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一兆年の夜 第八十話 丸橋忠弥の誤算は起こるべくして起こった(六)

 午後十一時四十一分三十二秒。
 次の日が迫る中でキリリンの発した一言が大変な閃きをザクロスに齎す。
「船をん動かす動力にりすれば良いかざもん知れない!」
「そうーか、それならー生産力と労働力の捻れに困らずに済む訳かーってな!」
「確かに菅原麺の生産力向上だけに--」
 しつっこい、何時まっでも菅原麺ばかりに拘っるなよ--と叱るウキ戸。
「……」
「これでに国のん発展はざ保障される。より素早くが船をん運航出来るが」
「だーが、そうするとー生産力が若干上昇する。それにー菅原炭に依る生産力増大に気付く生命だって出て来ます。結局の所はー労働力の供給不足が懸念されるーってな」
「だよなッケロ。また残業が増えるのは困るなッケロ。今日なんかここに来るまでに疲れが激しくてきつかったッケロ」
「珍しく意見がまともっだな、おっさん。確かにその通りだよ。労働力ってのは結局は生命の数が足っらないと何時までも均衡しない物さ。残業を減らっしたければ生産量を減っらす必要があるが、其れっだと万が一の時に消費者は困っる。消費者は安く買って消費っする。なのに生産量の減産は却って商品を高く付っけてしま--」
「少し話がー筋を違わせるぞ、ウキ戸。正確にはー商品とは値が高くつく物は誰もが買うからこそ高くつく。これがー上昇の論理。誰もー買わないとしたら安くなる。安くしないとー売れないから安くする。これがー低下の論理。つまり何も生産力を減らしたからって値が高く成るなんて有り得ない。それこそー調査が入り、買い占めのー可能性を睨むのが普通だーってな!」
「買占めッケロ。それは良くないッケロ。たまに流通の部分で如何にも値が高く成る気がしたら……市場に出回る前に買い占めが起きた証拠だったッケロ」
「本当に困る話っだな。だっからこそ……ところで話が大きくずっれている気がするけど?」
「そうだ。今はざ蒸気をんにり運びにり活用するかざどうかのん話だざ。生産量のん話はざもう済んだ。そろそろん日がざ過ぎようんとしている。ここいらでに解散だざ」
「わかりましたーが、そのー前にーってな」
 何じゃざ--ダツ比呂が何か気にするのを感じるザクロス。
「何時あのー計画を実行するのですかーってな?」
「あの計画はざ実行しない。実行する前にり頓挫するのんがざ日をん見て明らかだざ」
 そうですかーてな--ダツ比呂は残念そうな表情を見せる。
「これより解散ー」
 今の日は終わりを迎え、次の日の最初の夜が見える瞬間には既に第一西地区で最も小さな建物の天辺には一名たりとも生命は居ない。

 十月四十一日午前十一時二十七分四十三秒。
 場所はサッカ市第一南地区。
 ダツ比呂が働く五番目に大きな建物にて突如として百獣型が襲撃。
「ウワアアアー、上島アアアアーってな!」
 上司イイイーってな--百獣型はダツ比呂の上司を丸呑みするだけじゃあ飽き足らず、百獣型にも拘わらずに雌の従業員五名を一斉に性的行為に働いた!
「放せー、百獣型ー。蟻族のーアリ子さんに、羊族のーヒツ美さんに、猪族のーイノ芽さんに、驢馬族のーロ花さんに、燕族のーツバ佐さんに何て事を……何て節操のない百獣型なんだーってな!」
 ダツ比呂は雌五名がやられる現場を目撃すると上司の敵討ちと雌達の心身の為に上着を脱いで単身百獣型に突撃。ところが百獣型は駝鳥族の速度に対応し、軽くダツ比呂の顎を強打させる関節極めを実行!
(やはりー実力が大きく隔たり過ぎるーってな!
 そもそもー三十台を越えた生命では筋力も体力も下降してゆく運命だ。何がー元軍者だ。上司をー死なせて、同僚にしてー芸能仲間にして競争相手の雌共にあんな目を防ぐ事が出来なかった俺に何を期待させるんだーってな!
 如何ー、細い首にー、上手くー、神経とー血管が、絞まー、ってゆー、くー。こ、の、まま、じゃ、あ……)
 意識が徐々に薄れる中、ダツ比呂はキリン族の長い首を目撃。それだけじゃなく、蛙族の跳ねる音を僅かに聞き、猿族が上手くダツ比呂を回収するのを肌で感じ、それから--
 意識はざ大丈夫かざ、ダツ比呂君--蜊蛄族の老年の声を確かに聞いた!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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