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格付けの旅 デ・ヴァレラとコリンズは何故喧嘩するのか? 破壊の宴の残滓

 破壊の宴……それは過去、現在、未来に懸けて存在を破壊する全生命体の敵の中で因果律にも関係する存在。奴の繰り出す破壊は一度行われると永遠にそこは過去も現在も未来も破壊された状態と成る。それは何を意味するのか? 記憶さえも破壊する。これほどまでに恐ろしい破壊があれば知りたい。それだけなら拘わらなければ問題ない。だが、この野郎は事もあろうに関わって来る。名が示す通り宴を楽しむかのように。正に全生命体の敵に相応しいと言えるだろう。
「というかお前今の展開思い出せるのかよ!」
 いやあ、思い出せねえわ--とデュアン自身も赤い方の事は思い出せないでいた!
(確か……ここは<アンデルセン大宇宙>だ。そして俺はそこでリディアの要請に応えてやって来た。要は破壊の宴とも戦おうかと思ってやって来たが……如何やら奴は俺達の思った通り、死んだか。だが、奴の残滓は残ってやがる)
「オイ、二本足!」
「何だ、アルッパー?」
「奴は倒した筈だよな。無力な二本足の手で倒れたって俺は聞いたぞ」
「ああ、それは間違いない。『ゲドル』はそう伝えたと聞く。聞くのだが……何故奴の気配は残る?」
「震えが止まらねえ」アルッパーは破壊の宴に何かトラウマを持つ。「あいつと戦うのは御免だ。あれは俺が勝てるとは思えない野郎の一つだあああ!」
「……アルッパーよ、何故あいつに怯える?」
 お前に俺の過去を話してたまるかアアア--デュアンが自分の過去を語らないようにアルッパーも語る口さえ持たない様子。
「だとしたら……ンン、この気配は!」
 デュアンとアルッパーは互いの大きさの違いさえも感じさせない程同時に振り向いた--するとそこにワイズマンが聳える。
「てめえ……何で同じ大宇宙に実在するのだああ!」
「簡単な話だな。俺は別の宇宙からここまでやって来た。そうすればここで滅んだ俺に関係なく、俺は現れる」
「だったら今度も俺が--」
「待て、アルッパー。格下のあいつが策もなしに俺達の前に出る理由を--」
 忠告を聞かないアルッパーは横から飛んで来た真珠の輝きを浴びて北西西四億光年先にある宴が破壊した痕に呑み込まれていった!
「アルッパアアアアア!」
「来たか、『キスパール』!」
 『キスパール』……あいつがやって来たのか--その名前を聞いてデュアンが青褪める!
 キスパール……それはあらゆる物を取り込む真珠である。接吻を意味するキスの語源を突き詰めればそれは相手を取り込む事に行き着き、キスとは性的な物ではなく相手を喰らうが如く……そこから更に真珠の如き輝きと悍ましきを掛け合わせてそう名付けられた全生命体の敵。単純な戦闘力で照らし合わせれば『エンドレスイナーシブル』と匹敵する為、神如き力では止められない。
 説明が終わるその時、真珠色をした唇がデュアンとワイズマンの前に出現する。赤く塗れば人間の唇に酷似したその形……それがキスパールの通常形態。
「出やがったな、キスパール」
 --ヤア、デュアン--
 喋る時、人間と同様に唇は上下に動く……それは見る者に悪寒を走らせる!
「相変わらずその姿が好きだな、キスパール」
 --ワイズマン、ワカッテルクセニヒドイネエ--
 デュアンはワイズマンを睨む。その理由は次のような考えから来る。
(ワイズマンめ、厄介な奴を呼び寄せたな。はっきり言ってそいつは前にほぼ全ての魔法を駆使してやっと倒したのだぞ……それが再び現れたという事はなあ、つまりだあ。俺の攻撃は一切通じないと告げてるような物だぞ。名前の語源通りにキスパールとは全てを取り込むつもりで存在する悍ましき全生命体の敵だからな!)
 デュアンの考えが正しいなら、キスパールに勝てない事を意味する。果たして……どのように切り抜けるのか?
 その時、マーメイドエンシェントシュトロームが炸裂。キスパールとワイズマンはそれを防ぐのに精一杯だった。
「今よ、デュアン。急いで!」
 ああ--間一髪でリディアが助け舟を出した。
 その一瞬に依り、デュアンは難を逃れた!
「リディアめ、また力を付けたか!」
 --シッタイヲエンジタナ、ワイズマン。コレカラドウスル?--
「それよりもキスパール。さっきの攻撃を……呑み込んだか?」
 --アア、モチロン。アノテイドヲノミコメナイワタシデハナイ--
「フ、決め技を出したのが仇に成ったな……最高神にして黒人魚の神リディアよ」

 『水の空間』に案内されたデュアンは其処で熱い御持て成しを受ける。一つにリディアが従える数万もの人魚がデュアンに次々と部屋に案内し、種々紹介し、そしてマッサージその他を御持て成し。
(そこには如何わしいサービスまであったが、俺は心に決めた奴が思い出の中にある為……軽く断った。正直、そうゆうサービスは好かんな。まあ俺以外の人型ならば或は引き受けていたかも知れないがな。
 まあどちらにせよ、リディアは銀河の中で太陽系の道を選ばずに『水の空間』を形成して人魚達の一繋ぎの楽園を提供したか。成程、破壊の宴から身を守る術としては理に適うかも知れないな)
 水の空間……それはリディアの母ワーリアの頃から全生命体の敵に依る最悪から逃れる為に身に付けた人魚一族の術。そこでは俗世と同じような生活環境が整い、尚且つ侵入者を排除する機能まで備わる。下手な隕石及び彗星衝突も防げる上にブラックホールの重力さえ呑み込む水の壁。あらゆる点で核シェルターの一兆倍は頼りに成る。決定的な弱点はリディアの力に依存する事。リディアが死ねば水の空間は死を迎え、住人達はそこで平和を満喫出来なくなる点だろう。
(俺が説明した通り、リディアの命でこれは形成される。だからこそここにキスパールが攻め込んで来られるとあっという間に瓦解する。特にあいつは決め技をキスパールに見せてしまった。あいつの能力からすれば二度目は通用しない。さて、何か策でもあるのか?
 それを確かめに俺はリディアの居る渦の間へと向かう)

 その頃、アルッパーは如何しているのか? それは破壊の宴が破壊した傷痕にて宴の残滓と対峙する。その存在こそまだアルッパーに勝機はある。だが、アルッパーは尚も恐怖で本来の力の半分も出せない。
「恐い怖い怖い恐い……俺は嫌だあああ!」
 宴の残滓が繰り出す攻撃は完全なる破壊ではない。だが、アルッパーにとってそれはトラウマを抉る物。過去に一体何があったのか?
「この野郎、残滓だとわかっているのにいい!」放射能熱線に依る攻撃で次々と倒してゆくアルッパー。「なのに死んでいった仲間の事が……欠けた部分のまま出て来るなんてええ!」
 アルッパーが口にするトラウマを少しわかり易くすると破壊の宴は破壊した相手を記憶ごと黒塗する。これの意味する所は即ち、西郷隆盛像の前で十歳の子供が写真を撮られたとしよう。もしも宴が十歳の子供を破壊したとする。すると写真の中に居る十歳の子供まで消滅する。しかもそこには子供の存在すらなかったかのように加工したように。それと同じようにアルッパーが記憶する破壊された仲間の思い出は何と何もない所に向かってアルッパーが会話するという傍から見たらホラーとしか言いようがない状態。トラウマに成らない方がおかしい。
「くそう、同胞の姿をしたまま眼だけ笑ってない顔をしやがって!」それがどの形態であろうとも見せる破壊の宴の表情。「お前が誰に討たれたかなんて関係ない……俺は絶対にお前を許せねえ!」
 アルッパーは今、己の心にある恐怖と格闘しながら残滓を打ち破ってゆく……

 さて、デュアンとリディアは会話をする。その中身は今後について。リディアもキスパールの噂は耳に入れた後。一度見た技は絶対に通じない事も周知済み。それでもリディアはデュアンとアルッパーが<アンデルセン大宇宙>の救世主に成ると信じて多少の持ち技を披露してでも救出したい思いであった。これを聞いてデュアンは呆れる。
「俺は救世主じゃない。其れに俺の思うがままに動くのだぞ。何を不利な事をしてくれたんだかあ……神が聞いて呆れるぞ」
「その言い方はないでしょう、デュアンさん。貴方がそう言っても私達にとっては救世主なのです。それに貴方ならキスパールだって倒せるのです。幾つか顕在する宴の残滓を消滅する事が出来る唯一の存在なのです」
 いや、あいつにほぼ全ての魔法を見せ尽くしたからな--と事実上倒せない事を告白するデュアン!
「事実上?」
「ああ、其れにあいつは只の忘れん坊でもない。一度見た技は必ず見切るからな」
「でもそれだったら今頃は頂点に居てもおかしくないのですよ」
「其れはな……あいつにも相性の悪い存在が居るという訳だよ。例えば--見切ったという事実がある上で同じ技を同じように受ける--というのを得意とする奴や--記憶から忘れやすい存在--とか……まあ俺が紹介したのは唯一『ブラックレイピア』と相性が良い奴や俺達の中で最も強い奴だけだ」
 『ブラックレイピア』を--如何やらリディアにとってはその名は何か意味する所があるみたいだ!
「如何した、リディア?」
「いえ、忘れて。今はキスパールを如何にかするのに集中しないとね」
「ああ、そうだな……ムム!」
「如何し……え?」
 デュアンとリディアは何かを察知--それは暇を持て余してやって来た!
『--リディア様。大変です。謎の三メートルの巨人が我らマーメイドに勝負しては喰らっていきます!』
「ええ、わかったわ。直ぐに--」
「待て、リディア。そいつは『デュエルシー』だ。どっち道お前では歯が立たない!」
 デュエルシー……それは各先進国が一つに統一され、命懸けの戦いや戦争がオンライン上でしか体験出来ない退屈且ゼロサムゲームが横行する世界に於いて全ての闘争を約束してゲームマスター達が造り上げた人造戦士。だが、全身レアブラックストーン製の強力なフレームと筋肉、それから脳や各種内臓は瞬時に決闘とは何なのかを結論付けて文字通り決闘に死を齎す海としてワールドネームソサエティと呼ばれる今の世界を闘争の世界に染め上げようとする集団を結成して闘争を広めていった全生命体の敵。その強さは正に決闘の海、闘争の海或は決闘の死、闘争の死を意味する程の容赦ない代物。
「良くわからないけど、確かにモニターで確認してみたら……あれは戦いが馬鹿らしくなる程の強さね。私でも止められる自信がないわ!」
「ああ、だからこそ俺が出る」デュアンはデュアンロールで覆って部屋の出口に向かう。「大丈夫さ。あいつを外に追い出す!」
「倒すんじゃないのですか、デュアンさん?」
 中に居た状態で倒すにはここは狭すぎる--それが本当の理由だった!
「はあ、強過ぎる者達は誰もがああゆう風に成るのでしょうね……わかりましたわ。お願いしますね!」
 デュアンはテレポートを使わずに普通に出てゆく。決して使えないのではない。エネルギーの無駄遣いが原因でもない。
(正直、面倒臭い)
 只それだけが本当の理由である--なのでデュアンの考えを読み取っただなんて思ったら痛い目を見るのが関の山だろう!

 一方のアルッパーは大変な相手と出くわした。その相手とは次の会話で察してくれるように。
「このおらを楽しませるのは君かね?」
「誰だ、てめえ。普通は何故か人型と出くわす事が多い中でてめえみたいな百足を見た事ねえ!」
「おらの名前は宇宙の鎖……その名も『ブラングリスパ』様ですぞ!」
 ブラングリスパ……それは宇宙環境に適応した百足。しかも人語も話せる上に円周率果ては株式売買など訳の分からない所で力を発揮する百足。その実力は極めて高い。それは害虫駆除で星一個分を破壊するレベル。当然、そんな物だから喘鳴隊の敵である事に変わりはない。しかもそれだけじゃない。奴は『防犯の家』をライバル視して部下の百足に家の討伐を命じる程に『防犯の家』が大嫌いな身である。格付では格上であっても実質ブラングリスパにとっては『防犯の家』とは目障りな存在なのかも知れないな。
「まあアルッパー退治はおらの使命の一つでもあるし、しかもこれであの憎き家を倒す口実にも繋がるのだよな」
「だったら大人しく家を狙え!」
「其れは出来ない相談じゃ。おらはアルッパーの知識こそ対『防犯の家』攻略に繋がるもん!」
 何だよ、その理屈は--百足の考える事は肉体と同じく右行ったり左行ったりと忙しいのである!
 防犯の家……其れは全宇宙のあらゆる何処かに主が居なくとも侵入者を排除する家があるかも知れない。其れは例え外人部隊上がりだろうと核ミサイルだろうと太陽の膨張で居ても経っても居られぬ状況であろうと主の留守を守る為に神外の力を発揮する家。正式名称はないが通り名としては十分。しかもそいつは誰かの思い出話で必ず紹介され、恐るべき力を思い出主に報せる。本来の使命を帯びながらも主の帰りを待つ家としての義務を課す。何とも健気な家なのだろうか。
 説明はさておき、全長百メートルにも成るアルッパーと全長衛星並のブラングリスパでは正に質量差は歴然!
「クソウ、ホワイトホエールが受けた部位の切り離しと質量保存を無視した再生で通らねえ!」
「おらがブラングリスパと呼ばれる所以だ。この力であの取るに足らんと思われた家に復讐するんだ!」
「そもそも呼ばれる所以がわからん。ブランとかグリスパとか適当に名付けられたんじゃねえか!」
 お前もおらと同じなのに何を言うんだ、馬鹿--口喧嘩では低レベルの争いだが、実際は互いに読み合いが見られる……『どの部位を狙えば良いのか』、『其れともここは切り離すべきなのか』との具合に!
 今やアルッパーとブラングリスパの戦いは百年や千年規模では解決出来ない領域に踏み込んでゆく!



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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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