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一兆年の夜 第八十五話 躯伝の空 躯伝、雄略大陸に着く(三)

 午前八時一分零秒。
 躯伝は更に要求する。それに応えた人族らしき者は姿を隠していた衣服を脱いで晒した--その姿に躯伝は心を鷲族の足に依って掴まれるかのように……我を忘れた!
「躯伝様、お気ヲ確カニ!」
「……あ、そうだった。忘れていた。君は僕と同じ年頃の子だね」
 さっそくよびかたが君ですか--齢十二に成ったばかりの雄略人族の少女は呆れる様子。
「躯伝様、彼女は私の計算デハ二つホド年下ノようにうつりますが」
「何口出しする、メラン。お前は静かにしろ」
 は、ハイ--と悲しそうな表情で下がるメランコリーナ。
「その子はなにものです?」
「僕の矛と成り盾に成ってくれるカンガルー族の女の子だよ」
 ほこ、たて……何--言葉の意味をまだ理解出来ない少女。
「そうか、まだその年頃だから上手くわからないか」
 いえ、最初ハ自己紹介をどうですか--メランコリーナは提案する。
 それを受けて躯伝は己も含めて七名の自己紹介を済ませる。すると少女は自ら名乗り始める。
「私はソーラ……じゅうろくだいめ」
「ソーラ……つまり君の名前はソーラ六代なのか?」
「はい、ふつうはソーラとよんでいい」
 彼女の名前はソーラ六代……雄略人族で先代ソーラの名を引き継ぐ形で名乗る。
(不思議だよな、苗字のない生命って。僕にはどうして苗字使わないのか全然わからない)
 後に躯伝は苗字を使わない本当の理由を知る事と成るが、それはいま語るべき事ではない。何故なら少女ソーラに剥き出しの影が忍び寄る--それが迫るのを報せるように普段発動しない躯伝の両眼が青く輝き出す!
「危ない、ソーラアアアア!」躯伝はソーラをメランの元に突き飛ばすと襲い掛かる山羊型に圧し掛かられる。「グ、これは山羊型……力が!」
「躯伝様--」「メランは離れっていろ、ここはわしらがやっる!」とゴリン兄弟が躯伝を救う為に駆け付ける!
 予想以上に怪力を有する山羊型に何度蹴られて骨の軋む音が耳に届こうともゴリン兄弟は挟み撃ちをし、弟ゴリンラマンが両後ろ足を折り、序に尻尾を引き千切った。一方の兄は後ろ右足で頭部を蹴り付ける或は抑え付けながら首の骨を前両足不利降ろしを五度以上も繰り出して見事に倒して見せた!
「ゲホゴホ……すごい!」
「うぐぐ、両前足っが!」
「兄者の両前足は遂に……く、俺も無事じゃっないな!」
 倒した代価を支払われるゴリン兄弟--ラマノは前両足に骨折の疑いがあり、ラマンに至っては尻尾の骨が砕けて平衡感覚の心配が催される。
(僕とソーラは元々尻尾が生えにくい人族だから良いけど、他の種族はそうじゃないんだよな。親父から聞いた事あるけど、尻尾のある種族にとっては体を支える為の重要きかんだってさ。だからラマンが心配だよ)
「大丈夫だ、ラマン。わしが支っえてやるから飛っび込んで来い!」
 結構だよ、君に良っくないから--年を摂り過ぎると子供のように振る舞えないのが大人の辛い所。
(とはいえ、山羊型一体でゴリン兄弟が苦戦したんだからこの先も集落に着くまで大丈夫かな?)
 躯伝は又、震え出す。それに気付いてメランは何時ものように躯伝の右手を包む。それを見たソーラは不思議そうに尋ねる。
「え、何て?」
「ねえ、メランコリーナは何やってる?」
「躯伝様ヲ安心させてますの」
「こわいの?」
「こ、恐くなんかない」年頃の躯伝はソーラの前で意地を張る。「コラ、包まなくとも僕は、だ、だ丈夫、だ、だもん!」
「声モ震えてます」
 うるさいな、メラン--と面目を折られたと感じて怒り出す躯伝!
「ふしぎね、くでん」
「あ、ああ、へえへっへ」
 様ヲ付ケナサイ、ソーラ六代--突然怒り出すメランコリーナ。
(これは一の時も繰り広げられたよ。如何してメランが意味もなく怒るのかわからなかったな。それからソーラもメランを怒らせるように意地の良くない態度をするし。全くめすの子の考える事がわからないな。まあ、不思議な事にこの間に僕の震えは収まっていたし何よりも……銀河連合が襲わなかった事だよね。
 その結果、集落が見えた。ソーラが済むと言われる集落に。それは断崖に建てられており、正直言って少し均衡を崩すと落ちてしまいかねない地形だよ。全く誰も立ち寄りそうにない集落って何であんな風に建てるのかな? 最初の者達はどうかしてるよ!)
 結論としてはそれは最初からそうゆう構造であり、今も神が残る集落だと呼ばれよう。今では神と呼ばれる建物が少ない。雄略大陸内にある建物や生命や銀河連合がまだ立ち寄った事もない地域こそ神が今も活動する。其れにはソーラを含めたここに居る八名は気付かない。いや気付けないのである……
 さて、そんな神の眠る有徳地方の銀錯銘大刀ぎんさくめいたち集落に登り入る八名。


(忘れていたが、雄略大陸にも来た雄略と南雄略に分かれていた事を教えるのをすっかり忘れていた。思い出すと祖先の中に雄略人族と婚約した生命が居た事を思い出した。彼女は北雄略出身で底では苗字が使われたんだな。しかも有名な雄略膨張なんかも北からの出品物だった事も思い出した。
 ンで殆どの生命が立ち入らないのが南雄略じゃった。全くわしは利き手に誤った事をしてしまい、申し訳ないと後で猛省しないといけないなああ!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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