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一兆年の夜 第八十四話 大久保は何故殺されなければ成らなかった(三)

 十月六十二日午前八時二十八分十二秒。
 場所はエピクロ海。
 ギガントルと躯伝は人生で初めて蒸気船に乗る。成人体型は縦百、横四十、高さ三十五にも成る。動力は菅原炭で従来の船よりも速度は速い。だが、稼働年数は僅か一の年。蒸気に耐え得る材質ではない。竜骨自体は如何しようもないが、やはり動力源だろう。使用する度に発せられる高熱に徐々に溶解し、やがては朽ち果てる。最新は古代よりも脆い。
 さて、同乗するのは先程紹介した二名だけじゃない。引き続き、メランコリーナと烈正も乗り込む。特に大人の事情に疎く、純真な烈正は蒸気船の隅から隅まで興奮し、走り回る。其れに足を焼かれるメランコリーナ。その様子を見てギガントルと躯伝は次のような会話が漏れる。
「良い物です袮、子供斗いう乃端」
「そうゆう物かあ。俺としてはその度に……寿命が縮んでゆく」
「やはり親斗して心配なのです袮」
「まあな、何せあいつだけじゃない。俺とソーラとの間に産まれたのは全部で八名。勘当した第一子正伝に第二子で理屈が多い烈希、そして体力が有り余るあの烈正、それから第四子で引っ込み思案の天豪てんごう、第五子で泣き虫の天明てんめい、第六子の豪伝ごうでん、第七子の豪天ごうてん、そして第八子で生後一の月に成る烈天れつあさ。どいつもこいつも少し成長すると直ぐ親を困らせるからな。しかも困らせるのはその邪なき所だけじゃない。一名々々が全く異なるから大変だよ。今ではソーラ一名だけじゃあ全ての面倒を見るには年を摂り過ぎるので何名もの世話係であいつらを育てるのさ。全くお前も世話係に成るか?」
「結構です。子供乃面倒於見るより模今端貴方様科羅たくさん乃事於学んで二乃年より後似立候補して立派那代議士似成る乃牙俺乃夢那乃です。理想斗する国作り乃為似模俺端もっと躯伝様科羅教わらなく照端いけない乃です!」
「いや、もう俺から教える事はない。お前は十分過ぎる程……良い統治者に成れるぜ」
「いえ、俺牙目指す乃端そんな物出端ありません。是非共躯伝様端新天神武乃永遠なる頂点似立って貰わない斗いけません」
「俺に……親父と同じ道を辿れ、と?」それには躯伝もギガントルの方に顔を向けずに海を眺め出す。「止めろよ、終わった話を蒸し返すのは!」
「そうです科。まだ己牙最高乃統治者出ある斗いう自覚牙ない乃です袮」
「真古式神武はもうない。親父の代で偉大なる天同は幕を下ろした」
「いいえ、貴方様牙居れ芭まだまだ天同端続きます」
「フウウウ……その話の続きはパオ乃との話の中で唐突にお願いする」
「わかりました。俺牙理想斗する世乃中似ついて端後程」
 ギガントルの理想とは偉大なる国家神武の再編にあった。彼の目指す国家像は正に天同を頂点として理想とする政治をする事にあった。如何してカモミチを尊敬するギガントルがそんな道を目指すのか? それはギガントルの心の中に答えがある。
(代々乃天同家似端銀河連合似依る都合乃能力於打ち破る秘めた力於持つ。それだけじゃない。代々乃天同家乃生命端全生命於高める何科於秘める。それ牙何か於解明すれ芭する程どつぼ似嵌る乃端確実だ牙、それだけ似神々斗同じく尊い乃だ。俺端この方斗この方乃血族牙統治してこそ新天神武端真乃意味出前似進める斗確信出来る。政治形態上出模民主主義乃機能於高める補完材乃役割於あの方端有しておられる。あの方端父優央様乃事模あってそれ於まだお認め似成らない乃端事実。その事実出あろう斗模……いや、その事実牙あれ芭こそあの方端統治者似相応しい乃です!
 俺乃理想斗する国家乃実現似必要なの端確か似優秀那要員牙巧みな判断於して国民於輝かしい道辺進みやすくする乃模大事だ。だが、それ端あくまで目標斗心乃支え牙あって乃事。誰模牙心乃支え牙ない斗真っ直ぐ進めない。その支えこそ牙躯伝様出あって天同家那乃です。俺端立候補して当選した羅先ず端躯伝様於象徴斗した新天神武似制度於変えていかない斗いけない。最早民主主義だけ出端新天神武端進まない。補完材斗して乃躯伝様牙いてこそ……だ!)
 だが、これもギガントルの全てを紹介しない。ギガントルが目指す道は更に段階がある。
(最初端俺乃当選だ。まあ最初乃内端実績於得る乃模難しいし、有権者似納得乃いく活動内容於示す乃模難しい。まあこれ端まだ十乃年までだ。俺牙三十五歳似成って科羅死ぬまで乃四十五歳まで出俺乃活動端実り於結ぶ。ここ出俺端新天神武於天同家於頂点似した国辺斗変えてゆく。多分、反対意見模多い科斗思う乃端致し方ない。誰だって従来乃制度牙様変わりする乃端納得牙いかない物さ。だからこそ俺端この十乃年出俺乃理想於忠実似遂行してくれる弟子達於集め、育て上げる。それ科羅俺牙死んで十乃年模乃間似弟子達牙各々乃目的牙異なれ、俺乃理想斗する国家乃有様於作ってくれるさ。これ牙三段階。これ於目指して俺端二乃年模乃間まで似躯伝様乃元出たくさん乃事於学ぶ。俺乃……いや、カモミチ先生乃よう似無残那最期於遂げる生命牙現れない為似、那!)
 そう誓い、彼は進む。船はやがてギガントルの後輩にしてカモミチの教え子の一名である端山パオのが暮らすルケラオスに急ぐように……朝の陽射しを十分に浴びて!
「よっしゃあ、そろそろ勉強の時間と行こうかああ!」
「あ、お父さんがはしゃいでる!」
「全く躯伝様モ子供ですね」
「そりゃあそうだ。たかが三十台に成って大人のままで居られるかよ!」
「いや、三十台だからこそ大人出居ない斗良くないでしょう」
 運命の日まで後六の日……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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