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一兆年の夜 第八十四話 大久保は何故殺されなければ成らなかった(四)

 十月六十三日午後十時二十三分三十二秒。
 場所はルケラオス山標高成人体型三百二十。それは真古式神武が終焉を迎えると共に突然隆起した山。幸い、これに依る通行の妨げは意外と発生しなかった。けれどもこの山を機に銀河連合による襲撃が増加したと住民の誰もがそう噂する程に。
 事実、これまでもルケラオス山の調査は二十の年も欠かさず行われて来た。だが、調査結果は噂の裏付けを証明する物の発見が為されない。故にルケラオス県およびエピクロ県の議会はこれを只の噂と断言して来た。
 そんな山に赴くは躯伝とギガントル。待ち合わせの為なのか……否、噂を信じて銀河連合に関する情報を得る為に予備の包丁三本と金棒二本持参して。
「鬼族は良いよな」
「金棒斗いう乃端余り期待出来ません曾、躯伝様」
「でも切れ味ではなく、打撃力のみで奮うのだから多少折れ曲がったとしても何ら支障はないだろう?」
 確か似それ端そうです牙、けれ弩模--とやはり金棒に何か満足しない物を感じるギガントル。
 さて、彼らは山に登って三の時掛ける。その間に戦闘らしい戦闘に出くわさない。それもその筈、この山では銀河連合に依る襲撃を受けたという報告がない。登山者が少ないせいなのか……否、登山者は寧ろ増加の傾向にある。しかもここ三の月もの間の登山者の割合を紹介しよう。
 どの種族が多いのか、それから平均登山時間の云々はここでは一切紹介しない。紹介するのは登山者の数と山で襲撃にあった数だ。先ず三の月より前なら最大登山者は凡そ二千二百十八名、襲撃を受けた件数は五つ。次に二の月より前は最大登山者数は前月比より一割一分高い凡そ二千四百四十一名、襲撃を受けた件数は四つ。最後に一月より前は最大登山者数は前月比より八分低い二千二百四十五名、襲撃を受けた件数は零という結果に。
(はあ、数値牙示すよう似銀河連合端何故科この山似潜伏する可能性牙低い。故似両議会端この山牙原因出銀河連合乃襲撃牙増えた斗いう話於只乃根拠ない噂斗して断言する訳だ。噂だけ出端何乃意味模ない。但し、躯伝様端その噂於信じてこの山於くまなく調査する斗言っておられる。一応国会議員乃身なの妥牙……一度言い出したら止まらない乃牙躯伝様乃いけない所だ那)
「はああ、この山は面積が広い割には最大標高が全体的に低過ぎる。如何やったって五百もいかない。なのにあちこち回るのに大分時間掛かるな」
「確か似不思議那話です袮。山端火山活動等乃影響出自然発生する物です牙、其れ出模出来立て乃山斗いう乃端簡素那構造牙普通です袮」
 だからこそ俺はこの何処かに銀河連合の住処がある筈だと睨むがな--と躯伝は諦める様子はない。
(この調子だと深夜於回りそうです袮。熱心那乃端良いですけ弩、そのせい出家族於顧みない父親斗見られる乃でしょう袮)
 とギガントルは躯伝の仕事熱心さには周りが見えなくなるほどに盲目だとも捉える。それについては既に誰かの指摘を受けており、躯伝も自身の盲目的な部分を素直に認める。其れでも直さないのは何故なのか? それは次の会話で示される。
「俺は思うんだ、ギガントル」
「何でしょう、躯伝様?」
「もしも言われるがままに尖った部分を丸めていったら……それは魅力あるのだろうか?」
「個性端無くなります袮」
「だろ。だからこそ俺は矯正する事を恐れる。俺自身の悩みとしては矯正すれば正伝を勘当する事もなかったとすればその代わりとしてこんなに必死な俺もなかった。つまり性格とは因果だよ。お前がえっとお前の恩師の名前は何と呼ぶ?」
「ダドロギノカモミチです」
「そうだ。そのカモミチは聞いた話を参考に俺なりに分析するとかなり気負い過ぎる性格の持ち主だ。だが、そう成ったのも若くして様々な死を目の当たりにし、更にはこの環境に適応出来ない己と向き合った結果として残りの人生を掛けてギガントルを始めとした三十八名の早期育成を図った訳だ。結果、彼の生き様を学び、彼の死に様を目の当たりにしたお前は今の性格を形成する訳だ……な、因果だろ?」
「確か似言えます袮。躯伝様乃仰る事於そのまま信じる事牙出来た羅性格斗端因果斗いう図式端成り立ちます袮」
「ン、じゃあどんな反論か言ってみろ」
「俺斗して端性格斗いう乃端本質です袮。どんな境遇出あろう斗模境遇出性格於決定する乃端境遇於受け入れない者乃言い訳です。境遇端所詮境遇。例え幸せ過ぎる境遇だろう斗幸せ科羅程遠過ぎる境遇だろう斗強い心於持たない者端どんな境遇出あろう斗言い訳がましく成るだけです袮。本当似強い者端境遇なんてモノ似左右され端しない乃です」
 その通りだ……それを才能と断じる奴だって居るのも事実だ--とギガントルの主張を認める躯伝。
「とはいえ、もしも正確と才能がほぼ遜色ないのだとしたらな……ギガントル」躯伝は更に続ける。「どんなに良くない性格だろうと努力……つまり教育次第で良くする事だって出来る事も忘れるなよ!」
「はい。俺端カモミチ先生似依ってたくさん乃事於学びました。今度端躯伝様科羅学ばされる番です袮!」
 だから俺から学ぶべき事はもうないって--と通算十八度も同じ事を返す躯伝だった。
 とその時、銀色の光が彼らの死角から視線に映る--銀河連合の悍ましい光だ!
「待て、ギガントル。下手に奴を始末するのは止めろよ」
「周辺似生命牙居た羅奴似喰われてしまいます余!」
「それは緊急時だ。今は尾行して奴らの拠点を見つけ出す事が先だ!」
 わかりました--とギガントルは躯伝を庇うように戦闘を進む。
 その銀河連合は暗闇故に上手く姿を認識出来ない二名。だが、銀色の光だけは追う事が可能。だが、それだけ追うと今度は足元を踏み外す危険もある。故に二名は互いの足を見ながら踏み外さないように銀の光を追う。その際に地形から総合してそれぞれの意見を出し合う。
「ありゃあ猿型の可能性が高い」
「いいえ、通った形跡科羅して猿型似して端大き過ぎます。木登り科羅熊型出端ないでしょう科?」
 熊か……うーん--と二、三言呟く形で議論を済ませる躯伝とギガントル。
 だが、その銀河連合は途中で物部刃を十八本も体に浴びてその場で倒れた。放ったのは警戒に当たる軍者四名。躯伝とギガントルは立場上から彼らに姿を晒す訳にもゆかず、急いで山を下りてゆく……
(尾行牙そう簡単似成功する斗端限らない……科)
 因みに尾行した銀河連合の種類は明くる朝にカメレオン型であると判明。それも珍しい巨体であった。
 さて、運命の日まで後五の日より後……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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