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一兆年の夜 第八十四話 大久保は何故殺されなければ成らなかった(八)

 十月六十七日午後八時十八分四十三秒。
 場所はルケラオス山拠点型内部。その中で骨の展示場と思われるような悍ましい空間にてギガントルと躯伝は孤軍奮闘の如く戦い続ける。
(これ出予備三本目科。余り似折れ曲がり過ぎる斗逆似金棒斗して使い物似成らない。という科百獣型十二体模倒せた余那!)
 実は己がこんなに強い事に驚くギガントル。だが、十三体目はそうはいかない。これまでに二本ともその十三体目の巧みな力と技で折り曲げられた。つまり最強の百獣型である。
(だが、こいつ端強過ぎる。カゲヤマノ一族なら芭或端余裕だろうが、俺みたい那半端那鬼族出端噛み付き尸科道端ない乃科? 出模皮膚端頑丈そうだ。噛み付きって確か動脈於狙ってやらない斗却って歯於痛める斗聞く。鰐族弥河馬族乃よう那咬筋力似優れた種族なら芭何処辺噛もう斗模問題乃ない牙、俺達端そう端いかない。如何すれ芭--)
「何を迷っている。選択した事が良くない結果だと恐れるな!」躯伝は既に二十七体目の百獣型を両断しながらもギガントルに的確な助言をする。「どんな選択だろうと後悔しない……それが人生を愛する事だあああ!」
「どんな選択出模後悔端しない……科」目前の百獣型が襲い掛かる中でギガントルは次のように絶叫する。「なら芭俺端……貫くうううううう!」
 宣言通り金棒を突き出すギガントル。だが、それは百獣型の巧みな流しと鍛え上げられた四股に依る足刀で先端を正くの字及び逆くの字に折れ曲がる。其れでも突き出す力を止めずにそのまま懐に入り、百獣型の首に向けてしっかりと噛み付いた!
(千切れろ千切れろ千切れろ千切れろおおおおおう!
 歯牙如何成って模良い。俺端俺乃道於後悔しない!
 俺端……ここ出生き残って俺乃道於進む為似イイイイイイここ出百獣型於倒す曾おおおおおう!)
 心の中で思った通りに百獣型の頸動脈を引き千切り、噴き出した血を全身に浴びながらも見下ろすギガントル。最強の百獣型を執念を以って倒した事に全身から力が抜け出すかのようにただ見下ろす。
(何か考え牙思い付かない。そう科、これ牙やり遂げた時乃……何か気持ち牙晴れやかだ。余計那重荷牙外れる際っ照こうゆう物なの科? なあ、俺端何者出何於している乃だろう?)
 それからギガントルは躯伝が声を掛けるまで拠点型の奥に進もうとする。放出した執念の量が大きいと何をしていたのかさえも忘却するかのように!
「ハ……俺端何於?」
「今のが明鏡止水と呼ばれる心の有様だ。だが、お前の場合は百獣型を倒す事ばかりに注力し過ぎて我を忘れる程まで心が澄み渡り過ぎたな。良いか……どんな事があっても我を忘れるなよ、ギガントル」
「そ、そうでした袮。有難う御座います……ところ出お怪我端?」
「ないな。俺はここで死ぬ生命ではない」
「躯伝様模者似言える口出端ありません袮」
 言うなよ、気にするんだから--赤く成った表情を上手く逸らす躯伝。
「無事だったんですねぜおう!」とそこへパオ乃が五名の軍者と共に駆け付ける。「良かったですぜおう」
「パオ乃科。お前模無事科?」
「無事じゃないなら身体を調べて下さいぜおう」
 九名共、液状型に侵入した形跡は見つからず。つまり無事である証拠。
「それなら良い。ではそろそろ皆の者、仕上げに掛かろう!」
「はイイス、既に突入部隊が半数の死者を出しながらも心臓型の居る空間に入った模様でエエス。情報に依ると既に望遠砲を撃ち込み終わった後でエエス!」
「じゃあ早速--」
「危ないぞう!」突然、指揮官型がギガントルに襲い掛かり……「ぶばあああぜおう!」庇ったパオ乃は長い鼻を短く両断された。「フシュウウフシュウウ!」
「パオ乃おお!」
「象族の長い鼻を切断するなんて……あの指揮官型だなアアス!」
「待て、そいつは俺がやる!」躯伝は瞳を青く輝かせる。「象の長い鼻は重量の大きいあいつらにとって大切な腕であり、足であるのだぞ……それを切断した罪は重いぞ!」
 それから風よりも速い指揮官型と瞳を青く輝かせた躯伝の高速戦闘が始まる。それを見てギガントルは驚きを隠せない!
(あの指揮官型相手似速度出対応出来る妥斗!
 やはり躯伝様こそ牙……いや、天同乃生命こそ牙国乃統治者似相応しい。何者模届かず、何者模畏敬乃念於持つ存在こそ牙この国於、俺達全生命体於率いる乃似相応しい!
 やはり新天神武端躯伝様牙統治してこそ本当乃意味出古来余吏続く国家神武似回帰される!)
 ギガントルに最早迷いの念はない。どう足掻いても敵わない存在がそこで指揮官型を圧倒し、そして空中戦の末に四分割にする姿を拝める。四分割された指揮官型と同時に綺麗に着地する躯伝。高度成人体型五から降り立つ彼の肉体への重荷はあの瞳の輝きの影響からか、見た限りは問題に成らない。それを裏付ける為にギガントルは尋ねたりも全身を撫でたりもして確認。その結果は何処にも罅らしき物も筋肉の重荷も内蔵への影響も見られない事が確認された。
「凄いです袮。これ模天同家乃血牙為せる業那乃です科?」
「それは生まれ付きだ。実際は真古式神武が喰われた後はメランコリーナと共に雄略大陸を旅して様々な実戦経験を積んで来たからな。正直俺の地だけじゃあ叶わない存在を幾つも見て来たからな……要するに何事も積み重ねが大事だ!」
「やはり俺乃考え似相違端無かった……計画辺乃実行似最早迷い牙なくなりました!」
「そうか、じゃあ俺から卒業だな!」
 は--と言いつつもギガントル達は崩壊を始めた拠点型から急いで脱出してゆく。
 そんな中でパオ乃を気遣いつつも彼に尋ねる。
「ところ出シーズ端見つかった科?」
「ああぜおう、やっと故郷に帰す事が叶うぞう」
「クウウ、世乃中端如何してこう模都合良くない乃だあああ!」
 既にパオ乃は悲しみを越えて嬉し泣きをする。一方でギガントルは幼少の頃から面倒を見て来た後輩の一名が先に逝った事を知り、走りながら号泣する!

 午後十一時十一分三十二秒。
 場所はルケラオス山南側登山口。
 ルケラオス山は徐々に崩壊し、拠点型の成長と共に高く成った標高は成人体型百を切った。山形に様変わりし、ようやくエピクロス島を喰らう準備を夢見た拠点型を始めとした銀河連合の目論見はICイマジナリーセンチュリーにして僅か五年で潰えた。二つしか存在しない地方議会と総勢僅か二十五名と侮って立てた戦略に穴があった為。議員だけが活動していたのではない。両親を喰われた怒りから活動を始めたシーズの執念がパオ乃に届き、やがて二つの議会とそれと共に歩む住民、軍者関係者に火を点けて拠点型打倒へと結んだ為。銀河連合は侮った。選ばれた者達だけで自分達を滅ぼす物だと……否、銀河連合は知らない。最後に何の力もない筈の存在が皆で手と足と翼……を取り合って真の平和を勝ち取る為に銀河連合の全てを倒す物である事を!
(そして、その日端俺達乃知らない遥か明日似叶う……一体どれくらい先那乃だろう?)
 ギガントルは信じる。最初の十の年は何の成果も得られない。だが、次の十の年からは自分の力も成果を発揮する。それから最後の十の年には自分はもう拘わらずに自分が今まで活動した二十の年までに育った種が次世代に向けて次々と芽吹く時が訪れる……と!
 運命の日まで後一の日……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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