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一兆年の夜 第八十五話 躯伝の空 躯伝、雄略大陸に着く(序)

 ICイマジナリーセンチュリー二百三十年十月七十六日午前五時一分十一秒。

 齢四十六にして九日目に成るエピクロ鬼族の老婆がテオディダクトス大陸にある『七の地』呼ばれし中心点。名称の由来は兎も角、彼女は如何してここへやって来たのか? それはその仮設民家で暮らす齢七十二にして十の月と十七日目に成る神武人族の白髭の濃い老年に尋ねる為だった。
「ここ似居られた乃です袮、躯伝くでん様!」
「君は何奴じゃ? 今では孫の代ひょっとすると曾孫の代まで任せるわしに何用じゃ?」
「何用も何も、ずっと探して居りました!」それから老婆は自己紹介を始める。「私乃名前端ガンジャー・ギガンテス。エピクロ鬼族似して旧鬼ヶ島鬼族乃ガレイジャ・ギガンテス乃娘出あり、旧六影鬼族乃カゲヤマノイタリエイ乃娘出在ります」
「そこまで自己紹介されては仕方ないのう。わしが神武人族にして新天神武最後の最高官を務めた天同躯伝という者だ」
「躯伝様、私牙貴方様於探した乃端命乃恩者出在るギガントル・ダジャール似感謝する為出模在り」老婆ガンジャーは目的を告げる。「後世似残す為似如何科私乃取材似応じて下さい!」
 取材か……そろそろ命が惜しくなる頃合だし、良いだろう--と応じる躯伝。
(ギガントルか……あやつが居なければ今のわしはない。あやつの物語も又、わしに繋げる為にあった。そろそろわしの物語を再構築する時じゃな。
 あれはそうだな。わしが……僕の頃。当時齢十三にして五の月と九日目に成る頃だったな。お袋を始めとした新古式神武で命尽き果てた者達の国葬と埋葬が一段落着いた頃だった)

 ICイマジナリーセンチュリー二百十五年十月十五日日午前九時三十二分四十秒。

 場所は新天神武首都ボルティーニ府中央地区。その中で真ん中より四番目に小さな二階建て建物。
 その一階五号室にて四名の生命が共に暮らす。但し、仮住まいである為に時期が来れば立ち去る予定。其処で暮らすのは齢四十三にして八の月と十三日目に成る神武人族の老年天同優央やさお。既に従者を一名連れて行かないと外へ出歩く事さえまま成らない。優央の従者は齢三十四にして十の月と一日目に成るテネス鬼族の中年ギロウドロウト・ダジャール。彼は常に優央に必要な処置を施し、その巨体で彼を支える。
 その様子を見るのは躯伝と彼の付き者である齢十二にして四の月と三十日目に成るルギアスカンガルー族のメランコリーナ・レヴィルビー。二名は優央の前にこう宣言する。
「何……それも個者の人生だ。僕に如何する事も出来はしない」
「何斗いう事於……雄略大陸於目指す斗いう乃科!」
「メランの親父であるマンメリーはサーバ十六世によってよみがえり、それから親父を助けた。けれども--」
「お父サンハズット心残リニ思った。サーバさんのい品を何時マデモ雄略大陸ニ返還しない事を」
「止めはしないが、ギロウドロウトはそうもいかないね」
 優央は既に自分は子供を止める資格がないとして躯伝の選択に反対を示さない。だが、ギロウドロウトは反対の姿勢を見せる。それは次の理由から来る物だった。
「雄略大陸端出る乃端簡単妥牙、入る乃端容易じゃない。という乃模雄略大陸端南側ニ一つしか船於接地する所牙ない。更似端設置して上陸出来た斗して模待っている乃端其処似住まう逸れ銀河連合斗呼ばれる本来乃銀河連合斗袂於分かつ集団牙待ち構えている。そいつら端通常乃銀河連合出模百獣型級妥斗生前乃サーバ十六世也サルタビト十八代牙証言した程。噂話乃域出しかない乃出確実斗端言い難い……だが、雄略大陸科羅離れた者達牙口似する事だ。十分信憑性端ある!」
「何か恐いな」その話を知り、体が震え出す躯伝。「お袋達を死なせた連中の更に恐ろしいのがそこに居るのかよ……恐くないなんて真実じゃない!」
「止めるのか、躯伝? 其れもまたお前の自由だぞ」
 躯伝様……大丈夫--と震える左手を分厚い両前足で温かく包むメランコリーナ。
(僕が恐がっても何の進歩もない。このころの親父はもっと怖がっていただろう……ここにはメランも居る。今、僕は恐がってる場合じゃない!)
 躯伝はメランコリーナの支えもあってまだ肉体震えても心は前に進む。そして、躯伝は右握りこぶしを優央の胸元に触れる。
「強気だね。それなら、一安心だ!」
「何処牙です科。やっぱりお止め似成った方牙良いです、躯伝様!」
 雄は一度決めた事を覆さん--と声高に答える躯伝!
「……御武運於お祈りします!」
 こうして躯伝とメランコリーナの物語は幕を開ける……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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