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一兆年の夜 第八十話 丸橋忠弥の誤算は起こるべくして起こった(七)

 十月四十一日午後十一時十五分二十七秒。
 場所はサッカ市第一南地区。五番目に大きな建物前で五名は一の分もの間黙祷。
 それから五名は最後の議論に臨む。主題は新天神武の今後について。
「わしはざこれからざボルティーニにり向かうが。ちょうどん、一のん月ものん間のん休養をん取った。社にりはざ迷い戸惑わせるのんはざ承知だがざ、今更計画をん台無しにりする訳にりはざゆかない」
「やっとー決心してくれましたか、先生ーってな!」
「それを伝えに一緒にここで働く若造の所までやって来たッケロ」
「だが、あんな事に成って如何しようかと悩んっでいたらキリリン爺さんの鶴なっらぬキリンの一言で何時もの時間に決まった」
「やるなら今しかないー」
(それでーみんな一斉に来て百獣型を……というかキリリンの爺さんはあんなに強かったのか。知らなかったー……たった一名であの百獣型を倒すなんてーってな!)
 実はこの後にザクロスが語るには実は鳳凰堂山に住む拠点型との戦いに参加した生命の内の一名だったそうだ。しかもあの戦いを生き延びたのを機に伝説的なお触れが付く程の偉業を成し遂げて来た。だが、十の年より前に突如として軍者を辞めて行方を晦ましていた。それが今に成ってザクロスに共鳴して最年長者として鋭い一言を述べては皆を正しき結論へと導く生命に成ろうとは!
「過去の事だー」
「それはざ後程わしがざ語るとしてに、早速だがざ新天神武にりザクロス党結党のん判子をん押したまえ」
 いきなりー判子を求められても困りますーってな--唐突な要求は断るダツ比呂。
「そうかざ。ではざ船場にり着くまでにり用意するのんだぞん。でないとん規定要員にり満たずにり政党としてに認められないからなざ」
「そうそう、ジネンダ麺だって商標登録には必ず本命確認の捺印が必要ッケロ」
「何時まで面に拘っるんだ、おっさんは」
「人生色々ー、生命色々ー」
「ハハハざ、良い芸語じゃなざ」
 とさっきまで亡くなった方々への弔いをしていた五名とは思えない明るい雰囲気。その様子に気付いてダツ比呂はこう考える。
(何も暗い事ーばかりじゃない。明るい事ーだって一緒に付いて回る。憂いばかりにー囚われて陽気な一面にも気付かないとはな。俺達はまだまだー前に向かって進めるーってな!
 でも政党結党がー本来俺達の望む物だとしたらそれこそ気が長くなる。一体どれくらいー待てばいいのだ? ひょっとしたらそれすらー敵わないかも知れない。常に暗い面にー囚われがちな俺が主張するべきは政党結党ではないーってな!)
 そこでダツ比呂は長い首で支えられた頭を突き出して次のように自らの主張を前面に押し出す!
「いーや、政党じゃあーいけない。ここはー研究機関の立ち上げをするべきでしょうーってな!」
 研究機関ってなあ--ウキ戸だけじゃなく、他の三名も同様の驚きを見せる!
「成程ー、支援団体でも新生党でもない第三の道ー」
「そうかざ、わしらはざ頭脳集団でにはざあるがざ政党をん結成してに国民にり訴えるよりにもんそれからざ政党をん資金面でに支える支援団体よりもん頭脳面でに支える方がざ適切かもん知れないなざ」
「それ如何っゆう意味なの? 支援団体と如何異っなる? 同じっじゃねえか!」
「そうだッケロ。麺の考案だったら支援団体も持ち出せるッケロ」
「いーや、支援団体はあくまでー経理を重視する。故にー一々案を出せる程の余裕もないし、良い案をー出せる保障がこれからもある訳じゃない。だからこそー国が独自に予算を計上してそこを資金面で援助しつつもこちらはその予算内で様々な分野の研究を為す……それが研究機関さーってな!」
「……」
「そうかざ、その鋏がざあったか!」
「如何ーですか、ザクロス先生ー。これならばー速やかなる新天神武の刷新が図れますーってな!」
「一つ気に成る事があるッケロ」
「何ーだ、ケロッチャーってな?」
「活動資金は如何するッケロ?」
「そんなの国にお願いっして出して貰えば良っいんだよ。何を寝惚っけた事を言ってんだあ!」
「いやざ、国はざ余りにりもんお金のん掛かる所にりはざ出したがらない。昔、真古式神武がざ新天神武にり借金のんお願をんした時にり了承するまざでに反対した程だぞん」
 え、そうっなの--相変わらず勉強が足りないウキ戸。
「お金は信頼あって貸せる物ー」
「そうーそう、だからこそ国からーお金を出すのは難しい。それは俺もー百は承知。そこである政党のー支援団体にお願いして貰うのさ。あの偏り屈した政党がーあるじゃないかーってな」
「ああざ、開発党のん支援団体でにあるが貸借対称会のん事かざ!」
「開発党は確か何名かの頭脳労働者が所属するというあの政党かッケロ」
「確かあそこは前に政権握った時に碌でもっない抜け道を考案して三期も務めらっれるようにしてしまったという良くない前例を立ち上げた政党っじゃないか。良いっのか、其処の支援団体にお金を出っして貰うのは?」
「良いじゃないかッケロ。序にジネンダ麺の商標登録するようにお願いするのも一番ッケロ」
「道は楽じゃない-、険しくて当たり前ー」
「それでにもん険しい時にりこそん僅かにり残るが明るさにり気付いた時、これ程遣り甲斐のんあるが人生もんないとん思うだろうが」
「その通りーですね、先生ー。ではー向かいましょうか、明日早くにー……あ、そのー前にーってな!」
 有給及び臨時休養を取るのを怠るダツ比呂。結局出発したのはそれから一の週より後であるとは……
(結局ー、当初の計画からー大きく遠ざけてしまった。本当だったらーあらゆる各地の軍者に呼び掛けて首都ボルティーニに押し寄せて政権を引っ繰り返した後にあちこちを探して天同家の者に最高官の位を就けさせてからここに理想とする天同家を中心とした政治の回帰を図る狙いだったけどな。如何にもー先生は本来の計画を恐がって安易な新党結成という道を選択してしまったそうだ-ってな。
 まー、そうゆう俺もー安易な選択をしてしまったけどな。まさかウサ道の死を契機にーこのような事を思い付くなんて当時の俺は想像も付かなかっただろうなーってな!)

 ICイマジナリーセンチュリー十月四十二日午前零時零分二秒。

 第八十話 丸橋忠弥の誤算は起こるべくして起こった 完

 第八十一話 源内は玄白に嵌められたのか に続く……

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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