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一兆年の夜 第十二話 天同生子 激動篇(八)

 零の口から水一杯分の血が吐き出された!
「零!」
「こだ、国防官んんだ!」
「だ、旦那様あああ!」
 零の意識は朦朧とする。彼の右手の力は徐々に抜けようとしていた!
 しかし--
「ぜ、ろ? ぜろ? 零? ぜ、零おおおお!」
 リモートは苦しむ中で零を叫ぶ--その声を聞いた天同零は命の炎を再燃させる!
「じっとしてろやあああガアア!
 左手で掴んだモノがなんだっていググ!
 右手を使えばいいじゃねえかああガアアア!」
 零は血反吐吐きながらも右手の力を振り絞って壁をよじ登り、二階寝室に入りきった!
「零。も、もうやめて! このままじゃ--」
「ごのばばじゃどうずるって……そんなの知るか!」
 零は神武包丁を抜くとそのまま--
「まさか旦那様はそれを自ら!」
「や、やめろ、国防官殿! 自ら、死を与える、など!」
 皆の制止を振り切り、零は心の部分に突き刺した--血は周囲成人体型一以上飛び散り、中に潜むおぞましきモノは絶命した!
「これは死ではない! ガ、ハア!
 俺はおぞましきモノを倒した、んだぁぁ」
 零は包丁を抜くと、朦朧とした足取りでリモートに近付いた。
「やく、そく、ははたせ、たな、りも、お、と」
「ええ、果たせ、ましたわ、零。ぐううううも、もうううう!」
 リモートはついに生命を誕生させようとしていた。
「ゆ、うみの、ばば、あ。そ、ろそ、ろだ、ぞ、は、やく、しろ、よ」
「わ、わかりましたわ旦那様!
 奥様。例の呼吸をして下さいませ! 慎重に! 慎重に!」
「ひい、ひーい、ひい、ふう、ふーう、ふう……」
 零は仰向けに倒れ込んだ。
「零おお! 死、死ぬな! 今アンジェル会社をつ--」
「おせ、えよ。そ、そ、ぉ、れよ、り、み、えない、だ、ろ?」
「ああ、見せるようにする!」
 読四は零の言う通りに零をリモートが出産するところが見えるように彼を寝転がせた。そうしている内に鳴き声が部屋全体に響き渡る!
「お、ぎいいやあああああ!」
 新たな生命の誕生だった! それは二名の愛の結晶が産まれる最高の瞬間だ!
「お、奥様! そ、それに旦那様に皆様方! 新しい生命が産声を上げられましたわ!」
 ユーミは二名に聞こえるように大きな声で無事出産した事を告げた!
「ああ、ぼんや、いだが、わ、わ、か、るぅ、ぉ、こ、りゃ、お、ぉ、ぇ……」
 こうして天同零は愛する息子をこの目で見ながら二十三の生涯を終えた!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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