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一兆年の夜 第八十話 丸橋忠弥の誤算は起こるべくして起こった(一)

 ICイマジナリーセンチュリー二百十七年十月三十六日午後十一時二十三分三十二秒。

 場所は新天神武テオディダクトス大陸サッカス地方サッカ市第二東地区。
 その中で二番目に大きな建物にて五名の生命が集まる。全員雄で尚且つ独身。しかも全員三十を越える。そんな彼らが夜遅くに集まるのには理由があった。それはある計画を立てる為だった。
 その計画の中身を明かす前に五名を紹介しよう。先ずは中心的生命である齢三十九にして九の月と六日目に成るサッカ蜊蛄ざりがに族老年ザクロス・ガニーダ。彼はテオディダクトス大陸では一番の学者。その学問を習いに多くの生命が彼の私塾に訪れる。どれくらい凄いのかは後程にて。
 二名目はこの物語の主人公にしてサッカ市で軍者を務める齢三十二にして十五日目に成るサッカ駝鳥だちょう族の中年上島ダツ比呂。彼はこの計画を遂行したら軍者を辞めて芸能活動に邁進する事をボルティーニ府に暮らす二名の友者に約束していた模様。
 三名目は齢三十四にして六の月と二日目に成るアンモ蛙族の中年ケロッチャ・ジネンダ。何の考えもなく、面白そうだという理由で参加したろくでなし。故に彼の意見は誰も聞かない。
 四名目はこの中で最年少の齢三十一にして十一の月と十一日目に成るロンギー猿族の中年宮林ウッキ戸。この中で最も理屈っぽい生命でありながらも口から出る言葉には所々屁のような理屈が垣間見れる為に納得しようと試みる生命が居ても徒労に終わる事が多い。
 最後はこの中で最年長にして齢四十一にして十一の月と二十九日目に成るギヌスキリン族の老年キリリン・ギリーズ。口数は少ない上に頭脳労働者としてはこれと言って秀でた所はない。だが、人生経験が豊富な為に口から出る言葉には妙に説得される事が多いとされる。故に誰もが彼の言葉には耳を傾けてしまう。
 以上の五名は真夜中に極秘の計画を打ち合わせる。その内容は次の会話から明かされる。
「もうが我慢出来ない。諸君よん、始めるぞん!」
「とうとうーここまで来ましたか。ザクロス先生のー為なら俺は火だろうと海だろうと例え拠点型の仲だろうと飛び込んでやるぞーってな!」
「そうかッケロ。シンディーちゃんの風呂場を覗きに行くんだなッケロ」
「先ず拠点型に飛び込っむ前にお前なんてあっという間にあっとだぞ」
「……」
「先ずが始めるのんはざ……生命はざ何故結婚しなければいけないのかざ!」
 またー頓挫ですか、先生--ダツ比呂の言葉から如何やら土壇場に来て本来の計画の実行を諦めるザクロスだった。
「それは決まってるだろッケロ。雌を抱くのは気持ちええぞッケロ」
「結婚なんて人生にとって足かせっだろう。何故結婚するのに雌を作っらなければいけないか!」
「先生ー、結婚のー話はまた今度にして本来の計画である--」
「達磨九年ー」
「あざ、ああざ。計画にりはざ多少のん遠回りがざ必要だとんキリリン氏はざ仰っておられる」
「何とー、その為にーわざわざ無関係そうな達磨九年を持ち出したのですかーってな!」
「達磨さんが転んだッケロ。でも九年も達磨の転ぶのを待つくらいだったらもう一つ達磨作る方が良いッケロ」
「そんな事していると刻一刻と新天神武は銀河連合に付っけ入る隙を与えるぞ!」
「それはざ何故だざ、坊主?」
「それはほら、右足を出っしたと思った時既に奴らは左足を出した後とか言っうじゃない?」
 言わないー、つーかーお前は黙って聞いていろーってな--と最もらしい理由が大した答えに成ってないのを聞き、改めてうっき戸に溜息吐くダツ比呂。
「今日は解散―」
 鶴族いやキリン族の一声にて今日の会議はここで終了。今日もダツ比呂は納得いかない様子。
(ウヌヌヌー、このままではー当初から俺達が温めていた計画が始める前に一名一名が寿命迎えちまうーってな!
 それじゃあー如何しようもないじゃないか。何とかしてー明日までに決断を迫って貰わなければいけない。でもザクロスさんはー優しく柔らかくも断行不十分な生命だからな。学問はー何時聞いても勉強に成るけど、今のままではー益々計画に賛同する生命が減ってしまう。さてさてーってな!)

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プロフィール

Author:darkvernu
 どうも大阪府に住むdarkvernuです。
 自分の趣味はネットサーフィンする事と偉そうに批評する事と、たまに読書をする事。今はそれだけです!
ちなみに読む本は主に経済本や評論本、たまに数学関連や科学関連の本を読みます。歴史も好きなのか歴史関連を読んだりもします。ただし、その分野に詳しいかと言えば、ドマイナーだと自分で思います。ただし、小説関連は余り読みません。何故なら自分は三流未満とは言え小説家なので手塚治虫の言葉を応用して小説は読まないように心がけてます。神話や昔話、童話は読みます。小説というジャンルとは違うので。今度はSF界の重鎮作品も読みたい気分です。
 好きな食べ物は数えきれませんので嫌いな食べ物は基本無いです。苦手な事は就活。いや本気で。今はギリギリでいるか或はその前に貯金を使い果たすかのどちらかだ。

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