FC2ブログ

一兆年の夜 第八十二話 こうして大塩は英雄として祀り立てられた(一)

 ICイマジナリーセンチュリー二百十七年十月五十六日午前五時四十二分十八秒。

 場所は大陸藤原道長地方純友洞窟西側出入り口。その足前に建てられて八の年に成る仮設民家。
 既に雨漏りの為に何枚も張替えされ、冬を越すには厳しい隙間風の数々。実は真古式神武が喰われた後でも大陸藤原にずっと住み続ける一団が居た。彼らは今も真古式神武の旗を掲げて孤独な戦いを続ける。それは彼らだけではない。今も残る一団はこれも含めて十。かつては九十八もあったが、歳を重ねる毎に徐々に数を減らしてゆき……今では御覧の数字と成った。
 ここ純友洞窟と呼ばれるかつては後の菅原地方と繋がる洞窟は真古式神武を終焉へと導いた流れ星の一群に依って塞がれ、今では備蓄庫の一つとしてしか使えない。登ろうと試みる事もあったが、何故か発生する突風と不定期に起こる雪崩の相まって持ち前では技術上無茶の極みとして既に断念。既に誰もそれを行おうとする考えは浮かばない。
 さて、この一団は全部で十五名。内、一団を率いるのは齢二十九にして六の月と二日目に成る藤原獅子族の青年。彼はこう考える。
(純友洞窟で純友洞窟で採れる清潔な地下水もやがて底を尽きる尽きる。其処其処で採れる洞窟果物と洞窟野菜も底を尽きる尽きる。水は水は穢れが広まってやがては飲む度にい吐き気を催す催す。果物と野菜は果物と野菜は穢れの進行で育みが低下する一方一方。こちらこちらの数が少ないにいも拘らず、まともに育った物が殆ど少ないのがその証拠証拠。やはりやはりここを捨ててもっとましな土地にい進出するべきかか?)
 青年は悩む。実は代々から一つの土地を守り続ける事が真古式神武が喰われて以降、残った者達が守り続けた戒律。その戒律を破る事は即ち、出ていく事……ではなく、残った者達の上を更に加速させる事態に繋がる為。そう、目の前の上を何とかするのが残った者達の使命。例え真古式神武が全て喰われた土地に今も生き続ける者達がほぼ絶えたとしても最後まで希望を諦めない。希望を諦めない限りは何時か必ず新天神武が助けに来る……そう信じて幼い獅子族の子供は過酷な大地を生き続け、大きく育った。
「やあ朝早くから御苦労さんだねって言える同義じゃない事はわかっていたか」回りくどい訛りをしてやって来るのは齢三十一にして一日目に成る藤原鷲族の藤原ワシ兵衛。「それで今日は何とかやれるのか、あ、別に強が良くても明日が良くないと意味がないけどそれでも今日が一番ってのが今を生きる生命の--」
「良く良くないさ、ワシ兵衛ささ。計算計算してみたら今日で底を尽きる事がわかったわかった。しかもしかも一日一食で計算して、だだ!」
「それは真か、いや真だろうな。あのレオ田蔵でんぞうが言うならいや、言う前に間違いないと俺は思う限りさ」
「ワシ兵衛ワシ兵衛、イノ三十五郎さんにい至急伝えろ伝えろ。これこれから新天地を目指して進軍する、とと!」
「了解……ってえええええ、オイお前は自分で何を言ったのか理解出来るのか。いや仮に正常でもそれは即ち、ここを捨てて父母の代から守って来た戒めを破りますから……って言ってるんだぞ。わかってるならそれを、いやわかっててもそれを言う事は--」
「五月蠅い五月蠅いな、鷲訛りでごちゃごちゃとと!」
 五月蠅いのはそっちだアア--とそこへ齢四十にして一日目に成るゲネス猪族の老年近藤イノ三十五郎が欠伸を抑えながらやって来た。
「起きた起きたのか、ちょうど良いい。早速早速だが、爺さん爺さん。他の他の十二名を叩き起こしてここにい集めて来て欲しいい!」
「やはり腹をくくったかアア、坊主ウウ。良いだろウウ、早速叩き起こしに行くぞオオ」
 イノ三十五郎は内容を聞く事なく、それを見抜く。そして老年は十二名を僅か一の分も掛けずに全員叩き起こして見せた。集まった十二名は次に紹介してゆく。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
リアルタイムカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR