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一兆年の夜 第八十三話 松陰は何故、功罪を遺したか(三)

 十月六十七日午前九時二分十八秒。
 場所は迷宮の洞窟前。
 カモミチは今日に入ってから翼を使わずに徒歩で教壇に立つ。火曜日にして今日の天気が曇り時々雨という事もあって塾生の誰もがカモミチの身体を心配する。理由は前に語られた通り。詳細は後程説明される。
「心配は要らないね。先生は君達が元気で居る限りは勝手に想念の海には行かないね。だから昨の日に続いて今の日も始めるぞね」
「始めるーと言っても何を教えるーのですーか?」
「そう言え芭ICイマジナリーセンチュリー似つい照まだ知らない事牙たくさんある。あれ似つい照俺端もっと学びたい」
「僕は星はどうして引力を放ーつのかを知りーたい!」
「おらは子供がうまれるかていを知りたい?」
「じゃあおれは一名しょうの意味を知られとう!」
「じゃあじゃあおれはおれは--」
 一遍にあちこちは応えられないね--流石に今日は仮眠記した予定の事柄を教えるつもりが予想以上に要望が多く、更には範囲外のものまであってカモミチは困り始める。
 カモミチは一旦、十の時まで要望書を提出するようお願いする。そうして集めた要望書を今日の全ての授業過程が済み次第に余った時間を何とか作って要望を纏めてゆく。漏れた要望があればそこで伝えて後日組む事を約束する。しかも一の週もの間までに。そうしてカモミチは教え子たちの為にやる……残り寿命が少ないという状況下で!
「ええね、そろそろ日の曜日の授業を始めるね。今回は国の歴史について振り返っていきましょうね」
 歴史でしょうか--齢八にして十日目に成る菅原燕族の菅原マイは目を光らせる。
「といっても国と呼ばれる存在は歴史が短いね。最初の旧国家神武が誕生したのは七百の年以上前ね。僅か八の年もの間ね、歴代最高峰とされる仙者生子が興しね、執政は同年齢の弟である読四よみしを始めとした者達が執り行うね。しかもこの国では今では当たり前の文者と軍者それぞれ独自で動くよう適っている訳ね。元々ね、旧国家神武は生子、読四、そして現在の天同家の父祖を辿れば必ず行き着くぜろの三兄弟が興したと言っても過言ではないね。但しね、零様を亡くして更には最初の一大軍団の落下に依って国土が小さい旧国家神武は地上から消えてしまったね。でもね、種は残して現在の新天神武に至るまでの道程を遺した訳ね」
「それは壱生いちせい様でーすね。零様とその方に嫁いーだリモート様の遺しーたあの方でーすね」
「それから百の年足らずで壱生様の孫に当たる仙者の参花さんか様が国家神武を最高為さった訳ね。参花様から七様までの国家神武を生子様が興した国家神武と区別して新国家神武と呼ばれる訳ね。新国家神武以降は水の惑星の軍備増強の時代でもあるね。旧国家神武みたいに喰われないように歴代の最高官達は……天同家の主は様々な施策を試みて来たね。そしてね、この新国家神武に於いて分岐点と成ったのはやはり星央ほしおね、八弥やつみね、そしてななの時代からね」
「堅実那指導者出ある星央様似軟派出天才的那閃き於する八弥様似、そしてどちら乃才能模持たない牙特殊那面出最終的似端全生命体乃希望斗成った七様です袮」
「三兄弟の時代は新国家神武を終末へと導いたのは確かね。それと同時に三つに分岐して国の種類を増やした一例でもあるね。堅実にして古風な考えが中心の星央様ね、柔軟で且高い技術と戦闘力を持つ当時は今時の若者の感性よりな八弥様ね、そしてどちらの考えも尊重した上でどちらも考案しなかった明後日の事柄を発明した七様ね。そうして星央様の三名の子供達を中心に最高官は必ず天同家にして仙者という伝統的な考えを中心に国を治める真正神武とね、八弥様の二名の子供を中心に最高官こそ天同家又は人族以外でも実力さえあれば成れるがね、象徴は必ず天同家の仙者が成るという二大指導者を中心とした古式神武ね、最後に七様を中心に選挙で選ばれた国民の代表者が任期満了まで最高官を務められる我が新天神武が誕生した訳ね。そうして国家神武の時代は終わりね、三国分領時代が始まる訳ね」
「でもその内の二国はくわれたんでしょオオ?」そう主張するのは齢九にして八の月と十一日目に成るゲネス猪族の子供である近藤イノッ士。「わけた意味なイイ」
「いやね、意味はあったね。余り良い表現ではないしね、こうゆうのは罪深い言い方だけど……真正神武が喰われた際に一方の古式神武と新天神武は喰われずに済んだね。それと同じように真古式神武が喰われたけどね、一方で新天神武は無事に済んだね。当時の生命はそうゆう事を主張するのは憚りね、余りやりたくないね。今だからこそね、今だねが、らね、こ、ぞぶううぽおおお!」
「「「「「「せ、せんせいいいいい!」」」」」」
 突然の吐血に三十八名はカモミチの所へ駆け寄る。ダッジャール家の雄であるギガントルはカモミチの吐いた血の量を見て……幾許もないと悟った。そんなギガントルに勘付かれたカモミチはギガントルを三十七名が効かない所まで案内するよう呼び掛ける。ギガントルもそれに応じて年長者として昼御飯休憩を告げた。まだ十一の時まで後一の時と二十一の分もあるというのに。
 それからカモミチとギガントルは面と向かって会話を始める。
「恐らく今日をね、除いてね、後二のね、日ね、しかないね」
「それじゃあ朝似何乃為似要望書於提出させた乃です科亜、先生!」
「可愛い教え子達にね、僕のね、容態をね、知らせてね、要らない足を加えたらね、いけないとね、思ってね」
「既似俺牙気付いている蛇ありません科、先生!」
「まだ大人に成る前段階のギガントル君だから良いのね。だがね、他の生命はそうもいかんね。余り可愛い教え子達にね、心配させるのはね、ははね、全くね、僕とした事がね」
「だった羅教えて下さい。その持病端如何して発生した乃です?」
 教えようね--ギガントルにだけ話すカモミチの過去。
 それはギガントルにとって何もかもが新鮮だった。何よりも生命一名たりとも居ないと思われた新古式神武旧領に生命が生きていた事、そしてカモミチはその生き残りである事も。それだけじゃなく、カモミチは変容した新清麻呂の森を抜け出して大中臣地方へと脱出した唯一の生き残りである事も。
 そしてギガントルは気付いた--新古式神武旧領は穢れで満ちていた……環境に適応した結果、カモミチの肉体は新鮮な安息の地では蝕む物と化して今に成ってそれが発現したと!
「成程ね、面白い発想ね。でもそれを証明するにはね、まだ材料がね、足りないね」
 これだから大人乃世界端、大人乃世界端--考えが硬直しがちな大人の世界では証拠が全てであり、翔子がなくとも面白い考えだったら採用される子供の世界の常識は通じない……故にギガントルはまだ己が子供である事に歯痒い思いを抱く!
(ギガントルの考えを認めない訳ではないね。でもそれだと全生命が適応と呼ばれる肉体の神秘を信じられなく成るね。適応さえ信じられなく成ったらね、僕達はこれから何を持って信じる事が出来るね!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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