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試作品 究極の体罰と至高の教育

 如何も伝説の教師を調べて思ったdarkvernuです。
 今回の試作品は教師とは斯くあるべきなのかどうかを試しながら書いて行こうかと思いますね。

 俺はベテラン教師の尾崎文助(おざき ふみすけ)。三十九歳。独身。担当教科は社会。主に公民教育に力を注ぐ。好きな物はスカッとバラエティ。好きなタレントは島倉藤村。好きな名言は「世の中は金」。
 俺は月から金まである中学校で働き、社会の授業を熟す。それから一年三組の副担任として気楽に働き、餓鬼共に無理なく授業を受けさせる。それでも俺の授業には当然ながらも共闘が注文を付けて来る。
「あのねえ、尾崎先生。君の評判は悪いよ。授業中居眠りする子、お喋りする子、それと紙飛行機にスマホ弄り……枚挙に暇がない」
「ちゃんと注意してます」
「でも聞かないんだろう。それじゃあ意味ないね」
「でも聞かない子を無理して授業に参加させれば余計に反発を招きますよ」
「其処を何とかするのが教師でしょうが。大体、君は保護者からの評判が悪い。授業がわかりにくい、子供が好かない、それに態度が悪いって」
「態度が悪いのはお互い様じゃないですか?」
「あんまり口答えしないでくれるか、君。でないと来年からの君の処遇を検討しないといけなく成るよ」
「わかりました。以後気を付けます」
 これだよ。屁理屈が好きな子供、教育の失敗を先生に押し付ける責任転嫁の保護者、そして点数稼ぎに躍起と成る俺達教師……俺はすっかり大嫌いな教師像を体現してしまった。一体何処で俺達は道を間違えたのか?
 帰りの電車では座り込む不良高校生の集団に裸踊りしそうな酔っ払い、そして物を食べるマナー知らずの大人達。何時もの毎日。嫌で仕方ないが、大人として何時も通り黙認する俺達マシで如何しようもない大人達。何時も通りに俺は我慢して帰宅してゆく。
 帰宅するのはアパートの一室。手にするのは自販機で買って来た発泡酒。手にするのはコンビニで買った安物の弁当。予め温めておいたので袋と蓋を開けて直ぐに食べる。発泡酒は開けて直ぐに泡が出て、そして冷たい。これがあるから俺は明日も頑張る事が出来る。それから……色々やってから寝る--この時、俺は自販機で買って来た発泡酒のせいであんな風に成っていたなんて夢にも思わなかった!
 それから朝……そう、一週間後の朝六時に目覚める。部屋はアパートの一室で間違いない。今日授業するのは決まる。でもなぜか記憶が飛んでるように感じる。だが、俺はそれに気付かない。気付かないままに朝食をとり、歯磨きをして色々やってから出勤。
 出勤の電車で異変を感じる。俺に対する目線が以前と違う。まるで俺を恐れるかのような目つきで……良く見ると良く座り込みをする餓鬼共の顔に包帯が巻かれてある。誰にやられたんだ? それ以前に俺が見つめると餓鬼共は目を逸らす。如何してそのような態度を取る……謎だ。
 そして学校に着くと異変に気付く。何と俺を避ける餓鬼共、教師陣。一週間前とは大違いだ。更には授業中でも異変が起こる。彼らが俺を恐れてノートを取る。静かにする。お喋りする声が一つもない。何が起こった……いや、良く見ると餓鬼共の何人かは骨折やら顔に張れた跡やら後は強引にピアスを剥ぎ取られた跡まである。何があったのだ、一週間の内に?
 そこで俺は教頭に尋ねる。すると教頭は驚くべき回答をする。
「いやあ、一週間で良くぞ『改革』をしてくれましたね……尾崎先生」
「『改革』?」
「覚えておりませんか、尾崎先生。先生は六日前に突然、校長室に直談判したのを?」
「え、知りませんね。何かあったのですか?」
「本当に覚えておりませんか。というか尾崎先生……元の尾崎先生その人です、ね?」
 俺は一週間の間に何をした? そもそも一週間過ぎたのか? 俺は一体何が起こったのだ? これから語られるのは俺が一週間の内に俺じゃなくて俺が理想とする教師としてあらぬ限りの体罰と徹底した教育改革をこの中学で実現した事を。
 だが、当の俺はそれに気付かない。全く身に覚えがないのだから……


 という訳で『究極の体罰と至高の教育(仮)』をお届けしました。こちらは大分前に試作品として出した『未来の教科書(仮)』とは違って今度はマクロな面で切り込むお話。誰もが考える教師像とは何か? 昨今まで続く自分勝手な教師が増えた本当の理由を探すお話。これは何もこんな教師を目指せだとか教師はこうあるべきだ、という物じゃない。ある日、謎の発泡酒を口にした事で己の夢見た教師に成った主人公尾崎文助は限定された期間に暴力的で破壊衝動に満ちた理想の教師と成り、自分を苦しめ続けた全ての復讐するかのように体罰を振る舞い、それから理想の邪魔をする教師陣及び保護者達を完膚なきまでに人格矯正させるという荒行をやってのける。正に創作物だからこそ可能な暴力的で破壊的な教師像をここに描くのが目的のお話。なので金八先生や鬼塚を求める諸君はそんな理想の教師を夢見てこれを読まないように。どちらかと言えばダウンタウンのボケが主役の人間の屑その物の教師像に近い。自分の為に男子生徒同士に殴り合いをさせたり、自分の為にカンニングした生徒に罰という名のブルマ盗難を指示したりと無茶苦茶なのに口から出る屁理屈が恐るべき説得力を発揮するという良くわからない先生。主人公が聖人じゃない性格設定にしたのもその為。なのでこれは自分勝手な教師が産まれる本当の理由を探す為のお話。だから押しづけがましい説教を聞くのではなく、理由を考察する為にやる物さ。

 おっと長く成り過ぎたな。という訳で今回はここまで。つーか伝説の教師ってよくよく考えると借金取りが本当の伝説の教師ってのも無茶苦茶だよな。しかもあれで中身は一応聖人らしく時代の流れを読んで自分は必要ない教師である事もわかるってのは凄いよな。自分を良く見れるんだったら教師続けられる気もするんだけどなあ……ま、元々がヤクザの親玉だから無理かもしれないかな。因みに演じたのが大俳優の竹中直人なのだから恐れ入るよ!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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