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一兆年の夜 第八十話 丸橋忠弥の誤算は起こるべくして起こった(五)

 十月三十九日午後十一時一分七秒。
 場所はサッカ市中央地区。その中で二番目に大きな建物。
 その三階にある食堂にてザクロス達五名は集まる。これについてダツ比呂は次のように思った。
(とうとう先生はー決断為さるのですね。この日をどれだけー待ったか。エピクロス島でー潜伏中の液状型はやがて数の日の後もあれば軍も動き出して何とかしてくれるーってな。
 問題なのはーこのままではいけない。民主主義ではー全生命体は守れない。だからこそー今の制度を改めて円滑且自立出来る国家にしなくてはいけない。最早ー真正神武も古式神武もそして真古式神武ももうない。ここにはー新天神武しか希望はないーってな)
「ではざ諸君。そろそろ始めるとんしようかざ」
「やはりー決起する時が来たのですねーってな!」
「菅原麺ばかりの情勢にくさびを打つ時が来ましたかッケロ!」
「この日をどれだけ待ち焦がっれたか。散々寝る間に良い雌を抱く夢を妄想しっながら眠りに就かせるのがどれだけ情けなかったか」
「……」
 ザクロスの尖った口が動き出す時、次のような一言が待っていた。
「今までに練って来た計画をん中止するが事にりする!」
 それはダツ比呂ら四名にとってどれだけ耳を疑う一言だったか!
「あのーう、計画をー中止にするーってな?」
「危機異なりじゃないッケロ。計画をッケロ?」
「そんなっあ、先生。僕達はずっと先生の計画を信じて今までこんな夜遅っくに集まって来たのですよ」
「……」
「如何ゆうー考えがあって中止を決めたのですかーってな?」
「それはざ……市役所のん者達にり五名分のん署名をん出した時にり気付いた。今のん数だけでに新天神武をん変える事なんぞん難しいとんなざ」
「数ー……五名かーってな」
「それが何だって言うんだッケロ。五名分の菅原麺を用意すれば良いだけッケロ」
「何時まで菅原麺に拘っるんだ。そっちの話は止っめんか!」
「塵も積もれば山と成るー」
 そうが、山にりする為のん塵がざ足りない--正に数こそが全てであった。
(そうーか、たったのー五名じゃあ何の議論にも成らなかった。如何してそれにー気付かなかったか。あの計画をー実行する為には数が必要だったのか。じゃあもうー新天神武を変える事なんて無理じゃないかーってな!)
「それで新天神武政治制度の引っ繰り返っし計画を今日を以って中止にっするのですね」
「何をん口にりする? その計画はざまだざ中止にりするとんはざ言ってない」
 誰もが「は?」と答える瞬間。これにはその後、ダツ比呂が怒鳴ったのは言うまでもない。怒鳴った内容はここでは書き記さないが議論もまま成らない状態で食堂から追い出された事だけを述べておこう。

 十月四十日午後十一時二分一秒。
 場所はサッカ市第一西地区。その中で一番小さな建物。
 そこは余りに狭い事から象族及びキリン族の入居は認められない首痛めの建物。その為に五名は建物の上で今回も始める。
「キリン族ーだけじゃなく、駝鳥族の生命もー下の建物に入れないのですーってな」
「そうそう、最近じゃあ雄略蕎麦が大流行していて困ってるッケロ。折角菅原麺に嵌り出した俺が--」
「知らっん、そんな事っは。雄略蕎麦を素直に美味っしいと認めろ。そうっゆう話は近所のおばさん会話でやれって!」
「……」
「昨のん日のん件はざお詫びしましょう。あれはざ蜊蛄蕎麦のん計画案だった。最近はざ蕎麦打ちにり嵌っており、気がざ付けば蜊蛄族でにもん出来る蕎麦がざ出来てそれをん用いてに始めました」
「最初からそうー言ってくれないと困りますよ、ザクロス先生ーってな」
「全くですなッケロ。最近では菅原蕎麦も良い物じゃないかって思えてきたこの御時世に蜊蛄蕎麦ですかッケロ。確かに美味くて思わずはやらそうかと思ってしまうくらいッケロ」
「全く驚いたじゃっありませんか。まさか僕達が立てっていた計画を突如として中止すると決めたら誰だって困りっますよ、ザクロス先生」
「それでー今回はやっとあの計画のお話ですかーってな?」
「実はざ他にりもんあってなざ。これはざ計画のん傍でに思い付いた事だざがざ、蒸気をん扱った全く新しい生産技術のんなあざ、あれをん中止しようがとん思ってるのんだざ」
 寧ろー初耳ですよ、蒸気を使った全く新しいー生産技術というのはーってな--ザクロスはそんな案も出していたとは……驚かない方が不思議である。
 その案とは次のように成る。先ずは菅原炭と呼ばれる石の炭を焼き、その蒸気を利用して様々な機能を用いて稼働させ続けるという物。これを使えば今までにやれなかった事もやれ、更には爆発的な生産力の実現に繋がる。そうすれば日に千だった生産力は日に万へと発展するとザクロスは主張する。
 だが、ザクロスはこの計画の過程である事に気付く。それが労働時間の問題。生産力の向上は労働力を却って浪費し、者出の供給を著しく足りない物にすると試算。その為、この日の夕方に成って念を断つ事に決めた。
「確かにそれだけー生産してもいざ売れ始めると中々生産量を下げられなくなるからな。過剰労働問題の解決はー次の過剰労働の問題へと繋げてしまうという捻れは何時までも解消されない物だな。これについてー何か上手い案はないかーってな?」
「炭を燃やせば船は動くー」
 キリリンの一言でザクロスは何かを閃く!

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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