精通した鯨型だぞ。無茶アアちゃだ!」
「だが、ここにはシドウシンも居ない。だったら俺がやるしかない!」
「ああ、駆伝様だかララかな……もうここまでだああ!」
 ムカムヒは勢いを付けて扉に飛び付くとのぶを回して百足族特有の柔軟な動きを持って素早く中へ入っていった。
(相変わらず百足族の肉体は凄いなあ。反動をつける術を身に付くとああも器用に……それに比べて人族の肉体は未だ熟さず。全くどうして天同は人族なのだ?)
 その疑問を持ったまま駆伝は滑らかな床を体勢が崩れる程に滑る事無く流暢に進み、それから八の年より前に南雄略で編み出した両眼の輝きを全身に流し込んで流星と化す能力を以って一気に鯨型の真上に到達すると神武包丁を抜くと同時に突き刺す--流星と成った駆伝の力を全て神武包丁の先端に流し込み、鯨型を内部から倒して見せた!
(まあその際に投げ出され、後少し遅かったら俺は死んでいただろうな……こうして鯨型を倒した後は鬼ヶ島で祝杯を挙げた。只、其処で長く滞在し過ぎた為に最高官と同じ日に首都ボルティーニに帰る事と成ったな。あの時はどれだけソーラに怒られた事か……思い出すだけでも恐いさ!)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR